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日本企業のガラパゴス化が加速? 米ゴールドマン、IPO引き受け条件に「女性取締役」

2月14日(金)7時50分配信 THE PAGE

 米国の投資銀行大手ゴールドマンサックスが、企業の新規株式公開(IPO)を引き受けるにあたって、女性取締役がいない企業の業務は受託しない方針を表明したことが話題となっています。同社は全世界のIPO業務に対して絶大な影響力を持っており、今回の決定は企業経営にも大きなインパクトを与える可能性が高いでしょう。

業界トップが方針表明 背景には「ESG投資」

写真:ロイター/アフロ
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写真:ロイター/アフロ
 同社のデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は1月23日、米テレビ番組のインタビューにおいて「欧米企業で取締役候補に多様性が欠ける場合、特に女性が一人もいない場合は業務を引き受けない」と述べ、上場を希望する場合には、最低1人の女性取締役の選任を求めました。この方針が適用されるのは7月からで、2021年からはさらに条件を厳しくし、最低2人の就任を求めるそうです。同社はIPO業務において極めて大きな影響力があり、2019年の引き受けランキングは米国でトップでした。業界トップの方針表明は、株式の上場を狙う企業の経営に変化をもたらす可能性が高いでしょう。

 同社が女性取締役の就任を求めるのは、社会的な意義ということもありますが、もっとも大きいのは利益で、女性役員がいる企業の業績が好調であることが理由だとしています。資本市場においては、社会問題に対応した投資であるESGが全世界的な流れとなっており、日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、ESG投資を強化する方針を打ち出しています。今回の同社の決定にはアジア地域は含まれていませんが、ESG投資の中には女性役員の起用も含まれているという現実を考えると、日本の株式市場にもこの流れが波及してくる可能性が高いでしょう。
 この動きが加速した場合、日本企業は困った事態に追い込まれるかもしれません。日本はコーポレートガバナンスが未熟であり、社外取締役の比率が諸外国と比べて低いという問題が指摘されています。東証は企業に対して改善を求めていますが、企業側の動きは緩慢です。社外取締役の拡大ですら不十分という状況に加え、女性役員の登用も事実上、義務付けられるとなった場合、日本企業のガラパゴス化がさらに進む可能性も否定できません。

 実は欧米でも外部から経営に介入されることを嫌う企業は少なくないのですが、こうした企業は株式会社の形態を取っておらず、当然のことながら市場に上場することもありません(米国では株式会社はむしろ少数派です)。しかしながら日本では外部からの干渉を嫌っているにもかかわらず、わざわざ外部の人が経営権を所有できる株式会社の形態を好み、しかも知名度や社会的地位を向上させたいといった理由から、必要もないのに上場する企業も少なくありません。社外役員の拡大や女性登用は全世界的な市場の流れですから、もし上場企業という「名誉」を維持したいのであれば、こうした流れに対応するしか方法はなさそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2月14日(金)7時50分

THE PAGE

 

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