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初心者プログラマーが飛躍的に上達できたコツ

1月18日(土)8時00分配信 東洋経済オンライン

プログラミングが上達する人には共通点があった(写真:Fast&Slow/PIXTA)
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プログラミングが上達する人には共通点があった(写真:Fast&Slow/PIXTA)
 業種を問わずデジタル化をどう進めるかが企業の共通課題となっている今、注目を集めているのが「プログラミング学習」だ。

『週刊東洋経済』(1月14日発売号)では「今年こそ始めるプログラミング」を特集。その基礎知識を徹底解説している。

プログラミングは無数の文字列(コード)やルールによって成り立ち、入門者にとって学習の道のりは平坦ではない。「素人がプログラミングに挑んでみて見えた境地」(2020年1月16日配信)では、初心者がぶつかりやすい“挫折の壁”をいかに避けるかについて、オンラインスクールの活用法などを紹介したが、本稿では実践者の事例を基に、別の道筋を紹介したい。
 「同じ思いを抱ける人と一緒にサービスを作ることが、プログラミング上達の近道」。そう語るのは、新宿歌舞伎町にある大手コンビニエンスストアチェーンのオーナー兼店長である今宮大介さん(40歳)。記者が通うスクール「ジーズアカデミー」の卒業生である。プログラミング学習を始めたきっかけは、コンビニ店舗の深刻な人手不足だった。

■やり方を変えないと生き残れない

 今宮さんは大学卒業後、会社員を経て、30歳のときに実家のコンビニ店を継いだ。ここ数年で人手不足の深刻さが顕著になったと話す。「5年以上前は新店開業後にスタッフを募集すると20~30人は集まったが、今は日本語を話せない外国人が5~6人応募してくる程度。この3、4年間で状況ががらりと変わった。売り上げは頭打ちの一方、人件費は右肩上がり。これはやり方を変えないと生き残れないと感じた」(今宮さん)。
 知人に相談すると、「Webサービスを作って問題解決を試みては」と提案された。聞くとパソコンやスマートフォン上で動くアプリの開発は数万円でできるという。「コンビニは1店開業するのに、銀行から数千万円の融資を受ける。かかる金額の違いに驚いた」(今宮さん)。

 やるからには自分の手でサービスを作りたいと考え、前述のスクールに入学。毎晩コンビニでの勤務後、店舗奥の事務室でプログラミング学習のためにコードをたたいた。しかしコンピューターはコードのスペルを1字間違えるだけで動かない。想像以上の難しさに戸惑った。自身の学習スピードに限界を感じた今宮さんが決断したのは、「1人だけでサービスを作ることを諦める」ことだった。
 もともと実現したいことは明確だった。コンビニの人材不足を解消するアプリを作りたい。そのサービスを、できれば同じ課題を抱える別のコンビニオーナーにも広めたい――。希望をかなえるため、今宮さんは同じスクールで、自分よりプログラミングに詳しい受講生数人に「一緒に作ろう」と声をかけた。

 そろったのは計5人のメンバー。役割を分担し、今宮さんはサービス全体の企画と、主にユーザーが直接動かす画面の開発を手掛けることになった。その部分を作るために「詳しいメンバーに言われるがまま勉強した」(同)。身近な学習経験者に疑問点を聞き、教わることで、徐々にコードを書くのにも慣れ、行き詰まる場面が減っていったという。
 開発しているのは、LINEを利用した主にコンビニ勤務経験者の求人サービスだ。コンビニ以外の店舗でも使えるサービスで、すでに大手流通チェーンとの提携も決まった。「アプリ開発で重要なのは、プログラミングのスキルはもとより、仕事の現場での切実な課題認識。人材不足で疲弊している全国のコンビニオーナーにも使ってもらえるサービスを目指したい」(今宮さん)と話す。

■学習の時間帯と場所を習慣づける

 今宮さんと同じスクールに通い、同様に実現したい明確なサービス像を持つのが加納文子さん(49歳)。靴やアパレルのメーカーで企画やデザインの経験を重ね、「景気がずっと悪い靴業界を何とか盛り上げたい」と考えるようになった。
 狙うのは「靴のシェアリングサービス」。ユーザーの足の形状に合う靴を、全国で廃棄処分される予定の大量の靴データから探し出し、マッチングして届けるサービスだ。その実現にはデジタルの力が不可欠と考え、プログラミング学習を開始した。

