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ヤマトHD、事業会社に移行へ 「名ばかり」持株会社が多い現状を変えるきっかけに?

1月29日(水)12時35分配信 THE PAGE

 運送大手のヤマトホールディングス(HD)が、純粋持株会社から事業会社に移行する方針を明らかにしました。日本では1997年に持株会社が解禁されましたが、必要のない会社まで持株会社に移行し、かえって意思決定が遅くなったり、投資家向けの情報公開が後退するといった弊害が出ていました。今回のヤマトの決断は、他の持株会社にも影響を与えることになるでしょう。

グループ8社を吸収合併・吸収分割

ヤマトHDの本社=東京・中央区(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
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ヤマトHDの本社=東京・中央区(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
 同社は1月23日、来年4月1日付で、ヤマト運輸などグループ8社を吸収合併・吸収分割し、純粋持株会社から事業会社に移行すると発表しました。新しい事業会社は、リテール・地域法人・グローバル法人・ECという4つの事業本部を設置し、同じ会社の中で各部門の事業を行うことになります。

 かつての日本では純粋持株会社の設立は禁止されていましたが、1997年に行われた独占禁止法の改正によって、全面的に解禁となりました。これをきっかけに事業会社から持株会社に移行する企業が増えましたが、同社もこうした流れに乗って2005年に持株会社制に移行しています。持株会社を解禁したのは、所有と経営を完全に分離したり、傘下の各会社でまったく異なる組織を構築するなど、事業の多角化や国際化に対応することが目的でした。ところが現実には、持株会社の下に1つの大きな事業会社がぶら下がるだけという、いわゆる「名ばかり」の持株会社も少なくありませんでした。実質的には事業会社と何も変わらなくても、事業子会社と持株会社の両方に経営者を配置する必要がありますから、その分だけコストがかかりますし、意思決定も遅くなります。

経営体制を見直す企業が増える可能性も

 ヤマトも主力事業子会社であるヤマト運輸を中心としたデリバリー事業が全体の8割を占めるなど、あまり多角化が進んでいるとはいえず、純粋持株会社にしている意味はあまりないという状況が続いてきました。特にヤマトの場合、現場の配送要員が過重労働で疲弊していたにもかかわらず、経営陣が状況をよく把握できず、ネット通販事業者から安値で配送を請け負うなど、経営と現場の距離が大きな問題となっていました。今回、事業会社に移行することで、名目上はすべて一つの会社でオペレーションを実施することになりますから、従来と比較すると現場の声も上に上がりやすく、経営層の指示も伝わりやすくなるでしょう。

 日本では純粋持株会社が実質的に機能していないところが多いですから、ヤマトの決断をきっかけに、経営体制の見直しを検討する企業が増えてくる可能性もあります。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1月29日(水)12時35分

THE PAGE

 

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