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「夢を育てよ」#2 最高月収3000万円から仕事ゼロ、そして再ブレイク。内山信二さんに聞く、逆境からの立ち直り方と、これからの夢と家族

1月14日(火)11時30分配信 SODATTE

「夢を育てよ~素敵なあの人に聞いた、夢と備えの話~」。シリーズ第2回は、タレントの内山信二さん。子役として大ブレイクし、10歳にして最高月収3000万円。ところが16歳の頃には預金通帳の残高が数百円に。さらに、そこからの再ブレイクと、ジェットコースターのような人生を経て、内山さんがどのような夢を抱くようになったのか。また、金銭感覚の変化についても赤裸々に語っていただきました。

90年代を代表する人気バラエティ番組『あっぱれさんま大先生』。その生徒役として、おそらくその当時、日本一有名な子役タレントとなったのが、「内山くん」こと内山信二さんでしょう。現在、38歳。今も変わらないその笑顔、その体型は、愛されるキャラクターとして希有な存在です。

しかし、小学生ながら一気に全国区となった内山さんは、そのときが紆余曲折の人生の始まりでもありました。テレビから姿を消し、困窮の生活、そして引きこもり。そんな内山さんを救った恩師の言葉や、周囲の人たちの支え。ご本人に、これまでの歩みとこれからの自分、新しい家族について、語っていただきました。

●内山信二さんプロフィール

1981年、東京都葛飾区生まれ。5歳で芸能事務所に所属。7歳のとき『あっぱれさんま大先生(フジテレビ)』に生徒役で出演、一躍、人気子役となる。14歳で同番組を卒業し、それとともに人気も下降線に。アルバイト生活や引きこもりを経て、17歳で芸能界復帰。タレントの他、俳優やグルメレポーター、ラジオのMCなど、仕事の幅を広げていく。2017年には「かつしか観光大使」に任命。現在、TOKYO MX『バラいろダンディ(火曜レギュラー)』、TBSテレビ『坂上&指原のつぶれない店(準レギュラー)』、NHK『ごごナマ(コーナー準レギュラー)』等に出演。2019年11月、一般女性と入籍。

一躍全国区になり、お小遣いは1回5万円

(写真:SODATTE)
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(写真:SODATTE)
「芸能事務所に入ったのは5歳のとき。父親があべ静江さんの大ファンで、どうすれば本人に会えるかを考え抜いた結果、息子を芸能界に入れることを思いついたようです。ただ、最初は兄貴を歌手にするつもりだったんですよ。でも、当時はネットも普及していないからどこにも情報がなくて、どうやったら歌手になれるか分からない。それで、とりあえず信二を子役にして様子を見ようと考えたわけです。「これからの時代は人前で臆せず話せないとダメだ」と考えていた父親にとっては、僕の引っ込み思案をなおす目的もあったようです」

「最初に受けたオーディションが『あっぱれさんま大先生』でした。おいしいハンバーグ食べさせてやるからって、父親にだまされて(笑)。事務所に所属したとはいえ、演技のレッスンを受けていたわけでもない、単なる素人の子どもでしたが、なぜか受かって。気づいたらテレビに出ていました」

すぐに人気タレントとなった内山少年。しかし、最初は芸能界での仕事が嫌で仕方なかったと言います。

「やっぱり遊びたかったんですよ。事務所は学校を優先してくれるところで、授業はほとんど出席できました。そうなると、仕事が入るのは学校が終わってからか、土曜の午後や日曜日。遊ぶ時間はほとんどありません。運動会も参加したのは6年間で1回だけ。今では仕事をいただけるありがたさが身に染みていますが、当時は遊びたい気持ちの方が強かったですね。でも、小学4年生くらいから、お金がいっぱいもらえることが分かって、子どもながらに『これはいい商売かもしれない』って。それが間違いのもとだったんですが」

給与は当初、手渡し。しかも本人が事務所で金額を確認しなければいけませんでした。だから、収入はリアルな額で分かってしまう。10歳になると、CM契約も一気に増え、ピーク時で最高月収3000万円に達しました。

「そうなると家族全員、金銭感覚がマヒするんですよ。ウチの実家は下町の魚屋で、近くに大型スーパーができて、売上なんて知れています。でも、軽トラだった父親の愛車がいつの間にかベンツになっていたし、母親のバッグもヴィトンに。僕は僕で、おもちゃ屋さんに行って、ここからここまでゲームソフトを全部くれ、みたいな。僕自身は小遣い制で、金額は1回につき5万円。言えばいつでもくれました」

人気がなくなったのは自業自得

(写真:SODATTE)
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いつまでも続くと思っていた自身の人気も、徐々に陰りが見え始めます。そして、いつの間にか子役タレント・内山信二の姿を見ることはなくなりました。

