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新学期に向けて子どものケータイ問題は切実だ

1月25日(土)5時25分配信 東洋経済オンライン

子どものスマホデビュー。依存やトラブルなどが心配ですが……(写真:nonpii/PIXTA)
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子どものスマホデビュー。依存やトラブルなどが心配ですが……(写真:nonpii/PIXTA)
 「来年から小学校や中学校に通い始める子ども向けのケータイやスマホをどうしよう?」

 「通学時間が長いから心配……」

 「安全を守るためにできることは?」

 4月の新学期を控えて、子どもを持つ親にとって気がかりなのがケータイ事情。スマホアプリのプライバシーやセキュリティの問題、あるいはSNSを通じたコミュニケーションのトラブル、犯罪に巻き込まれる事件も数多く報道されており、子どもにモバイル端末を持たせること、インターネットに触れさせることに二の足を踏んでいる人も少なくないだろう。
 モバイル社会研究所が毎年発行している『ケータイ社会白書』2019年版の「第4章 子どものスマホ・ケータイ利用」では、小学2年生でスマートフォン所持率が29%、中学1年生になると65%に達する。

 LINEでのコミュニケーションが活発化し始めるのは小学3年生から、学習に動画を使うと答えた人は小学1年生からいる。親は使いすぎや依存、コミュニケーショントラブルなどの心配をしていることが浮き彫りとなった。
■親の情弱は子どもを危険にさらす

 その一方で、子どもにケータイ・スマホを持たせる動機として最も大きいのが、緊急時に連絡が取れるようにしておきたいというニーズだ。居場所がわかるようにして、助けてあげられるようにしたいとき、やはりケータイやスマホは連絡手段として重要という認識が広がっている。

 2011年の東日本大震災のように、非常に広いエリアが被災地となった災害時には、ケータイメールは大幅に遅延し、LINE、Twitterなどほかの手段が役立った。2019年は台風の大雨や暴風による被災、被害も広がり、首都圏の鉄道は計画運休となった。あるいは突発的な事故で交通機関に大幅な遅延が生じることも少なくない。規模の違いはあれ、日常どおりの移動や行動ができない事態はつねに隣り合わせだ。
 もし毎日通学で鉄道を使うことになれば、交通状況に応じた安全な移動をリアルタイムに伝える手段が必要になる。ケータイやスマホを持たせているからといっても、適切な情報をアップデートし、安全な行動を促してあげなければ意味がない。

 そうした情報を親が持っているか、その情報を基に、場面場面で正しい判断ができるのか。「親の情弱が、子どもを危険にさらす」ことは明らかだ。「情弱」とは、情報弱者のことであり、一見ネットやデバイスへのアクセスが左右するようにも見えるが、スマホがあるから情報強者だというわけではない。
 より積極的に情報に触れ、自分で判断ができるかどうかが重要であり、スマホに頼らず危機管理のシミュレーションと行動指針を用意している家庭のほうが、リスクを減らすことにつながるだろう。それでも、インターネットのリアルタイムの情報を積極的に取りにいく姿勢は、その判断の精度を高めることにつながる。

■「ケータイだから安全」「スマホだから危険」ではない

 親の情報量が足りないこと、最新のことが「わからない」状態、そして子どもとのコミュニケーション不足では、何かあったときに助けることができない。もし子どもにデバイスを与えるとしても、機能が少ない子どもケータイだから安全、という判断も間違っている。
 確かに子ども向けケータイにはスマホ向けアプリが入れられないため、LINEやTwitterなどを通じて起きるトラブルに巻き込まれないのではないか、と思うかもしれない。しかし親がきちんと制限を管理すれば、機能が少ないケータイを持たせるのと同じことだ。

 その管理を放棄することによって、連絡手段の多重化やメッセージのやりとりのスピード、位置情報のよりアクティブな活用を通じて安全に誘導できる、スマホならではのメリットから遠ざかることになる。アップルやグーグルは、安全に子どもにスマートフォンを持たせる方法を整備済みだ。
 アップルはiCloudファミリー共有で登録した家族メンバーのiPhone・iPad・iPod touch向けに、標準アプリも含めた機能やプライバシー、コンテンツへのアクセス制限を設定することができる。

 株主と教員、親などの圧力に応える形でiOSに「スクリーンタイム」機能を導入し、親が子どものスマホやタブレットのアプリ使用時間に制限をかける管理ができるようにした。

