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加速する収益力低下。日本の銀行も口座維持手数料導入へシフトか

12月10日(火)22時00分配信 LIMO

写真:LIMO [リーモ]
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2カ月ほど前に銀行が口座維持手数料を導入するのでは? という見通しを書きましたが※、早くも一部が現実になってきました(※『銀行で口座維持手数料が導入されるかも?  マイナス金利の”ひどい”状況』)。

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不稼働口座に手数料
三菱UFJ銀、来秋にも新規開設分
(出所:2019/12/6付日本経済新聞 朝刊)
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口座維持手数料を取らない日本の”特殊”な商習慣

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上の記事によると、2年間取引のない口座に手数料をかけるとのことで、既存の口座ではなくこの手数料制度を導入した後の新規口座が対象とのことです。

ついにというか、やっとというか、日本の銀行でもこうした手数料を徴求し始めるようになるのですが、筆者の体験を踏まえると、銀行がこのような手数料を導入するのは遅すぎると思います。

日本の銀行が導入するということで話題になっていますが、2015年まで日本で個人向け銀行業務を展開していた米系のシティバンクでは口座維持手数料を導入していましたし(月2000円程度)、諸外国の銀行では当然ながら口座維持手数料を徴求しています。

文化の違いか、銀行に対する見方が異なるのか、日本の銀行は長らく手数料を徴求することに抵抗があったようですが、収益力がどんどん低下している昨今、やむにやまれずといったことなのでしょう。

かつては口座を開き放題だった

筆者は30年に以上前に都市銀行に入社しましたが、まだそのころの都銀は牧歌的な営業を行なっていました。

バブル崩壊前の1980年代中盤では、新規口座獲得や預金集め、現在のNISAの前身であるマル優(少額預金の利子所得等非課税制度)口座の獲得など、銀行にとって負債である預金量を増やすことが大命題であった時代です。

もちろん法人貸し出しや住宅ローンの目標もありましたが、”デキる行員”とはお客さんと仲良くなって定期預金をドンドンもらってくる行員のことでした。

当時は都銀に口座維持手数料を導入するなどという発想はありませんでしたが、若輩ながら新規口座ばっかり集めていても、いずれ不稼働口座ばっかり増えるのではという疑問を持っていたのも事実です。

なぜなら、新規口座の名義は誰でもよく、本人確認も今ほど厳格ではありませんでしたから、親戚中の名前を“借りて”口座を作るのは誰でもやっていたことです。新規口座開設件数が営業目標になっていますから、そこここに不稼働口座が増えていったわけです。

そうしたことから、今回三菱UFJ銀行が導入すべきは、手数料制度導入以降の新規口座に導入するのではなく、既存の不稼働口座や睡眠口座に課金すべきだと思います。

というのも手数料を徴求されるのが分かっていて、わざわざ口座を不稼働にする預金者がそれほど多いとは思えません。

加えて、不採算なのは昔から少額を口座に残して放ったらかしにしている(または、忘れている)預金者ですから、そこから手数料を徴求しないと意味はないと思います。

収益力低下の加速で背に腹は代えられない状態に?

こうした動きを見ますと、今回の不稼働口座への手数料課金は、近い将来の口座維持手数料導入への布石だと思います。

既に証券業界では、オンライン証券会社が売買手数料を廃止する動きを加速していますし、資産運用業界でも信託報酬の引き下げ競争が加速しています。つまり、金融機関全体の収益源が減少し、収益力も低下してきているのです。

そうなると、広く浅く預金者から手数料を頂戴しようというのは自然の流れです。一般消費材の価格が仕入・製造費・人件費・宣伝費・運搬費等を勘案して決められるように、銀行であっても必要なコストはオンしないとやれない時代が来たということですね。

皮肉なことですが、こうした不稼働口座手数料や口座維持手数料の計算にもシステム運営コストがかかるわけで、発生の有無に関わらずフィンテックやITの力を借りなければなりません。

さらに、不稼働判定期間間近に少額入金されると、稼働口座とみなされ手数料が取れないということもありえます。

こうした環境下、遅かれ早かれ銀行の手数料課金導入や値上げシフトは加速していくでしょう。預金者である私達は、うまく手数料攻撃から身をかわす術を体得しないといけない時代になってきています。

<<これまでの記事はこちらから>>
太田 創

最終更新:12月24日(火)17時00分

LIMO

 

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