「『あっぱれさんま大先生』のときは、トコトコと歩いて『お腹減ったあ』と言うだけでドカーンとウケました。でも、それも小学生だからです。中学生になれば通用しません。それと、僕自身が嫌な奴でしたから。今振り返ってみても、つくづくそう思います。早々に、俺はこの家の大黒柱だっていう意識でいました。マネージャーなど、周囲の大人たちをからかったり、偉そうにご飯をおごったりして。とんでもない勘違いですよ。人気がなくなるのは、自業自得だったんです」

「中学生になったくらいからですかね、家にあったものが徐々に消えていくんです。ベンツもヴィトンもロレックスも。そういえば、最近、仕事が少ないなあって僕も感じたし、親も薄々分かっていたんです。でも、誰も触れなかった。見栄もあるし、一度知った贅沢な生活って、なかなか変えられない。相変わらず、家族でハワイに行ってましたから。しかもファーストクラスです。行けば行ったで、高級ホテルに泊まって、買物もする。旅行費用は恐ろしい金額になっていたと思いますよ」

16歳になって、原付免許を取得したいと父親に言ったときのこと。見せてくれた預金通帳の残高に目を疑いました。わずか数百円。そして、そのとき初めて、想像を超える状況に陥っていたことを知ります。でも、時すでに遅し。ほどなく家の電気が止められる事態に。

「高校も辞めてしまったので、とりあえず働くしかないと思い、ガソリンスタンドや引越しのアルバイトをしました。でも、続かないんですよ。僕だってすぐバレてしまって、最近テレビ出てないねって言われたりする。相手も悪気はないんです。事実だし。そのうち、被害妄想が出てきました。前にいるあの二人は僕の悪口を言っているに違いないって。だから外出もしたくない。結果、引きこもりになりました」

「芸能界で頑張るしかないな」の一言が自分を変えた

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アルバイト時代に知り合いから「相撲部屋に入門したらどうだ?」と、ウソのような誘いを受けます。紹介された入門先は、大関・霧島関が親方になったばかりの陸奥(みちのく)部屋。悩んだ内山さんは、明石家さんまさんに相談をします。

「たぶん通用しないやろけど、やれるとこまでやってみろ、と言われました。俺が後援会長になったる。しこ名は〈あっぱれ山〉でいいやろって」

「でも、いきなり飛び込むのは不安だったので、別の相撲部屋に見学に行かせてもらいました。すると、親方とか後援会の方が、相撲取りはいいぞって、盛んに僕に言うんです。朝に稽古して、あとは腹いっぱい飯食って寝るだけ。それで、ものすごく稼げるって。でもそれは成功したときの話ですよね。それで、僕と同じくらいの年齢の新弟子の人と二人きりになったとき、聞いてみたんです、正直どうなのって。そしたら、今日、部屋から逃げようと思ってるって真顔で言われました。相撲は無理だとその時点で思いましたね」

その後、しばらくして、今度はさんまさんから連絡が入ります。コントの舞台の誘いでした。相撲部屋もあきらめ、引きこもっていた内山さんに「もう芸能界で頑張るしかないな」と言われたそうです。

「だから、トークを勉強せえって言われました。数年ですけど、まったくテレビを見ていない時期があって。情報が入ってくるのが嫌だったし、違う子役が活躍しているのを見るのも悔しかった。それでもさんまさんに声を掛けていただいてからは、まずはテレビを見てトークを勉強しました。『踊る!さんま御殿!!』を見ながら、このトークテーマを振られたら何て答えるか、自分なりにシミュレーションをしたりして」

「誘っていただいた舞台は『あっぱれさんま大先生』と同じで、台本はありません。設定だけを決めて、あとはその場で稽古しながら作っていく。さんまさんにはよく怒られましたよ。ここ、おもろいのに何で言わへんのかとか、お前キャラ分かってんのかとか。怖かったですけど、僕のために怒ってくれていると思うと、それだけで嬉しいんです。自分の存在を認められたみたいで」

支えてくれる人の存在と夢のハリウッド

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舞台をきっかけに仕事も少しずつ入るようになり、仕事の幅を広げていきました。人の浮き沈み、入れ替わりの激しい芸能界で、デビューより難しい復帰を成し遂げた、その要因は何だったのでしょうか。

「少なくとも僕の場合は、手を差し伸べてくれた人たちの存在が本当に大きかった。さんまさんはもちろんですが、それ以外にも、例えば、石塚英彦さんは、僕がまったくテレビに出てないときから、僕のことをテレビで話題にしてくれて。伊集院光さんは監督をされたVシネマに誘ってくれたし、松村邦洋さんは地方の放送局に行ったとき、内山に仕事ないですかって聞いてくれていたんです」