 加えて、Appleデバイスの機能として、位置情報共有機能がある。家族同士で位置情報共有を許可することで、お互いの現在位置を、「探す」アプリやメッセージアプリの中で表示することができるようになる。
 グーグルは「Google ファミリーリンク」アプリを提供し、アップルが実現している各種機能を、よりシンプルに実現し、子どものAndroidスマートフォン・タブレットを親の管理下に置くことができる。

 機能制限やプライバシー管理を施したスマホをめぐって、子どもとコミュニケーションを取りながら、少しずつ機能制限を外したり、使い方について議論して決めるなど、テクノロジーの使い方を家族の中でつねに話し合える環境づくりへ持っていければ、子どもが1人でトラブルを抱える可能性を減らすことにもなる。
■GPS BoTを見守りの共通言語に

 小学校に入学したてで「ケータイ・スマホはまだ早い」、あるいは「新生活が始まる前で、ケータイ・スマホを使うかどうか、どう管理するかを決めかねている」という人も多いはずだ。その一方で「安全に見守りたい」というニーズは、4月からすぐに必要になる。そうした状況にぴったりなのがGPSタグだ。

 Amazonの「スマートトラッカー」でGPSを搭載する製品としては最上位に位置する3位(2019年12月20日現在)にランクインしているのが、Bsizeが開発する「GPS BoT」だ。
 Bsizeは電子光学、機械工学、そしてデザインに注目し、充電器やデスクライトなどを再デザインし、「1人メーカー」として注目を集めた八木啓太氏が創業したものづくり企業だ。八木氏に子どもが生まれたことをきっかけに、同社として3つ目の製品作りに取り組んだのが、非常にシンプルなGPSタグと、AIによる見守りサービスだ。

 4800円(税別)の本体を購入し、月額480円というシンプルな料金体系も好感が持てる。事務手数料や2年縛りといった「ケータイの当たり前」はない。本体にはボタンもなく、3~5日に1度充電して子どもに持たせるだけで、両親それぞれのスマートフォンから子どもの見守りができる。複数の子どもに持たせているGPS BoTを1つのアプリで管理することもできる。
 アプリからは自宅、学校、塾、公園などの子どもがよく行くスポットを登録でき、到着・出発時に両親のスマホに通知が届く。実際筆者も購入・契約して試してみたが、3~5日程度バッテリーが持続する省電力モードでも3分程度おきに位置情報を更新し、ほぼリアルタイムでタグの位置が把握できた。

 GPSに加えてドコモのFOMA・FOMAプラスエリア、Wi-Fiを利用するため、施設内や地下でも位置情報が取得でき、都心で発達する地下鉄を利用して通学している子どもにも安心だ。
 さらにAIが「行動範囲」を自動的に認識し、そのエリアから外れた瞬間に通知を発する仕組みを備えた。1カ月ほど経てば行動範囲が提案され、以降も使えば使うほど、その精度が高まっていく。こうすることで、つねにアプリで位置情報を確認し続ける手間もなくなる。

 Bsizeによると、位置情報を取ること以上に、どのように見せて安心してもらえるかが重要だとしている。ユーザーが気づくより先に情報を提供し、子どもと連絡を取るかどうか、判断することができるようになるという。
 そして「子どもが持つケータイやスマホとは共存する」との考えも披露した。前述したコミュニケーション手段の多重化の意味もあるが、各家庭でテクノロジーに対する方針が違う中で、子どもを見守るツールとして最もシンプルなデバイスが共通項となれば、子ども同士・親同士での日常的な見守り体制のアシスト役になりうる。

 BsizeはGPS BoTがそうした子どもを見守る共通言語となることを目指しており、テクノロジー活用同様、コミュニケーションが活発になることによる解決を目指している点で共感できる。
 いずれにしても、それぞれの家庭や学校の事情に合わせて、試行錯誤しながら備えていくしかない。新学期に新たな学校に通うのであれば、子どもの安全の守り方について考えるいいきっかけであるし、適切なテクノロジーのアシストによって、さまざまな事態に対応できる体制を作り上げる必要がある。

 繰り返しになるが、親の情弱は子どもを危険にさらす。
松村 太郎 :ジャーナリスト

最終更新:1月25日(土)5時25分

東洋経済オンライン

 

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