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50代後半の6割が「親の預貯金を知らない」現実

8月24日(土)5時50分配信 東洋経済オンライン

高齢者の親を持つ子どもは、親の財産管理についてどのように考えているのか実態調査を行いました(写真:Mac/PIXTA)
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高齢者の親を持つ子どもは、親の財産管理についてどのように考えているのか実態調査を行いました(写真:Mac/PIXTA)
明治安田総合研究所は、2019年3月に現在配偶者がいる全国の55~79歳の男女5225人を対象として、「財産管理に関する実態調査」を行いました。厚生労働省によれば、団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年には、認知症の高齢者数が約700万人と、65歳以上高齢者のうちの5人に1人を占めると予測されています。本稿では加齢による認知・判断能力の低下、心身の機能の衰えに伴って、高齢の親自身が財産管理を十分に行えなくなった場合の対応についての子どもの意識と実態を紹介します。
■親の預貯金を把握している割合は? 

 55~69歳の男女に、親の金融資産である預貯金の状況をどの程度把握しているか尋ねたところ、年齢層が高くなるにつれて「把握している」(「全てを把握している」+「おおよそ把握している」)が高くなります。とくに男性は50代後半37.6%、60代後半63.7%と、26.1ポイント高くなっています。

 女性の50代後半は40.1%と、男性(37.6%)よりやや高いですが、60代後半では50.5%で、男性(63.7%)より13.2ポイント低くなります(下図)。親の保険の状況についても預貯金と同傾向ですが、把握割合は預貯金よりも低くなっています(60代後半で男性55.9%・女性49.5%)。
 次に、存命中の親が認知症と診断されていない55~69歳の男女に、親の預貯金や財産について、一部でも管理(支援を含む)しているか尋ねたところ、男女別年齢層別にみると2割弱~3割強が管理(支援を含む)しており、男女共に年齢が高いほどその割合は高くなっています。

■財産管理を始めた理由

 認知症と診断されていない親の財産を管理(支援を含む)している人に、その理由となった親の状態について尋ねました。年齢層別にみたところ、50代後半・60代前半は「その他」を除いて「入院または介護施設に入所・入居した」が約3割で最も高く、「ATMの操作・利用に支障が出てきた」が50代後半21.7%・60代前半27.0%と続きます。
 60代後半は「入院または介護施設に入所・入居した」が45.2%と最も高く、「ATMの操作・利用に支障が出てきた」32.3%、「お金の計算に支障が出てきた」19.4%と続きます(下図)。

 現在、親が認知症ではない55~69歳の男女に、今後親が認知症と診断されることに備えて、親の財産管理を円滑に行えるようにするために、成年後見制度や家族信託(家族に財産の管理を委託する制度)の利用についてどのように考えているか尋ねました。
 年齢層が上がるにつれて、女性ではとくに大きく違いが出ています。女性の50代後半では「利用について準備しておきたいが何をすればよいかわからない」が28.8%と最も高いですが、60代後半では6.3%と22.5ポイント減少しています。

 一方、「利用についてまったく準備するつもりはない」は50代後半が10.5%であったのに対し、60代後半は29.1%と18.6ポイント増加しています(下図)。

■認知症診断前と後ではどちら? 
 次に、成年後見制度や家族信託の利用を考えている人について、法定後見を利用する認知症診断後の対応と、任意後見や家族信託などを利用する認知症診断前の対応とで比較してみました。女性は「認知症診断前に対応」のほうが高く、とくに60代後半では「認知症診断前に対応」39.2%・「認知症診断後に対応」8.9%と差が大きくなっています(下図)。

 それでは、親の財産管理のために、実際に子どもはどのような制度を利用しているのでしょうか。現在、親が認知症と診断されている55~69歳の男女共に「いずれも利用していない」が9割強で、「成年後見制度や家族信託を利用している」(「法定後見制度を利用している」+「任意後見制度を利用している」+「家族信託を利用している」)は、男性8.7%・女性9.7%と1割弱でした(下図)。
■制度利用が進まないのはなぜ

 親が認知症と診断される以前には、それなりに成年後見制度や家族信託の制度について利用の意向はあるにもかかわらず、現実に制度利用が進んでいないのはなぜでしょうか。男女共に「利用する必要性を感じないから」が男性32.1%・女性33.9%と最も高く、「よく知らないから」は男性22.1%・女性18.8%と続いています(下図)。

 政府は6月に「共生」と「予防」を両輪とした認知症施策推進大綱を打ち出しました。今後、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指すこと、また認知症の発症を遅らせ、認知症になっても進行を緩やかにすることが重視されます。
明治安田総合研究所

最終更新:8月24日(土)5時50分

東洋経済オンライン

 

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