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セミナー講師はストックビジネスになり得るのか? フローをストックにする方法

8月22日(木)21時00分配信 LIMO

写真:LIMO [リーモ]
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写真:LIMO [リーモ]
成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回はフロービジネスをストックビジネスにする方法について考えます。

講師業をストックビジネス構築のテーマとしたが…

私はストック思考を身につけるためのアカデミーを主宰しているのですが、そこでの学びのスタイルは実践型です。公開コンサルを行うという独特のスタイルで、その場でストックビジネスを作るプロセスを公開して参加者に気づきを得てもらうのです。

公開コンサルではこれまで数々のテーマに対応してきましたが、次回を前にして正直悩みました。それは次回の登壇者がセミナーなどの講師業の方だからです。

講師業はその人そのものが商品ですので属人性が極めて高く、当然ながらフロー率も高い。まさに、フロービジネスの代表選手的なものですから、どうすればストックビジネスにできるか高難度のテーマとなりました。

私も頭を切り替えて「むしろこれができれば、他にも応用ができるに違いない」と取り掛かりました。すると、普段考えることのない奥深いところまでストックビジネスの要素について考える機会となったことで、新しい構築ワークが完成したのです。

ストックビジネスの商品サービスを作る2つのアプローチ

そもそも、ストックビジネスの商品サービスをデザインする方法には、2つのアプローチ法があります。一つは「コンテンツの質重視型のアプローチ」、もう一つが「ビジネスモデル重視型のアプローチ」です。

コンテンツ型というのは、BtoCと相性のいい考え方で、コンテンツオーナーの存在から始まります。一方、ビジネスモデル型の場合は経済的な価値、たとえばコスト削減だとか時間短縮だとか、便利になる部分に価値が出てきます。そして、ビジネスモデル型の場合は、BtoBとの相性がいい。

まず、コンテンツ型の場合は属人的な部分が非常に大きいという特徴があります。属人性が高ければ高いほど「売り上げ=自分の労働」になってしまうので、ストックビジネスの定義「その事業は売れますか?」という問い掛けからはかけ離れるわけです。つまりストックビジネスになり難い。

その代わり良い部分もあります。つまり、それはコンテンツオーナーのノウハウなので容易に真似することができないという点です。同じものを作れない、マネしにくいので参入障壁が高いと言えます。

コンテンツ型でのストックビジネス構築のポイントは、権利として自分の強みを残すことです。そのためには、商標登録をしたり、オリジナルのメソッドをきちんと形にして権利と言えるところまで商品化する必要があります。こう聞くと、難易度が高いという意味が分かるかと思います。

ビジネスモデル型の場合は経済的な価値、たとえばコスト削減や時間短縮など、便利になる部分に価値を作る場合が多くなります。また、ビジネスモデル型の場合は参入障壁が低くなりがちなので、それを補うためにスピードも要求されます。そのためには業務提携なども有効に活用するといいでしょう。

もちろん、商標でブランドを作り上げたり、余っている時間や物をシェアするなどのアイデアを活かしてビジネスモデルを完成させ、「便利で使い続ける」というところまで商品サービス提供の仕組みを作り上げていくことが必要です。その結果、コンテンツの所有者ではなく仕組みの提供者となるわけです。

講師業のコンテンツはストックになるのか

フロービジネス領域からストックビジネス領域への流れ
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フロービジネス領域からストックビジネス領域への流れ
話を公開コンサルに戻します。今回のテーマである講師業の場合は、当然「コンテンツの質重視型のアプローチ」になるわけです。そこで悩んだ理由とは、コンテンツの価値だけを皆でああだこうだと議論することにならないようにして、もっと再現性のあるロジカルな結果を求めようとしたことにあります。

好き嫌いが出るのがコンテンツですので、たとえばマイルドなコンテンツより少数を相手にする尖ったものの方がいいこともあるわけです。それを「これはいい、これは悪い」の議論で結論を出すのは実践会らしくないと思うのです。

基本に戻って考えれば、コンテンツもストックになるにはいくつかの要件を満たす必要があります。

貸す、認める、改善する、消費・劣化というストックビジネスの4分野で考えてみましょう。

【貸す】という概念は使えます。コンテンツの所有者なわけですから何等か貸せるものが作れる可能性はあるでしょう。ただ、マネができないブラックボックス的なものを作るということが講師業でできるか? という疑問は残ります。

【認める】ならば、協会ビジネスやフランチャイズのような形にすることはできそうです。しかし、やはりこれは安全パイとして取っておいて、もう少し深堀りしたいところです。

【改善する】という部分ではコンサル系になるのですが、コンサル部分だけをストックビジネスにするのは難しいので、【消費・劣化】の部分もセットにしてメンテナンスや点検するなど定期的に発生するものとコンサルを組み合わせるのはいいだろうと思われます。

ストック思考で考えると、セオリーはこのような感じになります。

ここまで整理して思ったのはこんなことです。講師業はフローかもしれないが、フローでもコンテンツが良いものは良い。そのうえでいかにストックの要素を引き出せるかが重要だと。そして、今回実践会でわざわざ取り上げるからには、フローに近い講師業からストックに移行するもっともっとわかり易いアプローチを発見したいと考えました。

その点を公開コンサルの登壇者と話し合い、ようやく答えに近づきました。それは最初からストック化を考えないことでした。

何が何でもストックにしなくてはとの思いが先行すると、「定額で何かを提供しよう」ということばかりに意識が向いてしまいがちです。しかしそれでは本質を見失ってしまいます。

まずはフロー、ストックにとらわれずに、今提供しているコンテンツの価値を徹底的に確認します。それはお客様にとって再現性があるものなのか、そのコンテンツを学んだお客様には何がもたらされどんな喜びが生まれたのか…。それは金銭による安心かもしれませんし、不安が解消されるような形のない喜びかもしれません。

1回1回、1人1人の結果かもしれないので、この段階ではまだフロービジネスの領域だと思いますが、確実にお客様に価値を提供できることを検証します。

そして提供価値に絶対的な確証を得た段階で試みるのは、「お客様が得た価値を共有する立場」を作ることです。お客様はすばらしい成果を得て大きな価値を享受します。しかしそれは一時のことかもしれません。そこで、せっかく得た大きな価値を維持するために、あなたのコンテンツを必要とするという形にしていくのです。

つまり「お客様が得た価値を共有する立場」として、継続する大きな価値の中から報酬を得るということですが、これこそがコンサルではなくパートナーというストック性の高い立場なのです。いきなり定額ばかり考えてはこの領域に気づきにくいということが言えます。

おわりに

私の主宰する「ストックビジネスアカデミー」では、ビジネス構築の際にセオリーは使っても「他のビジネスモデルの型にはめて良しとしない」ことを重視しています。

なぜなら、型通りであったとしても経営者がやりたくないものを作っては意味がない。続けることでストックビジネスは完成するのですから、世の中のビジネスモデルの模倣ではなく自分の強みを活かすことが大事だと思います。それを確信しながら毎回全力で公開コンサルを行っています。
大竹 啓裕

最終更新:8月22日(木)21時00分

LIMO

 

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