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50歳、リストラで単純作業の部署に異動させられ、セミリタイアを希望。教育費は大丈夫?

9月20日(金)22時20分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆配置換えでやりがいがなくなりセミリタイアしたい。教育費は大丈夫?

中高生2人の子を持つ50歳の会社員。勤め先の配置換えでやりがいをなくしセミリタイアを希望しているが教育費など負担しながらやっていけるのか? ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
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中高生2人の子を持つ50歳の会社員。勤め先の配置換えでやりがいをなくしセミリタイアを希望しているが教育費など負担しながらやっていけるのか? ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、中高生の子を持つ50歳の会社員。勤め先の配置換えでやりがいをなくし、セミリタイアを希望しているが教育費など負担しながらやっていけるのか? ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

▼相談者

イツキンさん(仮名)
男性/会社員/50歳
東京都/持ち家(マンション・集合住宅)

▼家族構成

妻(56歳)、子ども2人(17歳・13歳)

▼相談内容

勤務先のリストラにより人事制度が変わり年々給与が下がり、単純作業の部署に異動させられ、やりがいも全くなくなったため、セミリタイアを考えています。

転職も考え活動し始めましたが、年齢的に正社員は難しいようで、転職できたとしても条件が改善するかどうかは不透明な状況です。このまま現状で我慢しながら勤務を続けるか辞めるかで迷っています。

子どもの教育費はまだまだかかるため不安はあるのですが、株式投資等で資産は約1億円あり、年収100万円程度でセミリタイアしたとして、今後余裕のある生活は送っていけるかどうか相談したいです。

このまま勤務すると給与手取が今年後半から3万円下がります。妻は、パートで年収120万円、継続予定です。

▼家計収支データ

相談者「イツキン」さんの家計収支データ
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相談者「イツキン」さんの家計収支データ


▼家計収支データ補足(相談者コメント)

(1)住居費について
住宅ローンは完済。ローンが終了しているのに、管理費等で毎月3万3000円の住居費負担が高いことは自覚していますが、削減するためには住み替えせねばならず、それには大きな費用がかかるため、住み続けている状況です。

(2)車両費について
駐車場代、自動車税、車検費用、任意保険など。これを月額に置き換え合計2万3200円としています。車の買い替え予定はなく、乗れるだけ乗り続け、自宅は交通の便が良い場所なので、その後は車は所有しない方向です。

(3)教育費について
児童手当は、学校教育費の一部として使用。教育費の内訳は、学校授業料2万円+1万円=3万円、塾費用2万3000円。

子どもの進路については、現在第1子が公立高校、第2子が公立中学です。未定ではありますが第1子は自宅から通える国立大学、第2子は公立高校から私立大学を想定しています。

(4)ボーナスの主な使い道について
賞与についてはここ数年少なくなっているので、レジャー等には使っていません。

(5)退職金について
退職金はありますが少ない会社で、1120万円ほど。妻は、年金支給までパートを継続する予定です。

(6)年金について
・本人:65歳から受給開始179万7000円/年
加算分として上記に記載の厚生年金基金連合会移管分年額55万8000円。厚生年金基金代行部分年額38万1000円があり合計すると273万6000円/年になります。

・妻:65歳から受給開始115万1000円/年

▼FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:今ある資産に手を付けず教育費は手当てできる
アドバイス2:ストレスをためたまま仕事を続けるくらいなら今辞めても全く心配なし
アドバイス3:毎年100万円余分に使い続けても大丈夫です!

