ここから本文です

消費税は「逆進性」がある税なのか。軽減税率を導入する根拠にも

11月15日(金)7時40分配信 THE PAGE

写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート
拡大写真
写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート
 10月に消費税が10%に増税されましたが、消費税の逆進性の是非についてネットで議論となっているようです。一般的には消費税には逆進性があるとされ、軽減税率を導入する根拠にもなりました。果たして消費税というのは逆進性がある税制なのでしょうか。

 消費税は消費者がモノやサービスを購入した時に支払う税金です。実際に税金を納めるのは販売代金を受け取った事業者ですが、税金を負担しているのはわたしたち消費者ということになります。

 一般論として、所得が大きい人ほど、支出も多くなりますが、年収が10倍になったからといって、食べ物を10倍食べるわけではありません。所得が低い人ほど、全体の支出に占める生活必需品の比率は高くなりますから、割合としての消費税負担は低所得者ほど大きくなります。こうしたことから、消費税は低所得者ほど負担が大きく逆進性が高い税制であると認識する人が多いと考えられます。

 もっとも高額所得者は生活必需品こそたくさん購入しませんが、高級車など高額な買い物をしますから、稼ぎのうち何割を支出に回しているのかは人それぞれです。2000万円の年収がある人が可処分所得のほとんどを消費に回した場合、負担感という意味では同じになりますから、このあたりは解釈が微妙なところでしょう。

 ネットで逆進性の是非が話題になったのは、「消費税に逆進性はない」と主張するWeb媒体の記事がきっかけですが、残念ながら記事では直接的には逆進性の是非に触れておらず、高額所得者はその他の負担が大きいので、負担の差は相殺されるという結論になっています。

 日本では所得税を中心にかなりの累進課税となっており、所得が高い人には極めて高い税負担が求められています。所得税には一定の控除があり、名目上の税率よりも、実際に徴収される税率はかなり低く、年収400万円から500万円の人の平均的な所得税率はわずか1.8%程度しかありません。日本における中間層は、所得税に関しては実質的に無税に近い状況と考えてよさそうです(米国や欧州では、年収500万円以下の人でもしっかり税金が徴収されますから大きな違いです)。一方、年収が800万円を超えたあたりから税率は大きく上昇し、1500万円では約14%、2500万円を超えると30%以上が税金で持って行かれます。

 低所得者ほど可処分所得に占める支出の比率が高いことを前提にすれば確かに消費税には逆進性があります。一方、所得税における極度の累進課税を基準にすれば、消費税の逆進性は取るに足りないレベルということになるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:11月15日(金)7時40分

THE PAGE

 

【あわせて読みたい】

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

ヘッドライン

経済総合アクセスランキング