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【来週の注目材料】CPIコアと違って鈍化なし?<米PCEデフレータ>

11月23日(土)17時10分配信 みんかぶFX

 米FOMCでの利下げサイクルが一服し、当面の据え置きが期待されていますが、トランプ大統領からの利下げ圧力が継続していることに加え、堅調であった雇用市場の鈍化傾向、通商問題などを受けての設備投資の不透明感などが米景気の重石となっており、早い段階での追加緩和を強いられるとの見方も根強いです。

 今年3度目の利下げを決めた10月末のFOMCの声明では、9月のFOMC後の声明で見られた「適切に行動」という表現を削除し、FF金利の適切な道筋を精査し、経済見通しに関する情報を注視という姿勢を示しました。それだけに金融政策に影響を与える重要な経済指標への注目度が高まる展開に。

 米景気の鈍化傾向を受けて利下げを検討するに当たって重要なカギの一つとなるのが物価動向。米FRBの二大責務は雇用の最大化と物価の安定だけに、雇用の成長が鈍い(景気自体が鈍化気味)の時に、物価が目標値を下回ると、利下げへのハードルが下がることになります。

 物価をみる場合、多くの国でインフレターゲットの対象となり、 米国でも重要視されている消費者物価指数(CPI)を見る傾向にありますが、 米国のインフレターゲットの対象はあくまでPCEデフレータです。

 CPIとPCEデフレータはいくつか違いがありますが、特に大きな相違が1)代替品の取り扱いと、2)住居費の取り扱いの二点。

 最初の部分の違いがCPIよりもPCEデフレータのほうが低く出る主要因(例えば計測対象がキャベツで、生産状況からキャベツが高騰した場合、CPIはその高騰をそのまま反映、PCEデフレータは家計がキャベツに代わって白菜で代用して白菜の消費が増えた場合、その消費行動の変化も計測に加える)で、一般的にクローズアップされやすいですが、今回少し気になるのが2)の住居費の方。

 今月13日に発表された10月の米CPIは変動の激しい生鮮食品・エネルギーを除いたコア部分の前年比が予想外の鈍化(2.4%→2.3%)となりました。家賃の伸びが2011年4月以来の低い伸びとなる前月比+0.1%にとどまったほか、ホテル料金が過去最大となる前月比4.4%の低下を示すなど、住居費関連項目の鈍い状況が目立ちました。

 この状況自体はPCEデフレータでも変わらないと思われますが、そもそも全体に占める住居費の割合は、CPIが約3分の1であるのに対して、PCEデフレータはその半分程度であり、全体に与える影響が小さくなります。

 そのため、今回の予想はPCEデフレータ全体の前年比が+1.4%と前回の+1.3%から上昇、コアPCEデフレータの前年比が+1.7%と前回と同水準となっており、CPIコアと違って鈍化を見せない予想になっています。

 とはいえ、衣料品、新車など他の項目でも鈍い数字が見られたことを考えると、PCEデフレータもCPI同様に鈍い数字になる可能性は十分にありそう。この場合、追加利下げへの期待感を押し上げる形でドル売りが入る可能性がありそうです。

なお、PCEデフレータ及び同時に発表される個人支出・個人所得は、通常米国東部時間午前8時半(夏時間採用時は日本時間午後9時半、標準時間採用時、は日本時間午後10時半)の発表ですが、11月及び12月は現地時間午前10時に発表時間が変更されますので要注意です。

MINKABU PRESS 山岡和雅

最終更新:11月23日(土)17時10分

みんかぶFX

 

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