 最初に苦労したのが、Webサービスに文字を表示する「HTML」と、画面の見映えを整える「CSS」という言語。習ったとおりにコードを打ち込んでも、思うような画面を表示させられず、「ホームページを作るのにこんなに手間がかかるのかと実感した」(加納さん)。コードを書くたびに疑問が増え、とても1人では解決できない。そこで決めたのが、授業がなくてもなるべく毎日約3時間、決まった時間帯にスクールに通うことだった。
 加納さんは小学6年生の息子と夫と家で夕食を済ませると、ほぼ毎晩22時から夜中の1時までスクールで過ごした。自転車で通える距離にあるため、終電を気にする必要はない。スクールであれば、その場にいる卒業生や受講生に疑問点をたずねやすい。

 「自分で考え、コードを打っても、どうしても行き詰まる場面がある。そういうときは、相談できる環境に身を置くことで解決しやすい」(加納さん)。「“考えるより慣れろ”がモットー」と話す加納さんは、意識的に学習がはかどる環境に身を置くことで、サービス開発に向けた準備を進めている。
 今宮さんと加納さんに共通するのは、プロ講師以外にも疑問を聞ける人を身近に置いたこと。また双方とも40代になるが、年齢を重ねている分、これまでの経歴を踏まえた「作りたいサービス」を明確に持っていることだ。加納さんは「出産・育児を経験し、思うように働けなかった時期を経た今だからこそ、やりたいことに挑戦できる有り難みを感じる」と話す。

 一方、スクールなどでリアルなコミュニティーに身を置かなくても、SNSを活用してプログラミングスキルを上達させた人もいる。「ツイッターがなかったら、プログラミングの学び方はわからなかった」。そう語るのは茨城県で専業主婦として子ども3人を育てている掛札結貴さん(32歳)だ。
 学習を始めたきっかけは、プログラミングを学べば、在宅で働く選択肢が増えると考えたこと。掛札さんにとって、育児をしながらリモートで好きな時間に収入を得られる働き方は理想だった。

 2018年秋にオンライン教材「Progate(プロゲート)」で学習を開始。「HTML」から「Ruby(ルビー)」「Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)」といった開発ツールを一通り学んだ後、「Ruby on Rails」専門の教材として知られる「Railsチュートリアル」で学習を続けた。「わからないことも多かったが、その際は深入りせず、どんどん進もうと考えた」(掛札さん)。
■学習者同士のコミュニティーが存在

 掛札さんはもともとツイッターを利用していた。プログラミング学習を始め、作品や学習の経緯を投稿するようにすると、フォロワーが約10倍に増えたという。「大した作品でなくても、『こんなのを作った』と発信するだけで褒めてくれる人がいて、やる気につながった」(掛札さん)。

 気づいたのは、ツイッター上にはプログラミング学習者同士のコミュニティーが多く存在するということ。掛札さんもツイッターで複数の学習者と知り合い、オンラインチャットなどを利用して、わからないことを教え合うようになった。
 検索して出てきたコードを何度入力しても思うように動かないなど、壁にぶつかった際、疑問を投稿すると、気づいた人が返事をくれた。「私と同じように、子育てしながら学んでいるママもいて、とても刺激を受けた」(掛札さん)。

 とくに学習に活用したのが前述の「Railsチュートリアル」だった。「エラーを乗り越えながら1つの作品を仕上げていくことで、世に出ているWebサービスの裏側の複雑さ、その一つひとつの機能がうまく絡まり合って動いていることを体感できた」(同)。
■ツイッターを介し入社を誘われる

 徐々に実務の経験も重ね、学習の経緯をツイッターで発信していると、ある日、その「Railsチュートリアル」を運営するYassLab代表の安川要平氏から、ツイッターを介して「自社で働かないか」と誘われた。プログラミングの知識も経験もゼロだった状態から約1年半。今は自身を助けてくれた教材を作っていた同社で、フルリモートでエンジニア兼広報として働く日々だ。

 「自分が希望していたリモートの働き方を実現できたのは、プログラミングとツイッターのおかげ」(掛札さん)と話す。
 プログラミングは何もプロのエンジニアだけに教わる必要はない。具体的なサービスを作りたい、エンジニアになって理想の働き方を手に入れたい――。そうした明確な目的意識さえあれば、同様の境遇の学習者と学び合うことで、理解を深めることができそうだ。

『週刊東洋経済』1月18日号(1月14日発売)の特集は「今年こそ始めるプログラミング」です。
許斐 健太 :東洋経済 記者

最終更新:1月18日(土)8時00分

東洋経済オンライン

 

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