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世界経済の減速懸念から、乱高下が激しくなっている株式市場。その中で、私たち個人投資家が儲けるにはどうしたらよいのか? 45年間、市場と対峙してきた百戦錬磨の個人投資家で、著書『株の鬼100則』がある石井勝利氏によれば、株価チャートに「儲けのシグナル」が出たときが「買い」のタイミングだという。そこで代表的な「儲けのシグナル」を2つ、教えてもらった。
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「底値のシグナル」を探せ
6971 京セラ
* みんなの株式 より
買いの最高のタイミングは「底値」を冷静に見付けることでつかめる。
間違ってはいけないのは、「押し目」ではなく、「底値」を確認することである。
株では「下げる」ことを「押す」と呼ぶので「押し目」は、上げている途中の下げだけでなく、下げている最中の一段の下げもある。ただ、これは底値ではない。
「底値」は、ガンガン下げて、あきれるほど下げて、「コツン」と来たタイミングである。
「これ以上は下げようがない」というレベル。
見極めが難しいのは、押し目と底値が似たタイミングになるからだ。
ほとんどの人は「底値」を買えず、上がり始めたところでようやく気づき、少し下げたところで買おうとする。
なぜなら、怖いからである。これまでガンガン下げたから、保有銘柄に大きな損が出ている可能性が高い。
株を買うには勇気がいる時だ。
ここをあえて買おう。その勇気がないと、株では儲からない。
大底では、得てして「投げ売り」が出るものだ。
だから、下げも急になる。いくらでも良いから「成り行きでの売り」が出るわけである。
ここで、テクニカルの分析をすれば、チャートでは「下ヒゲの長いローソク足」が出る。別に、難しくはない「底値シグナル」である。
「下ヒゲ」は、1本でも十分だが、2本出れば、反転の確率が極めて高い。
このチャートをたくさんの銘柄から選び出し、うまく買うことが、勝利の習慣となる。
「ネックライン抜け」を逃すな
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8818 京阪神ビルディング
* みんなの株式 より
これをテクニカルで的確に判断できれば、株式投資で利益を取るチャンスは格段に多くなるはずである。
その判断のシグナルのひとつが「ネックライン抜け」というものだ。
これには、様々な形があるが、何回も上値に挑戦しつつも一定の上値に抑えられてきてた株価が、ある時、強烈に上に抜けると見られる。
これは売りに対して明確に買いが上回り、需給関係では買い有利となり、上げ転換となったことを示す。
長いもみ合いの後の上げは、簡単には崩れないのが、一般的である。
しつこく売りをしていた筋や弱気の利益確定の人の「売り玉」が途絶え、買いが勝っていて、誰もが「買い有利」と判断するので、株価の上昇の勢いが増していくというわけだ。
例えば、京阪神ビルディングは約1か月の間、900円から930円の間で攻防が繰り広げられてきた後に、一気に1100円近くまで駆け上がった。
ただし、この勢いが無限に続くかは疑問だ。
適度な利益で手仕舞いをしなければ、強烈な売り仕掛けが出てくる可能性があるので、注意が必要と言える。
持ち合い抜けの株価の勢いを活用して、うまく利益を上乗せできた時点でトレードは完了が賢明である。
次の局面では違ったトレンド形成の可能性があるので、用心しなければならない。
石井 勝利
最終更新:10月23日(水)15時00分