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M&A新時代へ突入、急増する「敵対的TOB」の行方と株価未来図 <株探トップ特集>

1月28日(火)19時30分配信 株探ニュース

日本企業のM&Aが急増しているが、とりわけ敵対的TOBが目立っており、その背景には日本企業へのコーポレートガバナンス・コードの導入がある。アクティビストが存在感を高める20年相場の展望を探った。
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日本企業のM&Aが急増しているが、とりわけ敵対的TOBが目立っており、その背景には日本企業へのコーポレートガバナンス・コードの導入がある。アクティビストが存在感を高める20年相場の展望を探った。
現在値
ユニゾHD 5,860 +30
R-スターアジア 112,500 -1,000
R-さくら総合リート 93,600 -1,100
フジメHD 1,448 -23
東芝機 3,345 -25
―アクティビスト“旧村上ファンド系”の活動活発化、日本企業の株高政策は必至に―

 東京市場で敵対的TOB(株式公開買い付け)が急増している。企業の大株主となり経営陣に要求する「アクティビスト(物言う株主)」の活躍が活発化するなか、日本企業ではタブー視されていた大手企業間の敵対的TOBも増加してきた。この背景には、日本市場のコーポレートガバナンス(企業統治)への意識の高まりがある。日本で10数年ぶりに盛り上がる敵対的TOBだが、「今度は本物」との声も少なくない。新M&A(合併・買収)時代を迎え、企業は今後、買収防衛策として株高政策を一段と打ち出すことが予想されている。

●19年のTOB数は過去最高更新、10数年ぶりの盛り上がりに

 日本企業のM&Aが急増している。M&A助言のレコフによると、19年の日本企業のM&A件数は4088件となり、18年を6.2%上回り初めて4000件を突破した。金額は前年の大型案件の反動で38.5%減の18兆295億円だった。特に、TOBは前年から6.7%増加し48件となり、金額は同2.5倍の3兆4021億円と2006年の3兆2930億円を13年ぶりに上回り過去最高を更新した。

 とりわけ、敵対的TOBが増加したことは大きな注目ポイントだ。06年前後といえば、ニッポン放送株を巡る旧ライブドアとフジテレビ(現、フジ・メディア・ホールディングス <4676> )の攻防や、「物言う株主」である米スティール・パートナーズの日本企業への攻勢などが話題となった時期。足もとの敵対的TOBは「10数年ぶりの盛り上がり」(市場関係者)を見せている。

●旧村上系の東芝機械、前田建の前田道路への敵対的TOBに注目集まる

 具体的には、19年は伊藤忠商事 <8001> によるデサント <8114> に対する敵対的TOBが成立し注目を集めた。この敵対的TOBは国内主要企業同士では初の成立例となったとも言われている。また、エイチ・アイ・エス <9603> はユニゾホールディングス <3258> に対して、HOYA <7741> はニューフレアテクノロジー <6256> [JQ]に対して敵対的TOBを仕掛けた。両TOBは成立しなかったが、市場の大きな話題を集めた。REITではスターアジア不動産投資法人 <3468> [東証R]がさくら総合リート投資法人 <3473> [東証R]に仕掛けた敵対的M&Aが発生している。

 更に、足もとでは旧村上ファンド系の投資会社が東芝機械 <6104> に対して敵対的TOBを仕掛けたことが関心を集めている。TOB価格は、1株3456円とされている。また、前田建設工業 <1824> は前田道路 <1883> に1株3950円でTOBを実施。これに対し、前田道路は反対を表明したことで、敵対的TOBに発展した。

 レノなど旧村上ファンド系投資会社は、大株主となっているレオパレス21 <8848> に対して、社長ら取締役の解任などを求め株主総会の開催を要求した。ただ、この要求は28日に一転して撤回された。

●大手企業を含め敵対的M&Aは一段と活発化へ、買収防衛策の動向に注目

 この敵対的TOBなどの増加の背景にあるのは、日本企業へのコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の導入だ。同コードの導入に伴い企業価値の向上が求められるなか、機関投資家は株主総会などで説明のつかない非合理的な議決権行使は難しくなった。

 また、これまでタブー視されてきた大手企業同士の敵対的買収もハードルは低くなっている。アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフ・エコノミストは「これまで日本企業は業務提携などで時間をかけて関係を築いてきたが、いまはそれだけの余裕はなくなっている。十分なキャッシュを持つ企業は多いだけに、今後は大手企業間を含めて敵対的M&Aが増えてくることは考えられる」とみている。

 特に近年、上場企業は相次いで買収防衛策を撤廃した。旧村上ファンドからの敵対的TOBを受けた東芝機械は、買収の脅威が表面化した際に導入する「有事型」の防衛策の導入を発表したが、旧村上ファンド側は反発しており、裁判になる可能性も指摘されている。この有事型の買収防衛策の有効性が注目されるものの、かつての株式持ち合いが薄れ、大株主の機関投資家も株主総会では合理的な議決権行使が予想されるなか、敵対的買収は成功する確率は高まっている。特に、PBRで1倍割れの企業も多く、買収防衛策も撤廃した日本企業は絶好の買収候補となる。この敵対的買収を意識した自衛策として「自社株買いなどの株高政策はこれからも一段と増える」(アナリスト)と予想されている。

 足もとで活動を活発化させている旧村上ファンド系の動向は要注目であり、同ファンドが大株主となっているヨロズ <7294> やフージャースホールディングス <3284> 、中国塗料 <4617> などへの関心が高い。また、 M&Aの活発化によりGCA <2174> や野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> などの大手企業のM&Aアドバイザリー業務を手掛ける銘柄もマークしたい。

株探ニュース(minkabu PRESS)

最終更新:1月28日(火)20時44分

株探ニュース

 

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