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正社員手当、大幅カットの可能性も 「同一労働・同一賃金」でどう変わる?

12月3日(火)11時57分配信 THE PAGE

 来年4月から、正社員が享受してきた各種手当が大幅に減らされるかもしれません。正社員と非正規社員の格差を是正する「同一労働・同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法)」の施行に伴い、一部の企業が正社員の手当について見直しを検討していることが理由です。

派遣年数などに応じて段階的に賃金上昇

写真:アフロ
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写真:アフロ
 日本では正社員と非正規社員との間に極めて大きな賃金格差が存在していました。まったく同一の労働を行っている正社員と非正規社員の賃金について、市場メカニズムに沿って考えた場合、正社員は終身雇用が保障されていますから、その分だけ賃金は安くなり、一方、非正規社員はいつ解雇されるか分からないため賃金は高めになるのが普通です。しかし日本の場合には、むしろ正社員の方が圧倒的に賃金が高く、非正規社員の方が低いという、かなり歪んだ形になっていました。労働内容に違いがある場合には、賃金格差も当然ですが、同じ水準のスキルを必要とする労働者で、これだけの賃金格差があるのはどう考えても不自然といってよいでしょう。

 政府は、この格差を解消するため同一労働・同一賃金を導入し、企業は2020年から段階的に両者の格差を是正する必要に迫られています。いきなり賃金格差を解消すると混乱が生じるため、例えば派遣社員などは派遣の年数に応じて段階的に賃金が上昇する見込みとなっています。

一部企業では全面的な手当見直しも

 この場合、非正規社員の賃金が上昇するだけですが、格差縮小には逆のやり方もあります。高すぎた正社員の賃金を引き下げるという方法もあり、その格好のターゲットとなっているのが各種手当です。

 手当というのは、労働者の個別の状況に応じて支給される賃金ですから、基本給とは別の基準で評価されます。これまで労働組合との交渉などを通じて、基本給を上げられない場合には、各種手当を増やすことで実質的な賃上げを実現してきた企業も少なくありません。しかし手当が時代に合わなくなっているケースや、非正規社員との格差を増長するような手当も存在していることから、一部の企業では手当の全面的な見直しを開始しています。

 各種手当に加えて福利厚生の中にも、似たようなケースがあり、企業の労務部門にとってはこちらも見直しの対象となります。

 日本では就職ではなく就社などと言われ、生活のすべてを会社に依存するのが当たり前でしたが、あくまで企業と労働者というのは、労働力を提供する代わりに賃金をもらうという関係に過ぎません。各種手当の見直しは時代の流れといってよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:12月3日(火)11時57分

THE PAGE

 

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