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マクドナルドよりも店舗数の多いサブウェイの「人気のヒミツ」

12月7日(土)21時00分配信 マネー現代

写真:現代ビジネス
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(文 夏目 幸明) 全世界で約4万4000店舗を展開する、サブマリンサンドイッチ(楕円の潜水艦型のサンドイッチ)の『サブウェイ』。実はマクドナルド等を超え、店舗数世界最大を誇る。'16年に日本国内での経営権がサントリーHDから米国のサブウェイに移り、その過程で店舗の統廃合も実施したが、既存店売り上げは前年を超え、本部の黒字も確保。社長は「外食で手軽に野菜を摂るならウチですから」と今後に自信を持つ。同店舗を国内で展開する日本サブウェイ・角田淳社長(48歳)に聞いた。

失敗の数ほど強くなる

Iamge by iStock
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 サブウェイは米国人の創業者が、高校時代「医学部に通うための学費を稼ごう」と始めた店です。

 具材やドレッシングを自由に選べ、野菜も無料で増やせるのは、創業者が「僕はビジネスがわかっていないからお客様に好きな具や量を選んでもらおう」と考えたから。また半世紀で100ヵ国以上に広がる世界最大のチェーンになったのは「出店するならその地域を理解している人に任せよう」とフランチャイズシステムを始めたからです。

 サブウェイはビジネスプラットフォームとしてもよく工夫されています。火と油を使わないから、店舗のオープン費用がほかのファストフード店の半分~3分の1くらい。しかもパンは配送でなく各店舗のオーブンで焼くから、焼きたてを出せる上、ロスが出にくいんです。

 この今も変わらないシステムを、有名なコンサルタントでなく、若かった創業者が試行錯誤を重ねて創ったことも興味深いですよね。

 私の人生、思い返せば失敗ばかりです(笑)。

 自動車の企業を辞めて自営業で音楽やスポーツのイベントに関わる仕事を始めたのですが、トータルすると音楽事業は赤字でした。縁あってサブウェイに入ってからも、新商品の値段を全国のお店のレジに間違って登録して現場を大混乱させたり……。

 ただ、振り返ると「失敗した数が多いほど強くなれる」んです。スキーの選手だって、上手い人は「一回も転んだことがない人」でなく「たくさん転んだ人」のはず。失敗するたび「それでも前に進むしかない」「まだ試合は続いているのだ」と前を向いてきた結果が今の私です。

 日本のサブウェイも、試行錯誤を繰り返しながら進化しています。サブウェイのメニューや運営は各地域の裁量に任された部分もあり、たとえば日本で最も人気が高い「えびアボカド」は実は日本発の商品なのです。そしていまや中国や韓国でも大人気です。

 またパンも日本オリジナルです。日本の夏は高温多湿で冬は乾燥するため、米国のレシピで焼くよりオリジナルのパンをつくるほうがいいと考えたんです。そこで約2年かけて日本人好みの柔らかい食感を実現し、これも米国本部から高く評価されています。

 米国は様々な人種や文化が混ざっているから世界で通用するビジネスプラットフォームが生まれやすい。でも世界各地のアイデアや地域性は大切にすべきもの。この融合が現在のサブウェイの成功をもたらしていると思います。

学生バイトにおススメの理由

実際の店舗で働く角田社長(中央)。スタッフとの会話やお客様の反応を通して現場を学ぶ
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実際の店舗で働く角田社長(中央)。スタッフとの会話やお客様の反応を通して現場を学ぶ
 年に2回は必ず店舗に入って働きます。それだけでなく、ほかの飲食店もよく見に行きます。お店も組織も、店長の差配一つで雰囲気がガラッと変わるもので、店長さんがスタッフのモチベーションを上手くつくっている姿が見えると感心します。

 店が目指す方向や望ましい結果を共有し、スタッフはそれぞれ、学びたい、稼ぎたい、誰かの笑顔が見たい、といった人によって異なる何かを楽しみながら参加している―お店でそんな雰囲気を察知すると嬉しくなります。

 サブウェイのアルバイトっておすすめなんですよ。お客さんが常連さんでカスタマイズされるなら素早く対応し、慣れてなければ、察知してオーダーシステムを説明する必要があります。

 マニュアルも存在しますが、基本は現場対応。すると「予想外のことを言われてもすぐ対応する」「お客様の顔色を見て必要なことを察する」といった能力が磨かれます。だから「アルバイトの学生さんが就活で第一志望の企業から内定をもらった」という話をよく聞くんです。私も学生に戻れるなら働きたい(笑)。

 私は飲食業にありがちな「一時的なブーム」より、永続的な「文化」を創っていきたいと思っています。親会社が米国のサブウェイに替わるタイミングで店舗の統廃合も行なった一方、渋谷に「フレッシュ・フォワード」という大規模店を出店し、ここは今年、160%もの成長を記録しています。そんな激動の中、興味深い変化がありました。

 徐々に年齢層が高いお客様が増えているのです。理由は「手軽に野菜が食べられる」から。そんなサブウェイの価値を今後も伝え続ければ、当社のサンドイッチは今以上に食文化に根付いていくと思います。

 もしまだ味わったことがない方は、ぜひ一度、召し上がってみて下さい。最初、おすすめメニューを試したあと、自分好みのカスタマイズを見つけるのも楽しいものですよ! (取材・文/夏目幸明)

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角田 淳(つのだ・じゅん)
'71年、東京都生まれ、ブラジル、神奈川育ち。'95年に米国のペンシルベニア州立テンプル大学を卒業し、いすゞ自動車に入社。退職後、フリーの立場で音楽・スポーツイベントに携わり、'09年に日本サブウェイへ入社。マーケティング、営業、経営企画を経て、'16年に社長に就任、以来現職
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 『週刊現代』2019年10月26日号より
夏目 幸明

最終更新:1月9日(木)14時50分

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