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ダウ623ドル安後の日経平均はどうなるのか?

8月26日(月)6時00分配信 東洋経済オンライン

またもやFRBのパウエル議長(右)が発言した日に相場は大きく動いた。トランプ大統領は株価が下落すればFRBのせいにしたがる。今後はいったいどうなるのか(写真:ロイター/アフロ)
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またもやFRBのパウエル議長(右)が発言した日に相場は大きく動いた。トランプ大統領は株価が下落すればFRBのせいにしたがる。今後はいったいどうなるのか(写真:ロイター/アフロ)
 先週末8月23日のNYダウは、623ドル安の2万5628ドルと大幅下落で引けた。

 中国が「アメリカからの輸入品に報復関税を課す」と発表したことを受けて売り先行で始まった。その後、最大の注目点だったジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホールでの講演(ワイオミング州)は「経済は望ましい状況だが、景気拡大を維持するために適切に行動する」という追加利下げ容認発言で買いが入る場面もあり、ドル円相場も一時106円台後半まで上昇した。
■またもや「トランプ大統領のツィッター攻撃」

 しかしその直後、アメリカのドナルド・トランプ大統領がツィッターで中国への報復措置をとる方針を明らかにすると、売り注文が殺到。ダウは一時700ドルを超える大幅な値下がりとなった。

 アメリカ企業の中国撤退まで言い出す始末で、ドル円も105円41銭と円高ドル安が進んだ。米中対立の長期化はその深刻度を強め、アメリカの景気後退論も静まる様子が見えない。

 日経平株価は、長期の200日移動平均線を短期の75日移動平均線が上から下に突き抜け(デッドクロス)、その75日移動平均線をより短期の25日移動平均線が突き抜けるという、極めて明確な売りシグナルが出ている。
 それでも23日現在では、今年に入っての引け値ベースでの「3点底」(2月8日2万333円、6月4日2万408円、8月15日2万405円)は、今のところなんとか守られている。

 その一方で、裁定取引のネット買い残(買い残-売り残)が異常な事態になっている。21日発表の最新の数字(8月16日現在)では、買い残4351億円、売り残1兆6293憶円、差し引き1兆1942憶円のマイナスだ。実はこのマイナス状態は1991年のデータ公表以来最低の数字だ。周知のごとく、買い残は先高観(先物高)がある時に、売り残は先安観(先物安)がある時に増加する。つまり今は、裁定取引に限って言えば、1991年以来の弱気に覆われている相場と言える。
 しかし、このような時こそ買い場であり、相場転機のタイミングでもある。

 株式投資はギャンブルではないと言われるが、言ってみれば、企業にかける「賭け事」とも言え、勝者になるカギは「少数意見」だ。一般的に賭け事は、賭けたら結果を待つだけの1段階の行為だが、株は買ったら売る、または売ったら買い戻すと言う2段階の行為で成り立っている。

 つまり「少数意見」は次の「多数意見」とイコールなのだ。裁定取引からはっきり見てとれる「弱気観相場」は次の「強気観相場」へと繋がって行くことは不変の事実で、これだけ弱気観が極まれば、明日にでも弱気から強気に転換しても良いと思うが、残念ながらそのきっかけが出て来ない。
ただ、相場というものはきっかけがなくとも、買い方と売り方のエネルギーのバランスで動くことも多々ある。そのヒントが、三井住友DSアセットのシニアストラテジストである市川雅浩氏のレポートにある。

 1959年以来60年間の月間騰落率を集計すると、10、11、12月と高くなる傾向がはっきりしている。この傾向はNYダウではさらに際立っている。ただし、日米とも、その前の9月が目立って下げていると言うリスクも同時に見える。日本株の9月の「日柄的リスク」は、外国人投資家の動向にも見て取れる。1994年1月から2018年12月までの25年間の外国人現物売買集計でも、9月は売り越しとなっている。
 従って日柄から相場観を言えば、目の前の9月に下落リスクがあるが、この9月を降り切れば(場合によっては9月にさらに売りが溜まるかもしれない)、10月以降に弱気から強気への相場観転換で一気の水準訂正も考えられる。やはり、9月が正念場であり、買い場としてのチャンスでもあるかもしれない。

■アメリカの需給が大きく変わることに期待

 需給の好転期待は、裁定ネット残高や、外国人動向だけではない。アメリカ株とFRBのマネタリーベースとの関係にも見て取れる。FRBは2017年10月から「資産縮小」に入った。3カ月ごとにその縮小幅を引き上げ、1年後の2018年9月に最大値である月500億ドル(国債300億ドル、MBSなど200億ドル)に達し、その後毎月500億ドルの資産縮小(量的引き締め)を続けている。
 ダウは直近7月に史上最高値を付けたため認識が薄いが、資産縮小に入った後と前でははっきりした違いが見える。資産縮小策の前2016年~2017年末に1万ドル上昇したダウは、縮小後は2万6000ドルを挟んだモミ合いになっているという事実だ。

 2018年半ばから1年間でマネタリーベースは5500憶ドル(3兆8000億ドルから3兆2500億ドルへ)減少した。FRBから既に発表されているように、この量的引き締め策が10月で終わるのだ。このカネ対株の需給好転が10月以降のダウにどう影響するか。筆者は静かに、そして大きく期待している。
 さて目先は、9月の相場を乗り切れるかどうかが問題だ。2万円台の3点底を維持できるか、最初の関門が26日だ。筆者はワクワクしている。以上のことを勘案、今週の日経平均株価の予想レンジは2万円~2万0700円とする。
平野 憲一 :ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

最終更新:8月26日(月)6時00分

東洋経済オンライン

 

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