ここから本文です

【日経新聞1面】社債発行が世界的に急拡大、リスク要因にも【本日の材料と銘柄】

9月19日(木)12時23分配信 フィスコ

拡大写真
現在値
武田薬 3,780 -49
日本製鉄 1,525.5 +13
菱地所 2,083 -11
ソフトBG 4,299 +4
社債発行が世界的に急拡大、リスク要因にも
社債発行が世界で急拡大、9月に最高ペース、低金利背景、借り換え・自社株買いに

世界の企業による社債発行が急増、9月の発行額は1日当たり112億ドル(1兆2100億円)と過去最高ペースにある。世界の中央銀行が再び金融緩和に動いて金利への低下圧力が強まり、低コストで資金を調達しようと多くの企業が起債を急いでいるため。もっとも、収益力に見合わないほどの債務を抱える企業も目立ち始め、調達の目的は借り換えや自社株買いが中心で、成長に向けた資金の巡りは限られる。

1日当たりの9月の社債発行額(17日まで)は8月の2.2倍に急増。2016年9月の104億ドルを上回り00年以降で最大、米国56億ドルと日本10億ドルは過去最大。日本は1~9月累計10.5兆円と、銀行貸し渋りの影響で社債発行が極端に膨らんだ98年の同10.9兆円に迫り、年間では98年の13.7兆円を超えて21年ぶりに最高を更新する可能性がある。

米アップルは70億ドルを調達し配当や自社株買いなどに充て、同額を調達した米ウォルト・ディズニーは社債を早期償還し安い金利の社債に借り換えた。仏大手ソフトウエア会社ダッソー・システムズは40億ドル、米コカ・コーラも20億ドルを集め、米投資会社バークシャー・ハザウェイは4300億円の円建て債を発行。信用力が低い「投機的等級(ダブルB格以下)」の企業による起債も活発で、米ウーバーテクノロジーズは12日に12億ドルの社債発行を発表、投資家の旺盛な需要を受けて当初予定の7億5000万ドルから増額した。

世界的な金融緩和競争が背景にあり、ECBが緩和強化を決め、FRBも利下げに転じている。「有利な条件で出せるとみた企業が前倒しで起債に動いている」(メリルリンチ日本証券の林礼子副社長)。日欧の国債利回りがマイナス圏に沈み、多少のリスクを覚悟でプラスの利回りを保つ社債への投資を増やさざるを得ないため、機関投資家の買いの意欲も強い。

企業の債務は膨張している。世界の金融を除く上場企業の有利子負債は18年度で約20兆ドルと過去10年で8割弱増加、金利低下でも支払利息は約0.8兆ドルと4割増えた。企業は信用力が悪化し始め、年初から17日時点までの事業会社と金融機関の格下げ件数580件は格上げ488件を上回る(米S&Pグローバル・レーティング)。社債などで調達した資金がうまく投資に回れば将来の成長を後押しするが、米中摩擦の激化などが響いて世界景気が一段と冷え込めば、債務返済に窮する企業が増える恐れがある。超低金利を背景にした企業債務の増大は「景気悪化を助長する」(国際通貨基金)リスクを孕む。

世界的に超低金利が定着し、さらに金利引き下げの方向に向かう中で、大企業を中心に社債発行が歴史的な水準まで急拡大している。企業にとっては低金利への乗り換えや自社株買い・配当増額などと株主は歓迎、運用難に喘ぐ機関投資家の買い意欲も強いが、膨張する企業債務はリスク要因でもある。以下は19年に入り目立った社債発行を行った企業。



<9984>SBG{ソフトバンク・ビジョン・ファンド運営、4・5月合計9000億円の社債発行}
<4502>武田{製薬国内最大手・シャイヤー6兆円買収、5月に5000億円の社債発行}
<5401>日本製鉄{粗鋼生産国内1位・世界3位、9月に3000億円の社債発行}
<8802>菱地所{「丸の内」主力の不動産大手、4月に国内初の最長50年債150億円を発行}
※この記事は、無料のスマートフォンアプリ「FISCO」に先行配信された記事を転載したものです。
《ST》
株式会社フィスコ

最終更新:9月19日(木)17時01分

フィスコ

 

【あわせて読みたい】

この記事の関連銘柄ニュース

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

ヘッドライン