ここから本文です

日銀・黒田総裁会見9月19日(全文3完)次回は経済物価状況を点検したい

9月20日(金)9時05分配信 THE PAGE

「海外経済のリスクが高まる状況にもあるので、次回の決定会合では十分、経済物価状況を点検したい」と黒田総裁
拡大写真
「海外経済のリスクが高まる状況にもあるので、次回の決定会合では十分、経済物価状況を点検したい」と黒田総裁
 日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の19日午後、記者会見を行った。

※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年9月19日)」に対応しております。

     ◇     ◇

海外経済のリスクをどう見ているのか

日経CNBC:日経CNBCの直居と申します。2点ございます。1つは、今回強調されてます海外経済の下振れリスクについてなんですけれども、少し海外の中央銀行の金融政策との関連も含めてお聞きできればと思っております。表現を見ると、下振れリスクは高まる一方というんでしょうか、高まりつつあるというふうに表現されてますけれども、米欧等、金融緩和にもう踏み切りつつある中で、例えばアメリカなんかでは住宅ローンの借り換えなどを通じて、すでにその効果みたいなものが表われ始めているのではないかというような指摘もあるように思います。ただ、その効果を判断するにはまだ時期尚早ということなのか、金融、すでに米欧がかじを切っている緩和政策の効果も含めて、現在の海外経済のリスク、この辺についてあらためてお聞かせいただけますでしょうか。

黒田:この辺りは当然、いろいろ議論があるところだと思いますけれども、正直申し上げて米国の経済は比較的堅調でありまして、特に消費がしっかりしてて、賃金も上がってますし、雇用情勢も非常にタイトという中で消費がかなりしっかり伸びているということでありますので、米国経済が何か景気後退にすぐ陥るような可能性はあんまりないと私も思ってます。ただ、FEDとしては、公表された文にもあるように、世界経済とかその他の不確実性があるので、予防的に今回、政策金利を引き下げるということだったと思います。

 他方、欧州のほうはご承知のように、一部の国はマイナス成長になったり、全体としてやや減速の状況が続いているわけですね。従ってECBとしては、先述のようなマイナス金利をさらに深掘りするだけでなく、マイナス金利の適用についてもそうかと、採るとか、それから資産買い入れを再開するとかフォワードガイダンスを変更するとか、さまざまな措置を取られたということだと思います。その効果はこれからだと思いますけれども。

ECBは適切な措置を取ったと思う

 これから国際会議も控えており、IMFとかその他の国際機関も見通しをそれぞれ提出してくると思いますけれども、ECBの措置自体はそれぞれの経済物価情勢に応じて適切な措置を取られたと思うし、今後とも取ってはいかれるというふうに思ってます。ですから世界経済の、海外経済の減速の状況っていうのはまだ回復する兆しは見えてませんが、例えばITサイクルなんかは少し下げ止まって反発する動きも見られてますし、それから中国経済はずっと減速してますけれども、財政・金融政策その他でかなりの措置をすでに取っておられますので、そういったものがどういう効果が出てくるかっていうのは今後ともよく見ていく必要はあると思いますけれども、世界経済自体を、全体を見て、それぞれの経済物価の状況に合わせてそれぞれの中央銀行が政策を取っておられるということだと思います。

 わが国の場合はご承知のように、ある意味でいうと海外のさまざまな中央銀行よりも相当思い切った量的・質的金融緩和、そしてある意味ではユニークなイールドカーブコントロールを行い、物価安定の目標に向けた努力を重ねているということであります。その上で、先ほど申し上げたように、海外経済のリスクが高まる状況にもありますので、次回の決定会合では十分、経済物価状況を点検してまいりたいということであります。

