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「妙に威嚇してくる上司」実は味方につけやすい

8月19日(月)5時30分配信 東洋経済オンライン

威圧的な上司、うまく付き合うにはどうしたらいい?(写真:プラナ/PIXTA)
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威圧的な上司、うまく付き合うにはどうしたらいい?(写真:プラナ/PIXTA)
会議室に入ると、腕組みをしてじっとにらみつける上司。言わなくてもいい一言をストレートに口にして、場の空気を凍りつかせる部下……。こうした職場の「困った人」「苦手な人」に振りまわされて、仕事が思うように進まないことはないだろうか?  『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』の著者、片桐あい氏が、「エニアグラム」を用いた性格タイプ分析で、職場の人間関係の問題を解決する最適な方法をお伝えする。

■9つのタイプに「苦手な人」を分類してみる
 「エニアグラム」とは、個人の特性を9つのタイプに分類する性格診断で、いまから約2000年前に誕生し、当時のイスラム周辺の王家に口伝されてきた帝王学だ。その後、ヨーロッパに広まり、いまではビジネスにも応用できる学問として、スタンフォード大学のMBAの教科だけでなく、CIA(アメリカ中央情報局)の研修にも取り入れられている。

 そんなエニアグラムを用いて職場の「苦手な人」を分類すると、以下のような9タイプに分けられる。
タイプ1 = 自己流完璧主義タイプ
タイプ2 = おせっかい・干渉タイプ
タイプ3 = 自慢・手柄横どりタイプ
タイプ4 = 個性的すぎる・嫉妬タイプ
タイプ5 = 分析・評論タイプ
タイプ6 = 石橋をたたいて渡らない・風見鶏タイプ
タイプ7 = あきっぽい・言い訳タイプ
タイプ8 = 勝ち負けにこだわる・力ずくタイプ
タイプ9 = はっきりしない・ぐずぐずタイプ
 相手のタイプを知り、それに適した問題解決の手法を実施すれば、相手に対する苦手意識が消え、さらに、あなたの強力な味方になってくれるだろう。例えば、冒頭に登場する「腕組みをする上司」と「空気を読まない発言をする部下」は、エニアグラムのタイプ分けによると、ともに「タイプ8:勝ち負けにこだわる・力ずくタイプ」に当てはまる。
 本当は優しく、弱い者を守る親分肌のところがあり、短い言葉でズバっと本質をつくような発言ができるタイプ8。しかし、初対面の人や信頼関係ができていないと、相手には威圧的な態度に見えてしまうことがある。本人にはまったく悪気はないのだが、無意識のうちに相手をじっと観察して自分の領域に入ってこられないように、予防線を張るようなところがあるのだ。

 だから、もし相手が遠慮なくその予防線を越えるようなことがあれば、応戦する覚悟があることをボディーランゲージで伝えてくる。つまりそれが、腕組みや、視線の鋭さとして表現されるのである。
 とくに、次の3つの傾向を読みとった相手には攻撃をしかけてくることがあるので要注意だ。

① 自分と同じくらいの力を持っている人
② 自分よりも弱く見えるけれど、自分に挑んでくる人
③ 自分よりも強いように見えるが、自分が勝てそうな領域がある人

■タイプ8の上司は「孤立」しがち

 このような人だと思うと、つい、攻撃のスイッチが入ってしまい、相手に対して挑むような姿勢で臨むことがある。

 しかし本当は、彼らは「弱い自分」を知っていて、それを見透かされないために自分をより大きく強く見せているだけなのだ。そのために、つねに予防線を突破されないように、また、弱い自分を知られないように、必死にガードしているだけなのである。
 以前、タイプ8のクライアントにインタビューした際、こんなことを言っていた。「自分の周りには、人が入ってこないように地雷を埋めている」のだと。「一歩でも入ってきたら爆発して、あなたも私も吹き飛ぶから」と。この例は、タイプ8の特徴をよくつかんでおり、タイプ8の防御姿勢と攻撃性を表現した言葉である。

 タイプ8の上司は孤立しがち。もしくは、一部の慕ってくる部下だけが取り巻きになっているケースが多い。それ以外の部下が憎いわけではないのだが、つい、自分を頼りにしてくれる部下を守ろうとする意識が働くのだ。そうであれば、「苦手だ」と思って避けるよりも、思い切って近づいて懐に入ってしまったほうが相手との関係は絶対にうまくいく。
 具体的に、タイプ8の警戒心を解くには、上司のすばらしいところを見つけて、ほめて、頼りにしているという態度を示すこと。彼らは、自分の傘下に入った者は大事に守るので、例えばあなたが理不尽な理由をつけられて、別の部署との交渉がうまくいかなかった場合などには、本領を発揮する。短い言葉でスパッと言い切り、あなたの欲しい結果を手に入れてくれるだろう。

 「弱きを助け、強きをくじく」ところがあるので、ピンチには役に立つ上司となって助けてくれることだろう。だから勇気を出して、一歩近づくことが大切だ。
 一方、タイプ8の部下とはどう付き合うべきか。彼らが人から最も見られたくないのは、弱い自分である。自分が強がることで自分のプライドを支えているので、ありのままの自分を見せることにはものすごく抵抗感があるのだ。だからこそ、それを逆手にとり、まずはあなたの弱いところや仕事上の失敗体験などを共有することが有効。

 例えば、次のような自己開示をし、最後に相手からも自己開示が引き出せれば最強だ。

● 私があなたくらいの年齢のときには、こんなことがありました。
● 失敗から学んだことが、いまも教訓になっているのですが……。
● ○○さんも同じような経験はありますか? 

■タイプでレッテルを貼ってはダメ

 こうした会話を通して、自分のネガティブな経験や恐れなどを共有してみる。そうして相手の共感を得て、相手からも不安なことや苦手なことを聞きだせればしめたもの。いったん心を開けば、相手は頼りにしてくれるようになり、さらに、あなたのピンチのときには立ち上がってくれる「最強の味方」になってくれることだろう。
 冒頭のエニアグラムの各タイプには、もちろんネガティブな面もあれば、ポジティブな面もあり、過去の経験や現在の仕事の状況により、自分自身の気質のよい面や悪い面が出る。

 まずは、9つの性格の特徴を理解したうえで、「この人はどんなタイプなのか?」と、興味関心を持って近づき、9つのタイプで分類すれば、相手のタイプの特徴に気づき、お互いの距離は縮まっていくだろう。くれぐれも、タイプでレッテル貼りをして「だからタイプ8は苦手だ」などと避けることはせず、タイプ8のよいところを見つけてほしい。
 いったん、9タイプに分けてその人の性格的な概要を理解することができるようになれば、その先は、タイプから離れてその人個人のポジティブな面にフォーカスしよう。タイプはあくまでもタイプであって、その人自身ではない。

 タイプを分けることを目的にせず、「自己理解(どんな色眼鏡を通して自分は相手を見ているのだろうか? )」と、「他者理解(相手は何を大切にしているのだろうか? )」を通じて、その先によりよいコミュニケーションが生まれ、人間関係の問題が解決するのである。
片桐 あい :カスタマーズ・ファースト代表取締役、産業カウンセラー

最終更新:8月19日(月)5時30分

東洋経済オンライン

 

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