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猫も杓子も警戒なら、危機は発生しにくい。もっとも危惧される英ポンド安に変化の兆し

8月24日(土)14時01分配信 ザイFX!

NYダウ 日足 (出所:Bloomberg)
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NYダウ 日足 (出所:Bloomberg)
米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
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米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
陳 満咲杜・8月15日(木)ツイッター画面
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陳 満咲杜・8月15日(木)ツイッター画面
世界の通貨VS円 週足 (出所:ザイFX!)
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世界の通貨VS円 週足 (出所:ザイFX!)
米ドル/円 日足チャート (出所:Bloomberg)
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米ドル/円 日足チャート (出所:Bloomberg)
ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
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ドルインデックス 日足 (出所:Bloomberg)
米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
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米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
ドルインデックス 週足 (出所:Bloomberg)
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ドルインデックス 週足 (出所:Bloomberg)
■相場自体が、誰よりも将来を見極めて値段を形成している
 逆イールドにおびえる市場関係者が多いなか、マーケット全体はむしろ冷静な値動きを示している。米国株は7月高値の回復には至っていないが、一段の反落を回避。米ドル/円も106円台をキープし、保ち合いの状況に留まっている。

 相場に関わると、どうしても予測をしたくなるが、一個人はおろか、たとえウォール街の王者のような機関投資家でさえ、将来を予測できる部分はかなり限られる。

 言ってみれば、相場自体は誰よりも賢く、誰よりも将来を見極めて値段を形成しており、「相場のことは相場に聞く」という言い伝えの真意はそこにあるのではないかと思う。

 前回のコラムでも強調したように、逆イールドがたちまち本格的なリスクオフをもたらすのであれば、米ドル/円の106円台が今、キープされるのはとてもムリなことであり、100円の心理的大台の割り込みがあってもおかしくなかろう。そういった値動きが観察されていないのであれば、市場心理の行きすぎを悟るべきだとも思う。

■猫も杓子も警戒する状況では危機は発生しにくい
 もっとも、逆イールドが必ず本格的な景気後退をもたらすという前提でも、米国株はこれから高値更新ありとみる。

 筆者が8月15日(木)のツイートで述べたように、次のようなロジックや計算ができ、S&P500は3266ドル前後の高値をトライしてもおかしくない(ちなみに、同指数は現在3000ドルの節目手前である)。

 ここで、より大事なのは、米国株の強気変動の終焉が叫ばれることも、別に今始まったことではないということだ。米国株は危ない、もうすぐトップアウトするよ、といった論調は、もう何年も続いてきた。本当のところは、米国株がいつトップアウトするかは誰にもわからず、また、トップアウトを判定できるのも、事前ではなく、事後であることを悟るべきだ。

 そもそも、世界的な景気循環やバブルの崩壊といったマクロ的な予測を、現在、言われている「トップアウト云々」のように、専門家から素人まで口を揃えて指摘できるはずはない。

 2008年のリーマンショックも、ウォール街でも予測できなかったから発生したわけで、現在のように猫も杓子も行く先を警戒する状況では、逆にそのような危機的事象は発生しにくいかと推測される。

 つまるところ、相場は誰よりも賢く、誰よりも「正直」なので、米国株の強気トレンドが崩れていない限り、相場心理の行きすぎを警戒した方がロジック的には正しい。

 米ドル/円で言うと、前回のコラムにおいて再度提示したように、米中対立の激化など諸ファンダメンタルズの悪化があっても、米ドル/円がなかなか2019年年初来安値を割れず、また、2016年6月の英EU離脱決定、2018年3月の米中貿易戦争勃発時に比べ、安値が右上がりの傾向をキープしていること自体、円高の余地が限られていることを示唆するサインとみるべきだ。

■クロス円の円高圧力で米ドル/円も円高に
 前述のように、ファンダメンタルズや市場心理の悪化を受け、本来ならば、米ドル/円がすでに100円の心理的大台を割り込んでいてもおかしくないと思ったのは、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の動向も1つの「根拠」だった。

 主要クロス円が筆者の予想に反して、軒並み2019年年初来安値を割りこみ、円高の圧力が大きく膨らんでいたから、それが米ドル/円に波及していたことは言うまでもない。

 それでも目先、米ドル/円は2019年年初来安値の更新を回避しているから、かなり「奮闘」したとも言え、逆の視点で言えば、円高のピークがすでに過ぎた可能性もある。

 そもそもクロス円における円高傾向は、あえて言うなら円高が「本流」ではなく、外貨安の連れ高が本質的な背景だとみられる。

 外貨安というなら、米ドル全体高(対円を除き)になるほかあるまい。米ドル全体の強気変動は、米国株の強気変動と同じく、実は昨年(2018年)後半から一貫してウォール街の予想と違っていた。

 目先までドルインデックスで見られる強気変動は、なお、クロス円における外貨安・円高の傾向を示し、米ドル/円の106円台後半の保ち合い自体、「よくがんばっている」感を漂わせる。

 言うまでもなく、米ドル全体の強気変動が一段と強まっていくなら、クロス円における円高の圧力が一段と増大し、結果的に米ドル/円を押しさげていくリスクは大きい。

■ドルインデックスはテクニカル的に近々調整ありとみられる
 だからこそ、今一度ドルインデックスの状況をチェックしておかないといけない。細かい話は省くが、大きなサインとしてドルインデックスにおける以下のサインに注意しておきたい。

 テクニカルの視点では、上昇ウェッジは反落しやすく、弱気ダイバージェンスのサインと相まって、近々ドルインデックスに大きな調整ありと示唆。この場合、クロス円における円高圧力を和らげ、米ドル/円の支えになってくるだろうと推測され、米ドル/円は一段と基調を改善しやすいかとみる。

 相場の不思議はいろいろあるが、最も大きなものは巷の常識と反して、「相場の内部構造がファンダメンタルズを決定する」といったところではないかと思う。

 外貨の中で、英ポンド安はもっとも危惧されているが、仮にドルインデックスがここから頭打ちとなり、比較的大きな調整をしてくるようであれば、EU(欧州連合)離脱を巡るファンダメンタルズ上の変化(すでに兆しあり)もみられるかと推測される。

 このあたりの検証は、また次回、市況はいかに。
陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

最終更新:8月24日(土)14時01分

ザイFX!

 

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ザイFX!

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