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日本がアジアの成長力に負けている理由。給料の高い企業に転職するのは当たり前?

10月22日(火)21時00分配信 LIMO

写真:LIMO [リーモ]
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写真:LIMO [リーモ]
いまどき日本で終身雇用なんてありえませんが、終身雇用という言葉がなくならないという点で、日本ではいまだに終身雇用制度に対する期待と幻想が入り混じっていると感じています。

もちろん、大企業の役員クラスやオーナー企業経営陣は、結果的に終身雇用的に扱われる例も多々ありますが、そうした事例は今や希少事例ではないでしょうか。40代後半にもなれば「たそがれ研修」に招集され、「出向」や「転籍」を余儀なくされるのが当たり前の時代なのですから、すでに終身雇用は終焉しているのです。

一方、アジアでは若い頃から転職が当たり前となっています。欧米の労働者(少なくとも筆者が籍を置いたことのある欧米系金融機関)は昔から転職が普通のことで、旧植民地としてその欧米の労働文化を引き継いでいるアジア各国の労働者も、好条件を求めての転職が日常茶飯事です。

給料の高いところに転職するのが当たり前

もちろん筆者がすべてのアジア諸国の労働事情を知ることはできませんが、かつて欧米系金融機関で一緒に働いたアジア諸国の同僚からは、彼らの仕事(job)に対する考え方がよくわかります。それは一般的な日本人労働者とは真逆の考え方です。

それは、「給料の高い会社に転職する」です。

こう言ってしまえば身も蓋もありませんが、会社に対する忠誠心も感謝もお金次第なのです。もちろん、その会社にいる限りしっかり仕事はするのですが、昇給や昇格の見込みがない限り、すぐ転職をしてしまいます。

筆者の経験でも、昨日まで一緒に働いていた同僚から「今日が◯◯社での最後の日となりました。いままでありがとうございました」といったメールを何回受け取ったか分かりません。

もちろん、自己都合なのか会社都合なのかは分かりませんが、少なくともアジアの同僚はだいたい3~4年毎に転職していた感じです。まれに5年以上同じ会社に在籍する社員もいますが、その社員でさえ次の転職先を念頭において働いている猛者なのです。

加えて、転職先があるということは労働市場で価格がついているということで、特に若手から中堅層の流動性は日本とは比べ物にはなりません。日本でも転職エージェントが増えてきて、人材の流動性は徐々に上がってきていると推察されますが、アジアほどドライな転職市場にはなっていないでしょう。

アジアの平均労働時間は日本より長い

図表1:各国週当たり平均労働時間(データ出典:ILO(国際労働機関)、単位:時間/週)
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図表1:各国週当たり平均労働時間(データ出典:ILO(国際労働機関)、単位:時間/週)
図表1は欧米亜各国の週当たり平均労働時間のデータです。これを見ると、アジア諸国の労働時間は欧米諸国よりも長くなっています。

成長著しい国々の労働者が長時間労働するのですから、ますます日米欧はアジア諸国に劣後する可能性があります。週あたりではさほど違いがないように見えますが、日本と中国の労働時間差を年換算すると、中国の労働時間は日本よりも約11日も長くなります。

筆者は意味のない長時間労働には反対の立場ですが、アジアの労働者が給料ファーストで転職し長時間労働を厭わないとすれば、当面アジア優位は続いていくでしょう。

日本人の若手はどうすべきか

さて高齢化が急速に進む日本ですが、労働者不足が予想されているにもかかわらず、給料が上がるという話はほとんど聞かれません。こうした中では、日本人労働者のメンタリティも、アジア人並みに変わって行く必要があると思います。

つまり、自らの能力や市場価値をしっかり判断した上で、より高い給料がもらえるキャリアパスを築けるように、社会人になる前から意識しておくべきです。もっとも、学生が一斉に就職活動をする日本の“就社文化”の中では、そういった意識を醸成するのは困難かもしれません。

しかしながら、私が経営者なら、1社目で社会人教育をしっかり受けた野心ある人材を多少高い給料を払ってでも雇うでしょう。その方が学卒を直接雇用するよりも、教育コストが低く抑えられ、より業績に貢献すると考えられるからです。

成長力が鈍化する日本の大企業においても、早晩人材引き抜き合戦が進むに違いありませんから、読者の方にはその船に乗れる人材になれるよう頑張ってほしいと思います。

ただし、言わずもがなですが、そうした若手のモチベーションを逆手に取るブラック企業には要注意です。

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太田 創

最終更新:11月6日(水)23時30分

LIMO

 

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