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赤字を年金で補填する「おばあちゃんの激安食堂」 ボランティアとビジネスの線引きとは

2月2日(日)15時30分配信 THE PAGE

 84歳のおばあちゃんが1人で切り盛りし、激安で食事を提供する食堂がメディアで話題となっています。みんなに幸せを与えたいとの願いから、自腹で激安価格を続ける姿勢に賞賛の声が上がっていますが、赤字分は年金から補填しているとのことで、一部からは、周囲の飲食店を苦しめているのではないかとの指摘も出ています。純粋な善意から赤字でお店を運営することについては、わたしたちはどう受け止めればよいのでしょうか。

破格のサービス提供で毎月赤字に

調理のイメージ(写真:アフロ)
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調理のイメージ(写真:アフロ)
 群馬県の桐生市には、84歳の女性が運営する激安食堂があり、500円で好きなだけご飯やおかずを食べることができます(小学生以下無料)。コストパフォーマンスの高さから注目を集めており、メディアに取り上げられることもしばしばです。店主によると、500円ではまったく元はとれず、毎月平均で7万円の赤字が続いているそうですが、本人は、皆を喜ばせたいとの思いから、自身がもらう年金から損失分を補填し、経営を続けています。

 こうした店主の姿勢に対しては賛同の声が集まっていますが、一部からは、疑問視する声も出ているようです。確かに激安価格を継続してくれれば、顧客は大喜びするわけですが、ビジネスとして外食業を営んでいる同業者から、顧客を奪い取っている可能性は否定できません。SNS上では、これまでの人生に感謝したいとの思いから、年金を使って赤字を補填しながら飲食店を経営しているという話をしばしば見聞きします。もしこうしたボランティア的な事業が広範囲に拡大しているのだとすると、それによって経営が圧迫され、苦しむ人が出てくる可能性もあるでしょう。また、年金についても、本来は高齢者の老後の生活を支えるためのものですから、これがビジネスの赤字補填に使われるということになると、話が違うと考えてしまう人が出てきても不思議ではありません。
 社会貢献という活動が定着している欧米各国の場合、店に行く顧客も、事業者もどこまでがボランティアでどこまでビジネスなのかについて共通認識を持っており、ボランティア的な飲食店と正規の飲食店が顧客を奪い合うケースはあまり見られません。しかしながら日本の場合には、このあたりの線引きは曖昧ですから、場合によっては他のビジネスの圧迫につながる可能性があります。

 日本は自由市場の国ですから、いくらの価格設定でビジネスをするのかについては、完全に事業者に委ねられるべきでしょう。ただボランティアという認識を強く持って事業を展開するのであれば、無償もしくは極めて低価格であることをはっきりさせた方が、誤解も生じませんし、実際にその活動によって影響を受ける人も少なくなるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2月2日(日)15時30分

THE PAGE

 

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