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ふぉーかす ドラギECB総裁「何でもやる」

9月18日(水)9時31分配信 トレーダーズ・ウェブ

 2012年7月26日、ドラギ第3代ECB総裁は、ユーロ圏債務危機の際、ユーロ崩壊も警戒されていた中で、「欧州中央銀行(ECB)は、その責務の範囲内で、ユーロ存続のために、必要な『何でもやる(do whatever it takes)』用意がある」と宣言し、ユーロの守護神としてユーロ防衛のための「非伝統的金融政策」に乗り出した。すなわち、「伝統的金融政策」としての金利引き下げによる「金融緩和」から、「非伝統的金融政策」としての国債購入による「信用緩和」に踏み出す決意を表明したことで、ユーロ金融危機から脱却した。

 2019年9月4日、11月1日に就任予定のラガルド第4代ECB総裁は、ドラギ第3代ECB総裁の伝家の宝刀「何でもやる」は使いたくない、と述べた。

 ドラギ第3代ECB総裁は、10月31日の退任を前に、ラガルド第4代ECB総裁に代わって伝家の宝刀を抜き、「ユーロ圏がリセッション入りする確率は低いと考えているが、確率は上昇した」として、景気減速が懸念されるユーロ圏成長の下支え、インフレ率鈍化が懸念される物価の押し上げに向けた措置を施したのかもしれない。9月12日のECB理事会では、ドラギECB総裁は、ワイトマン独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、クーレECB専務理事らの反対を押し切って、利下げや量的緩和(QE)の再開など包括的な追加金融緩和策の導入を決定した。ラガルド第4代ECB総裁は、主要なメンバーが反対する「ドラギ・バズーカ砲」を押し付けられたことになり、インフレ目標を断念するか、それとも国債を買い続けるのか、厳しい選択肢に追い込まれたことになる。

 ドラギECB総裁が打ち出した緩和パッケージ「ドラギ・バズーカ砲」は以下の通りとなる。

 ■中銀預金金利(市中銀行が余剰資金をECBに預け入れる際の適用金利)

 ▲0.4%⇒▲0.5%へ引き下げ

 ■金利階層化

 利下げによる欧州金融機関の業績悪化を抑えるため、一部の超過準備についてマイナス金利を免除する措置を導入

 ■資産購入プログラム第2弾(APP2):オープンエンド型(無期限)

 11月から月額200億ユーロの債券買い入れを再開する

 ※資産購入プログラム第1弾(APP1)(2兆6000億ユーロ)は、2016年3月に始まり2018年12月に終了したが、600億ユーロから800億ユーロの購入により、ECBのバランスシートは4兆7000億ユーロまで拡大した。

 ■フォワードガイダンス(金利据え置き期間)の強化

 【従来】時間条件:2020年半ばまで現水準の低金利を維持する

 【今回】状態条件:物価見通しが物価目標(2%弱)に収束するまで低金利を維持する

 ・インフレ目標を達成して利上げを開始するまで必要な限り継続する

 ・インフレ目標に見通しが収束していくまで現行またはそれ以下の水準にとどまる

 ■貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)第3弾の条件緩和

 ・適用金利:中銀預金金利と同程度(従来の+0.10%の上乗せ分を削除)

 ・期間:2年から3年へ延長

 「ドラギ・バズーカ砲」に対して、トランプ米大統領「ECBは非常に強いドルに対するユーロの価値を引き下げることに尽力そして成功し、米国の輸出に打撃を与える」と批判した。しかし、ドラギECB総裁は、「ECBは為替レートを目標にしない」と一蹴している。そして、財政余力のある国(ドイツ?)に対して、「景気を下支えするために、機動的な財政政策を講じるべき」と述べた。

 (為替情報部・山下政比呂)

最終更新:9月18日(水)9時31分

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