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自動車メーカー、モーターショーから相次いで撤退 かつてのIT業界と同じ状況?

8月22日(木)11時51分配信 THE PAGE

 かつては「世界3大モーターショー」と言われた東京モーターショーに異変が起こっています。今年の秋に開催される2019年のショーでは、海外メーカーがほとんど参加しないことが明らかとなっており、事実上、国内モーターショーとなってしまうのは確実な情勢です。自動車業界に何が起こっているのでしょうか。

台頭するSNSでの情報発信 顧客の購買意欲も変化

東京モーターショー2017の様子(写真:つのだよしお/アフロ)
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東京モーターショー2017の様子(写真:つのだよしお/アフロ)
 東京では2年に1度、自動車メーカーが新型モデルを展示する見本市が開催されてきました。東京の見本市は、世界3大モーターショーの1つに数えられ、自動車業界においてもっとも重要なイベントとされてきました。各社はこれらのモーターショーに合わせて新型モデルを発表し、各国のマスコミが一斉に報道するという流れが確立していました。

 しかし、日本の自動車市場は人口減少からマイナス成長が続いたことで、グローバル市場における存在感が低下。最近では、中国市場の台頭から上海モーターショーを重視するメーカーが増えてきました。しかしながら、東京モーターショーにはそれなりの歴史と権威があるため、多くのメーカーが出展を続けてきましたが、ここに来て、海外メーカーが相次いで撤退するという事態になっています。

 実は、このところモーターショーへの出展を取りやめるというのは、東京だけの話ではなく、欧州や米国なども含め、各国共通の現象となっています。最大の理由は、ネットの発達でSNSを使った情報発信が重視されるようになったことです。加えて「所有から利用へ」という言葉に代表されるように、クルマという商品が持つ意味や、顧客の購買意欲が変化していることも、モーターショーの形骸化に拍車をかけているといってよいでしょう。

かつてIT業界でも起きた見本市離れ その結果…

 一連の動きは、クルマという商品がいよいよコモディティ化したことを象徴していると考えられますが、かつて同じような出来事がIT業界でも発生していました。

 IT業界にまだ高い付加価値があった1990年代、米国ラスベガスで開催されるコンピュータ見本市「コムデックス」は、すべての業界関係者にとってもっとも重要なイベントでした。当時はまだベンチャー企業だったソフトバンクは、経営体力ギリギリの資金調達を行ってコムデックスを買収しましたが、それはIT業界の中心地に一気に攻め込むことが目的でした。世界でもっとも重要なIT見本市のオーナーになったことで、同社の孫正義社長は、マイクロソフトのビル・ゲイツ元会長ら業界の重要人物とサシで話をすることが可能となり、大きなチャンスを掴むことに成功しました。

 しかし、コムデックス自体は、ITビジネスがコモディティ化するにつれて凋落が進み、役割を終えたと判断したソフトバンクはコムデックスを売却。2003年に幕を閉じました。現在、コムデックスは形を変えて復活していますが、もはや当時の影響力はありません。

 展示会や見本市の隆盛はその業界の動きと密接に関係しています。各地のモーターショーの凋落が始まったということは、自動車業界もいよいよIT業界のような価格勝負の世界に突入しつつあることを示しているとみてよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:8月22日(木)12時16分

THE PAGE

 

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