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転職で引く手あまたな人に共通する30代の経験

1月23日(木)5時30分配信 東洋経済オンライン

市場価値の高い人材になるためには? 自身のキャリア形成に役立つ“4C”を紹介(写真:xiangtao/PIXTA)
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市場価値の高い人材になるためには? 自身のキャリア形成に役立つ“4C”を紹介(写真:xiangtao/PIXTA)
 2020年代の幕が上がった。「人生100年時代」と言われるが、私たち個人の長い人生を待ち受けているのは、これまでにない変化の連続だ。キャリアにおいても、今所属する会社組織が50歳や60歳まで必ずしも守ってくれるわけではなく、個々人が自発的にキャリアを選択することを求められている。

 20代はもちろん、30~40代以上のキャリアチェンジも増える一方だ。皆さんも、転職を具体的に考えなくても、自身の市場価値や、今後のキャリアをどのように選択していけばいいか漠然と考えたり、どうしたものかと悩んだことのある人も多いのではないだろうか。
 具体的には、「業界問わず、転職後、充実して活躍している人の特徴とは?」「自分の市場価値はどの程度か?  市場価値が高い人の共通点はあるのか?」「キャリア選択は、何を軸に考えるべきか?」などといった相談は、個人個人に向き合ったキャリア支援サービスTURNING POINT(以下、TURNING POINT)を運営するエッグフォワード代表の徳谷のもとにも増える一方だ。

 そんな時代に向けて、中長期的なキャリア選択にあたってのポイントをお伝えしたい。今回は、相談の多い事例から浮かび上がる、キャリア形成に向けた“4C”という4つのキーワードに沿って考えていこう。
■20~30代のうちに困難なシーンに飛び込む

1. 非連続な挑戦で成長する(Creative Jump)
 まず、転職市場で「市場価値が高い」と言われる人には、キャリア形成にあたって1つ共通点がある。それが、筆者徳谷が提唱した「Creative Jump(クリエイティブジャンプ)」という概念だ。

 これは、キャリアのどこかで既存の延長線にない“非連続な挑戦”をしてきたということ。これは、転職をする場合においてもそうだし、社内異動やプロジェクトへの抜擢といった出来事にも通じる。
 例えば、40代以上で「市場価値が高い」と言われていて、転職時に引く手あまたのビジネスパーソンは、例外なく、20~30代のうちに、まったく別の領域や、一時的にでも困難なシーンに飛び込んでいる。どこで、どの程度「Creative Jump」をするかは、キャリア形成の1つのスタンダードになりつつある。

 なぜ、クリエイティブジャンプをすると、市場価値が上がるのだろうか? 

 市場価値の要素分解をしてみよう。筆者徳谷は、市場価値とは、大きく「希少性」×「再現性」×「市場性」で分解されると提唱している。
 クリエイティブジャンプをすると、このそれぞれを高められる。世の中には単一スキルでも能力の高い人材はごまんといるため、上には上がいるものだ。

 さらに同じ場所では身に付かない、異なるスキルを身に付け、2つ以上のスキルを掛け合わせたほうが圧倒的に「希少性」が高い。10人のうち1人が持つ力でも、それを3つ4つ掛け合わせれば、1000分の1、1万分の1になる。例えば、営業だけ、エンジニアだけ、経理だけというキャリアを持つ人は数多いが、それぞれが高いレベルで備わっている人材は非常にレアになる。
 これまでの経験則が通用しない環境に身を置き、必死で考え抜き手を尽くす。そんな経験を乗り越えることで、新しいスキルや知識が身に付き、多様な視点を踏まえた、「希少性」が高まるはずだ。

■特定の会社でしか発揮できない力では意味がない

 同時に、クリエイティブジャンプをして、まったく新しい環境に行けば、一緒に仕事をする仲間も、マーケットの状況も当然異なる。その条件でこれまで発揮してきたような力を再現できれば、そのときこそ特定の環境に依存しない独自の価値の「再現性」が磨かれる。例えば、特定のA部長を知っている、決裁ルートはこちらからなど、特定の会社や部署内でしか発揮できない力には何の意味もないのだ。
 そして、同じ環境に安住していては、外部から見た本当の市場価値はわからない。会社を退職したとたん、これまでよくしてくれていた取引先や友人関係が一気になくなることは多い。つまり、「あなた個人」ではなく、「看板」に価値があったということだ。新しい環境に行ってみて初めて、本当に自分がどこまで必要とされるのか、「市場性」を本質的に理解することができるのだ。

 転職者のデータをもとにした研究では、目先の給料だけで転職先を選んだ人よりも、一時的に苦労をしてでもクリエイティブジャンプとなる選択をした人のほうが、中長期的には結果としての市場価値が高くなり、年収が増えているという結果も出ている。
 このように、クリエイティブジャンプは既存の延長線にない非連続な挑戦であり、“修羅場をくぐる”ような環境に飛び込むことでもある。

 エッグフォワードでは、コンサルティング支援も多く手がけるが、実際に先進企業でも、次世代リーダープロジェクトでは、あと1歩突き抜けさせたい社員には、多少の失敗も承知のうえでクリエイティブジャンプ経験を積ませている。

2. 自らの価値観や強みなど、Context(背景)を理解する
 2つ目のCは、Context(コンテクスト=背景)。つまり人生のバックグラウンドだ。新しいものにすぐ飛びついても続かない人は、自らの本質的な価値観や強みを深く自覚していないことが多い。表面的な好き嫌いに、自分自身が振り回されているのだ。自分が見えていないので、「ここではないどこか」へとジョブホップを繰り返して、スキルや能力も身に付かないという悪循環に陥ってしまうケースは多い。