◆アドバイス1:今ある資産に手を付けず教育費は手当てできる

仕事のやりがいがなくなり我慢しながら続けるかどうか迷っているようですが、イツキンさんの場合はストレスをためながら働き続けて健康を害するよりも、辞めて健康に過ごしたほうがいいと思います。金銭的には心配いりませんよ。

2人のお子さんが現在中高生ということで、これから本格的に教育費がかかる年齢で不安があるのはよくわかります。

ですが、結論から言うと全く問題ありません。2人とも現在は公立校に通っていて、国立大と私立大への進学を想定していますが、仮に2人とも私立大に進学したとしてこれから約1100万円ぐらいかかると考えます。

一方でイツキンさんは確定拠出年金と退職金、厚生年金基金など会社を辞めた段階で1120万円もらえる権利があるとのことなので、これで先に試算した教育費はすべてカバーできます。

つまり、今現在持っている1億850万円の資産はまったく手を付けずに残すことが可能です。仮に試算より教育費が増えたとしても1億円前後は残ると思われます。

その他に大きな出費の予定がない点も資産を減らさずやっていける大きなポイントです。住宅ローンもすでに完済していますし、今支出している住居費はおそらくマンションの管理費と修繕積立金でしょうから、これは必要経費です。

また、交通の便がいいところに住んでいるから車の買い替えもしないとのことですが、車を買っても全く問題ありません。

◆アドバイス2:ストレスをためたまま仕事を続けるくらいなら今辞めても全く心配なし

仮に今すぐ会社を辞めたとしましょう。

現在奥さんが120万円の収入があり、これは継続して入ってくるものと仮定します。

イツキンさんは、完全リタイアではなくセミリタイアとおっしゃっていて、なにがしか働いて収入を得るつもりがあるようですので、100万円程度の収入があるものとします。

教育費は前述したように別枠で資金の準備ができるので、家計支出から教育費を除くと、イツキンさんの家計の生活費支出は少し余裕をもたせて月に25万円、年間で300万円と考えます。

そうすると収入220万円に対して支出が300万円ですので、年間80万円を取り崩すことになります。奥さんが年金をもらい始める65歳まで働いたとすると、あと9年間あるので、取り崩し額は合計で720万円になります。それでも単純に1億円近くは残りますね。

仮に奥さんが仕事を60歳で辞めてしまっても、9000万円程度は残せるでしょう。

そして65歳以降はご夫婦2人で年金が300万円近くもらえるので、社会保険料などの支出が増えたとしても取り崩しは10~20万円程度です。このままいけば使い切らないですよ。

◆アドバイス3:毎年100万円余分に使い続けても大丈夫です!

たとえば今すぐ仕事を辞めて毎年100万円ぐらい余分に使ったとしてもイツキンさんが65歳までに使うお金は1500万円です。

65歳以降は年金で生活費のほとんどをまかなうことが可能なので、ほとんど取り崩しの必要はありません。

ですから、それ以降も余裕資金として毎年100万円ずつ20年間使い続けても、85歳時点でまだまだ5000万円以上残ります。だからお金のために我慢して働くことはまったく必要ありません。金銭的に何の不安もないですよ。

しいて言えば、資産のバランスですが、投資の割合が少し多いのが気になります。

ただ、自分でしっかりコントロールされているようなので、あまり心配はしていません。理想を言えば、貯蓄と投資の割合を50:50ぐらいにしたほうがいいでしょう。

家計にも無駄がないし、これだけの資産があるなら保険が必要ないこともよくわかっていらっしゃいますね。余計なところにコストをかけず、しっかりと家計管理をしているところが素晴らしいです。だからこそこれだけの資産を作れたのでしょうね。

どうか100歳まで健康に気を付けて、お金のことは気にせず楽しい老後を過ごしてほしいと思います。

◆相談者「イツキン」さんから寄せられた感想

具体的に指摘いただいたうえで、心配ないとアドバイスいただきとても安心しております。

また、これまで夫婦別管理だったため、ざっくりとしか掴めていなかった収支を、相談させていただく過程で、より詳細に仕分けすることができました。気づきの機会を与えていただき本当に感謝しております。

資産を減らさないように適切に守りながら、人を道具としか見ない会社には早々に見切りをつけ、第二第三の人生のスタートを切りたいと思います。

保険はコストと考え、貯蓄型の年金保険しかかけておりませんでしたが、これも無駄がないとコメントいただき、考え方までお見通しといった感じで脱帽です。良い意味で安心をいただけ、かつ背中を押していただけました。本当にありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:堀内玲子
あるじゃん 編集部

最終更新:9月20日(金)22時20分

あるじゃん(All About マネー)

 

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