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タニタの働き方改革に賛否両論 独立支援制度の目的は?

8月23日(金)16時30分配信 THE PAGE

写真:アフロ
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写真:アフロ
 健康機器メーカー「タニタ」が掲げる働き方改革が賛否両論となっています。社員が個人事業主として独立することを支援し、これまで会社員として行っていた仕事を個人事業主として請け負うというものですが、果たしてこのやり方は、社員の働き方改革につながるのでしょうか。また雇用の維持などで弊害はないのでしょうか。

一旦退職し、会社と業務委託契約を締結

 タニタでは、社員が希望すれば、会社との雇用契約を終了して一旦退職し、個人事業主として会社と業務委託契約を結ぶという制度を2017年から導入しています。

 社員時代の年収をベースに基本報酬を決め、仕事の内容も社員時代に行っていた業務が基本業務としてそのまま委託されます。基本業務に収まらない業務が発生した場合には、追加業務ということになり、成果に応じて成果報酬を受けることができます。

 基本報酬には、社員時代に会社が負担していた社会保険料や交通費、福利厚生費などが含まれますから、会社からもらう金額は社員時代よりも多くなります。一方で、法律上は社員ではなくなりますから、就業時間の縛りはなく、出社や退社の時間も自由に決めることができます。

 自分が勤めていた会社が顧客ではありますが、あくまで独立した事業主としてサービスを提供するという形になりますから、この制度を選択した社員はその日から経営者に転じることになります。サラリーマンの場合、法律で守られる立場であり、給料がもらえることは当たり前のことですから、自分がどれだけの価値を会社に提供しているのか、自分はいくら税金や社会保険料を払っているのかなどについて、ほとんど意識する機会はありません。しかしひとたび経営者になれば、プロとしての自覚が求められますから、よい意味で緊張感を持って仕事ができるようになると考えられますし、自分の今後のキャリアプランについても真剣に計画するようになるでしょう。

突然の契約解除も不可能ではない

 一方でこうした制度に対しては、事実上、会社が雇用義務を放棄しているとの批判もあるようです。タニタ以外の仕事をすることも可能な契約になっているとはいえ、社員時代の仕事を継続するということになると、実質的には、社員に限りなく近い立場と見なすことも可能です。労働基準法の対象にはならないことを利用して、サラリーマンに対しては違法となるような労働条件を押しつけたり、ある日、突然、契約を解除することも不可能ではありませんから、運用には細心の注意が必要でしょう。

 一方、会社側も個人事業主の「社員」とトラブルになった場合、裁判などにおいて実質的に社員とみなされ、私的契約優先の原則が適用されない可能性もゼロではありません。双方の信頼関係が確立し、それなりの能力のある社員でなければ、個人事業主としての業務委託は難しいかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:8月23日(金)17時02分

THE PAGE

 

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