 キャリアを築く出発点は、当たり前に聞こえるかもしれないが、まずは自分を知ることだ。周囲がよかれという青い鳥を自分も探し続けるのではなく、自分の価値観の源泉、これまで経験の本質、コンプレックス、もっと言うと人生そのものを振り返りながら、自分ならではの源泉や持ち味を探すことからだと言ってもいい。
 生き方や価値観は多様の一途だ。だからこそ、仕事を通して自分が最も実現したいことは何か、最も大切にする行動やモチベーションの源泉は何かと振り返ってみることで、自分の本質が見えてくる。人は自らが望み、夢中になれる仕事のほうが大きな価値を発揮できるものだ。

 とはいえ、自身が自らを理解することは容易ではないのは当然のこと。そうした志向に気づくヒントとしては、まずは少しずつでも幅広い経験をすること。閉じこもっていても選択肢は見えない。第三者も交えて質問を繰り返すことも有効だ。「時間を忘れて取り組めることは何か」「お金をもらわずともやりたいと思えるほど楽しかった仕事は何か」などの質問で振り返ってみるといいだろう。
■「ジョハリの窓」とは? 

 また、TURNING POINTのサービス内でも提供しているが、最近は科学的なアセスメントにAIなどを活用して自身を知る機会も増えてきた。実は、普段発揮している特性や強みは今の環境に「適応」するために身に付けたもので、本質的に自身が有している「特性」とは異なるケースも多い。

 後天的にやむなく身に付いていくうちに、それが当たり前に思えてきているということだ。「ジョハリの窓」という言葉があるが、自身の知らない潜在的な自分を第三者からの質問や、アセスメントを用いて、自身も知らない潜在的な特性を科学的・客観的に把握しておくと働くうえでは非常に役に立つ。
3. キャリアのConcept&Coaching(実現したいこと/ありたい姿)を描く
 3つ目のCは、Concept(コンセプト)を多様な未来視点で(Coaching)描くこと。人生を通して自分が実現したいことや、どんな人でありたいか(なりたいか)など、あなたが目指す最終的なゴール・目標を立てて思い描くことだ。

 なぜコンセプトが重要かと言えば、キャリアの行先は誰も示してくれないし、示してくれたとしても、誰もあなたの人生に責任はとってくれないからだ。
 コンセプトを決めるときは、目先のキャリアや給与、タスク内容といった枠組みで考えると視野が狭くなり、自らの心を奮い立たせるような目標にはなりにくい。そもそもの生き方など、自分の人生を通しての目標として定めると、動機として明確になる。

 また、未来軸でのありたい姿を考えるにあたっては、業界や会社といったセグメントで考えるよりも、社会に対してどんな価値を発揮すべきかという「ソーシャルバリュー」を意識することも非常に重要だ。
 そもそも、○○業界のような定義は、例えばグーグルが何業と呼ぶべきかわからないように、すでに曖昧になり始めている。広く社会に対して価値を見いだすことを意識すると、ささいな変化に一喜一憂するのではなく、大局を捉えた本質的な決断がしやすい。もはや看板で働く時代は終焉を迎えているだろう。

 これを、自分1人で明確にするのは容易ではなく、他者、とくに自分とは異なる視点を持つ他者との対話(Coaching)によって、未来軸で具体化することが有効だ。
4. “誰とするか”を軸にキャリアを選択する(Collaboration)
 最後の4つ目のCこそ、多くの人が見落としがちだが重要な要素。それは、キャリア選択の基準に「誰とやるか」を取り入れる、Collaborationだ。

 転職を考える際、多くの人は「どこで(どんな会社で)」や「何をする(どんな仕事)」を基準にするが、実はそれらと同等もしくはそれ以上に重視したいのが、「誰と」である。例えば、「この人のようになりたい」と自分が憧れられるような人や、お互い刺激を与え合えるような人と一緒に働けるか否かは、仕事のモチベーションや成長スピードを大きく左右する。
 実際の転職者が入社先を選んだ理由に「人事や面接官の印象がよかったから」を挙げる人も多いが、これはリスクがある。面接は会社の「顔」となる人材であるため、標準的な社員の姿とは距離がある場合も多いからだ。採用担当と現場がまったく異なり、入社後誰と働くかまったくわからないという選択は大きなリスクになりうる。

 しかし、それは逆もしかり。あなた自身も、会社や肩書の看板を外したときに他社から選ばれる存在か否かが強く問われるようになる。はたしてあなた自身は社外から固有名詞で指名されるような力を身に付けているだろうか? 
■「誰とやるか」が重要

 そういった意味でも、転職前の段階で、より多角的な視点でキャリアの決断においても、一緒に伴走・アドバイスできるようなパートナーを見つけることは大切。キャリアを考えるときにも「誰とやるか」は重要なのだ。

 本来は、転職した後も、エージェント事業者は、一人ひとりとコミュニケーションを取り続けるべきだが、実際はそうではないケースが多い。転職すればサービスは完結するため、入社後に待ち受けている具体的なエピソードについて、実際の先輩社員がどう活躍しているかをリアルに知らないケースも少なくない。これからは「誰とキャリアを考えるか」、がスタンダードになっていくだろう。
 以上、TURNING POINTで、筆者にご相談いただく事例から、大切なポイントを紹介してきた。

 さあ、これからのキャリアは皆さん自身が選んでいく時代だ。ぜひこれらを参考にしながら、2020年代を新しい時代で力強く生きるためのターニングポイントにしていただければ幸いだ。
徳谷 智史 :エッグフォワード 代表取締役

最終更新:1月23日(木)5時30分

東洋経済オンライン

 

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