世界的なバブル経済リスクへの見解を聞きたい

日経CNBC:もう1点、恐縮です。ちょっと先ほどとは違う意味でのグローバルな金融リスク、あるいはバブル経済のリスク等々についてのご見解をお聞かせください。いろいろと不透明感がありながら、アメリカの株価がほぼ史上最高値圏にあり、あるいは資産価格の上昇、住宅なども続いている。それから家計、企業、政府、いろんな意味でこの10年、債務が積み上がってる。そのことでいろんな金融リスクがグローバルのどこかに積み上がっているのではないか、それは例えば銀行規制では見えないところ、ファンドなどを通じて積み上がっている心配がないかと、こういう議論があると思うんですね。この辺についての総裁のご見解をお聞かせください。

黒田:こうした問題についてはBISとかIMFなどの会議でよく議論されているわけですけども、現状で民間債務が積み上がっている国とか、特に途上国におけるいろんな状況とかなんかについて議論はありますし、先進国についてもリスク資産の価格が上昇しているところもあるということで、いろんな議論はありますけども、今の時点で何かバブルが非常に大きなものがあるとか、あるいは金融規制の網が十分かぶってなくて大変なことになる懸念があるっていうふうに言ってる国際機関とか中央銀行の人はいないと思うんですけども、ただ、そういうことを言うと、リーマンショックの前も一部のIMFの方とかなんかが指摘してましたけども、あまりみんな心配してなかったのになったじゃないかと言われると、そういう反省もよく分かりますので、国際機関も各国の中央銀行も、金融規制当局も私どもも、そういった点については十分注意して見ておりますし、日本銀行の場合はご承知のように、半年に1回、金融システムレポートでかなり詳細に分析をしておりますので、今後ともそういった点については十分注意していく必要があると思いますけども、今の時点で何か非常なリスクが、特に先進国の金融システムでたまってるというふうには考えておりません。

朝日新聞:すいません、幹事社から1点。冒頭申し上げたように4時25分ごろには総裁が出なくてはいけないということなので、あとお二方、【サン**** 00:46:35】で終了させてもらいますのでよろしくお願いします。

何もしない可能性もありうるのか

ブルームバーグ:ブルームバーグ ニュースの藤岡です。2点お伺いしたいんですけれども、先ほど、前回会合よりも金融緩和へ前向きになったということですが、今日の6段落目の声明というのは、特に何かするという約束まではしていないと思うんですね。ですのでここまでもう示唆されているかもしれませんが、次回会合で、マーケットも素早く変わりますし、ツイートで米中貿易摩擦っていうのもまた変わってくるわけですよね。その中で来月またモメンタムはしっかりしていると、何もしないということも十分可能性としてはありうるという理解でよろしいんでしょうか。

黒田:おっしゃるとおりなんですけども、そういうふうに言うのがいいのかですね。ここに書いてあるとおりということでご理解いただきたいと思います。

ブルームバーグ:あともう1点お願いします。長期金利のターゲットについて総裁は、マーケットは機能的に動いているときに無理に止めていくのはいかがなものかというご発言をされて、その一方で、ただ、ターゲットを持っている限りそれがどんどん落ちていっても何もしないわけではないということではなく、ここは、例えば機能的に動いていたとしても、どんどん下がっていくようであれば、やはりそこは止めにいかなければいけないことになるということなんでしょうか。

黒田:そういうことですね。現に、ご承知のように毎月の国債買い入れについても必要な調整をしておりまして、他方で確かに海外の金利が下がったときに、それを反映してわが国の金利も下がるというのを全部止めなくちゃいけないというのもちょっと変だと思うんですね、国際市場の機能が十分発揮されている面もありますので。ただ、あくまでも、10年物国債の金利の操作目標として0%程度と申し上げているわけですから、それを外れる状況をいつまでも容認するっていうことはないわけで、必要に応じて適宜、国債買い入れのプログラムをマーケットの状況に応じて修正してますし、今後とも必要に応じてやっていくということだと思います。

中央銀行の独立性は脅かされていないのか

朝日新聞:朝日新聞の原です。先月、FRBの歴代議長4人がウォール・ストリート・ジャーナル誌に、中央銀行の独立性が脅かされている、これを守れという異例の提言を起稿したわけですけれども、これについて総裁がどんなご感想をお持ちかということと、もう1つは、日銀は今、そういう独立性っていうのは脅かされていないのかということについて、総裁のご見解を伺えますでしょうか。よろしくお願いします。