「裏方の方たちもそうです。マネージャーさんや事務所のスタッフさん。そういう人たちのフォローがなければ、タレントは仕事できません。僕なんか、電車のきっぷも自分で買えなかった。周囲の支えなくしてとても復帰は無理でした」

そんな内山さんは、仕事でも新しいチャレンジに向けて、動き出しています。自身の夢、目標でもあるハリウッド映画への出演。そのために英会話の勉強も始めました。

「先日、Netflixの仕事で渡米しました。いつか生まれる自分の子どもたちに、父親のしてきた仕事を見せたいし、残したいと思っていて、その一つのかたちが映画なんです。国内映画は何本か出させてもらいましたが、ハリウッド映画は本当に憧れですよね」

「実際に撮影現場に入ってみると、すべてが新鮮なんです。例えば、呼び方ひとつ取っても、日本だと内山、あるいは内山くんですが、向こうでは〈SINJI〉ですからね。芸能生活はもう30年以上になりますが、まだまだ知らない世界があることを痛感しました」

苦しいときこそ、生活の中に笑いを

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2019年11月29日、「いい肉の日」に婚姻届を提出し、一般女性と結婚。家庭を持ち、新たな人生のスタートを切りました。子どもは欲しいし、きっと子煩悩になるという内山さん、ちょっと気が早いですが、どんな父親になろうと考えているのでしょうか。

「親子というより、兄弟みたいな関係がいいですね。いっしょに遊んだり、ご飯を食べたり。そして何でも相談してくれる。パパやお父さんではなく、親方と呼ばれたい。きびしい稽古は一切ない相撲部屋、それが理想の家庭かな」

描く理想像には、自分の父親の影響が少なからずあるのだとか。内山さん曰く「お金で人生の歯車が狂ってしまった」父親でありながら、だからといって、内山さんの目には決してダメな人間には映っていなかったのです。

「典型的な下町の頑固親父なんですが、子どもの僕を、いろんな場所に連れ出してくれたんです。動物園に行くと言って、中山競馬場だったこともありますが、遊園地や食べ物屋さんなど、約束をしていたら、前の晩にすごく飲んでいても、翌日ちゃんと連れて行ってくれました。しかも、僕以上に楽しんでいる。東京ディズニーランドの『ピーターパン空の旅』というアトラクションが大好きで、何回乗ったことか。だから、自分もあんな父親になりたいという気持ちが、どこかにあるんだと思います」

お子さんが生まれれば、もちろんお金もかかります。しかし、お金のことで夢をあきらめることは、させたくない。だから、親として貯金はしないといけないと、今は自分に言い聞かせているそうです。

「でも、僕はお金の管理はできないので、もっぱら奥さん任せです。今、自宅には貯金箱が3つあるんです。1円とか10円の小銭用、500円玉用、そして1000円札用。定期的に財布からお金を抜かれて貯金箱へ。でも、ありがたいですよ、そうやって貯めようとしてくれている。僕一人では、そんな発想自体が出ませんから。それと最近は、奥さんに言われて、カードのポイント還元も気にするようになりました」

最高月収3000万円から仕事ゼロと、まさに転落人生を経験された内山さん。それを経て、今後どのような思いで人生を歩んでいこうと考えているのでしょうか。同世代、子育て世代へのエールという意味も込めて、伺いました。

「たぶん、子育て世代は多少の差はあっても、経済的に我慢したり、窮屈に感じることがこれから増えると思います。僕も間違いなくそう。でも、だからこそ、家庭の中の笑いを大事にしたいですよね。どんな状況であっても、そこから笑いを見つけ出す。それがどんな笑いなのか、今から楽しみですよ」

取材・執筆/清水京武 写真/山田英博

●これまでの夢や目標

小さい頃はお坊さんになりたいと思っていました。お盆などにお経を上げに来てくれるんですが、感謝されてお金ももらえる。子どもながらに、何ていい仕事だと思いました。

●夢を実現するためにやってきたこと

自分で勉強したり人に頭を下げたり、地道にコツコツ。すぐに結果は出なくても、きっと誰かがそれを見て声を掛けてくれるから。

●大切な時間やお金の使い方

大事な部分は妻にすべてお任せしています。しっかりした人や会社にお任せするのがよいと思います。

●いつか生まれてくる子どものために

夢をあきらめることがないよう、親として支えてあげたい。

●これからの夢や目標

ハリウッドで映画デビュー。

●読者へのメッセージ

苦しいときこそ、生活の中に笑いや楽しみを見つけてください。

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最終更新:1月14日(火)11時30分

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