ここから本文です

不思議と一致する街角景気と日本株 その背景にあるものは?

2月7日(金)7時05分配信 THE PAGE

 日本株の下落ペースと不思議に符合する経済指標があると、第一生命経済研究所・藤代宏一主任エコノミストは指摘します。何がその背景にあるのでしょうか。藤代氏の分析です。

日本株の不可解な下落ペースに違和感

[写真]1月後半以降、下落ペースが増した日経平均。写真は1月6日の大発会の株価ボード(つのだよしお/アフロ)
拡大写真
[写真]1月後半以降、下落ペースが増した日経平均。写真は1月6日の大発会の株価ボード(つのだよしお/アフロ)
 昨年9月以降、米国株をアウトパフォーム(上回り)しつつ上昇した日本株は、ここへ来て再びその勢いを失いつつあります。2020年は年初こそ順調な滑り出しを遂げたように見えたものの、1月下旬になって中国における新型肺炎の感染拡大が伝わると、その後の日経平均株価は下落基調に転じ、2月3日には2万3000円を割り込んでしまいました。

 もっとも、新型肺炎の感染拡大という突発的事象に対して市場が拒否反応を示すのは当然です。したがって、株価の下落そのものに違和感はありません。中国の経済活動が強い下押し圧力にさらされ、アジア地域の経済活動が滞れば、企業収益の期待値が低下(不確実性が増加)するのは当然の反応ですから、むしろ株価が下落しない方がおかしいと考えるべきです。

 ただし、筆者は日本株の下落ペースが米国株との比較で不可解に激しいことに違和感を禁じ得ません。地理的に中国との距離が近い日本の方が新型肺炎に対する懸念が意識されていることは事実でしょうが、それとは別の要因もある気がして仕方がありません。

目を引く消費増税後の国内景気の弱さ

[グラフ1]景気ウォッチャーの推移
拡大写真
[グラフ1]景気ウォッチャーの推移
 その別の要因とは、消費増税後の国内景気の弱さです。景気ウォッチャー調査に目を向けると一目瞭然、その弱さが目を引きます。この指標は消費者に近いところでビジネスを展開する人々の景況感を調査するもので、その結果は「街角の景気」を映し出すばかりでなく、GDP(国内総生産)との連動性も強いため、このシグナルは軽視すべきでありません。

 2019年10~11月の急落の原因とされた台風19号による下押し圧力は12月に終了したはずですが、それにもかかわらず弱さが続いているのであれば、いよいよ景気の基調的弱さを疑わざるを得ません。消費増税から3か月が経過し、新型肺炎の感染が拡大する前の12月時点で消費増税後の急落をほとんど取り戻せてないことは懸念材料そのものです。

街角景気の肌寒さが株価に織り込まれる

[グラフ2]景気ウォッチャーと日米相対株価の推移
拡大写真
[グラフ2]景気ウォッチャーと日米相対株価の推移
 さて、それが株価にどう関係してくるのでしょうか。ここで景気ウォッチャーと日米相対株価(日本株÷米国株)を同じグラフに描くと、驚くほど強い連動性が確認できます。2018年以降、日本株が米国株対比で遅れを取っていたのは、その間の景気ウォッチャーが趨勢的に低下し、国内景気の肌寒さを映し出してきたことと整合的です。そして、直近では景気ウォッチャーが急低下するなか、それに追随するように日本株が下落しているのは、投資家が内需の弱さを懸念している証拠ではないでしょうか。

 景気ウォッチャーと日米相対パフォーマンスの関係は、あくまで日本株の相対感を論じたのであって水準そのものに直接言及している訳ではありません。したがって、景気ウォッチャー調査が低下しても株価が上昇することはあります。ただし、街角から聞こえてくる景気の肌寒さが、日本株の相対劣後という形で、しっかりと株価に織り込まれていることを認識しておく必要があるでしょう。
----------------------
※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

最終更新:2月7日(金)7時05分

THE PAGE

 

【あわせて読みたい】

Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

ヘッドライン