黒田:私、たまたまその4人の方にも面識がありまして、今回の4人の方の署名された文章について何か話したことがあるわけじゃないんですけれども、従来から面識がありまして、それぞれ中央銀行総裁として立派な功績を挙げた方ですし、皆さん十分、ご総裁として、あるいはエコノミストとして立派な方であるっていうことはいえると思います。

 ただ、具体的に今回の米国におけるこういうことが出されたコンテキストとか、その下でこの4人のおっしゃるとおりであるとか、何か本当、私から申し上げるのもちょっとせんえつだと思いますので、その点は特に申し上げるのは避けたいと思いますが、日本銀行について今、何か独立性、これは日本銀行法できちっと書かれているわけですけども、それに対して何か危惧があるとか、独立性を損なわれる恐れがあるとか、そういうことはまったく考えておりません、感じておりません。

朝日新聞:よろしいでしょうか。いいですか。ほかに質問よろしいですか。あと5分ぐらい。

中東情勢の現状をどう評価しているのか

テレビ東京:よろしいでしょうか。テレビ東京の滝田です。僕がしたい質問は、今日ちょっとまったく出なかったんで、2点ほどお伺いしたいと思います。1点は中東情勢ですね。ひとまず沈静化したとはいえ、サウジの石油施設に対して攻撃が加えられて相当大きな被害が出たということがありました。今後、第2弾の攻撃がなされるリスクというのも関係者は相当意識してると思うんですけれども、日本銀行として中東の原油リスクも含めた現状をどういうように評価されてますでしょうかというのをまず1点、お伺いしたいと思います。区切って質問したほうが良いでしょうか。続けてでよろしいですか。それでは続けてお伺いします。

 2点目は、アメリカの短期金融市場についての質問をさせていただきたいと思います。今回、FOMCで、利下げをする直前の段階で、アメリカのレポの市場では相当緊張が走って、一時、レポ金利、翌日は本当に10%まで跳ね上がっていると思います。その背景というのはどういうところが一番大きいというふうにお考えでしょうか。1つの要因としては、やはり7~9月期の財政のファイナンス額が非常に膨らんでいる、財政問題が短期金融市場に反映してるんじゃないかという指摘もあると思いますが、その辺を含めてご所見を伺えればと思います。以上です。

黒田:なかなかいずれもお答えしにくいご質問なんですけども、中東情勢につきましては、確かにサウジアラビアの石油施設が攻撃されて一部停止するというようなことで、地政学的なリスク緊張が高まっているということは、そのとおりだと思います。そうした下で足元の原油価格はいったん非常に上がって、今、少し落ち着いていますけども、それでもひところよりも高い水準になっております。日本銀行としてはこういった中東における地政学的リスクが原油価格、あるいは世界経済とか国際金融市場に与える影響については引き続き注視してまいりたいというふうに思っております。

今後も国際金融市場の動向に十分注意したい

 2番目の米国の短期金融市場の、一種のヒッチみたいなものだと思うんですけども、いろいろいわれているのは季節的な要因とか、いろいろなものがたまたま重なってなったので、FEDは迅速に流動性を供給して安定した状況になったということで、何かこれが財政にしても金融にしても大きな構造的な何か問題があってなってるっていうふうには思われませんが、ただ、またそしてFEDは迅速に適切に対応されたと思いますので問題なかったと思いますけれども、ご指摘のようなことも含めて今後とも国際金融市場の動向には十分注意していきたいというふうに思っております。

朝日新聞:よろしいですか。

テレビ東京:どうもありがとうございました。

黒田:どうも。

(完)【書き起こし】日銀・黒田総裁会見9月19日

最終更新:9月20日(金)9時05分

THE PAGE

 

【あわせて読みたい】

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

ヘッドライン