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夫婦の働き方で老後に「3000万円の差」がつくことをご存じですか?

8月19日(月)11時30分配信 SODATTE

(写真:SODATTE)
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夫婦の働き方が多様化する中、実はどういう働き方を選ぶかによって、老後資金に大きな「差」が出ます。例えば「1.会社員の夫と専業主婦の妻(片働き世帯)」と「2.会社員の夫と会社員の妻」と比べると、老後資金に3000万円の差が出る可能性が。人生100年時代を生きるための備えを作るために、どのような働き方を選んで夫婦のキャリア形成を考えるのがベストなのでしょうか。フィナンシャル・ウィズダム代表の山崎俊輔氏に聞きました。

老後の資金を考えるなら「正社員を辞めない」選択肢を

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多くの女性が働いている世の中になりました。総務省統計局の調査によれば、20歳代後半~30代前半の女性の就業率は、2018年に77.6%にもなりました。これは、この10年で約11%も上昇していることになります。

これは結婚と子育てを行なう年代の就業率がぐぐっと下がる「M字カーブ」の解消にもつながりました。結婚や子どもの誕生を機に離職をすることが当然という社内風土は薄れ、女性もひとりの戦力として働き続けられる世の中になってきたわけです。

しかし、「働き方」で見ると25~34歳の年代では正社員のほうが多数になるものの、35~44歳の年代では非正規の割合が高まり、「正社員から非正規へ」働き方が変化している現状もあります。

正社員で働き続けるには、企業や家族の理解を更に深める必要があるのかもしれませんが、読者の皆さんにはぜひ「正社員で働き始めたら、辞めない」ことと「非正規で復職したら正社員を目指す」ことを念頭に働いてほしいと思います。

時間の都合がつきやすい、あるいは社会保険料負担や税負担が少ないからと非正規で働いていると、正社員の場合と比較したときの収入差が生涯に亘って影響してくる可能性があるからです。

正社員と非正規間には、現役時代から経済的な差が生じる

子育て世帯にとって正社員を続けることは大変な場合もありますが、経済的には大きな余裕が生まれます。

一度正社員を離れてパートやアルバイト、派遣社員になると、正社員とは賃金体系や福利厚生などの諸条件が大きく異なってきます。ボーナスも支給されないことが多いです。あまりにも不公平な状態が問題視され、法律改正(同一労働同一賃金という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう)が行なわれたり、裁判が相次いでいるほどです。

一般に非正規の場合、年齢で給与が上がることがなくなるので、長く働くほど差が広がっていきます。この差は標準的なキャリアであればどんなに少なく見積もっても1億円近くになります。

「夫の扶養に入れば社会保険料を払わなくていいのでは」と年収100万円程度に抑えて働くより、子育て中に時短を利用しながらでも正社員としての年収を確保し続けるほうが、手取りベースでは上回りますし、長い目で見てプラスになります(老後につく「差」についてはこのあとすぐ説明します)。

ところで「正社員」という働き方は、自分で辞めない限り会社が辞めさせることは難しいように法律はできています。結婚や産休・育休を理由に辞めさせることはできないため、自分で辞表を出さない限り正社員として働き続けることができるのです。

そしてもっと大きな差は老後にやってくる 軽く3000万円になることも!

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しかし、正社員で働き続けるには苦労も伴います。収入が増える一方で支出もどうしても増えますし、なかなか貯蓄ができない日々が続きます。家事育児と仕事の両立で苦労したり、家庭内でケンカをしたりすることもあるはずです。

それでも「老後資金」のことを考えるなら、やはり正社員で働き続けることをオススメしたいです。現役時代に毎年の年収差があったのと同様に、正社員夫婦とそうでない働き方(片働き夫婦)との間に起きる差は、定年後もついて回ることになります。

まず大きな違いは退職金です。一般に退職金は正社員だけのものです。派遣社員やパート、アルバイトには不支給であるのがほとんどの会社の実態です。支払う例があっても少額にとどまります。

退職金の金額は中小企業で500~1000万円、大企業だと2000万円以上にもなりうる水準なので、これを「夫婦がふたり分」もらう場合と、「夫だけひとり分」もらう場合とでは大違いです。

働いているあいだは実感しにくいのですが、退職金はある種の「強制貯蓄」の性格があります。全額を給料でもらってしまうと使ってしまうので、会社が取り置いてくれて辞めるときにまとめて払ってくれるお金ということです。退職した後にそのありがたさがしみるはずです。

次の大きな違いは公的年金です。パートやアルバイト、専業主婦は年金をもらえるものの、国民年金(老齢基礎年金という)の分だけにとどまります。しかしフルタイムに近い働き方をしていた派遣社員と正社員については厚生年金保険料を納めていたので、年金額も大幅に増額されます。

正社員をずっと続けた場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合計して老後の年金は月15.6万円くらいです。満額の老齢基礎年金は月6.5万円になります。このとき

共働き 合計 月31.2万円(15.6万円×2人分)
片働き 合計 月22.1万円(15.6万円+6.5万円)

ということになります。女性の老後は結構長く、今でも65歳女性の平均余命は24.4年(89.4歳)であり、女性の4人に1人は95歳でもまだ存命です。これからの時代、老後が30年あることはまったくおかしい話ではありません。

このとき、毎月9万円ほど、年109万円くらいの差が20年以上続くと単純計算すれば老後の生活には大きな差が生まれます。女性の平均余命24.4年で単純計算すればなんと2660万円もの差になるほどです(実際には夫に先立たれた場合、遺族年金になるため計算方法が変わりますがここでは略します)。

ちなみに公的年金は長生きする限りずっと支給が継続される終身年金の形式を取っていますから、30年長生きすれば30年分、40年長生きすれば40年分受取り続けられます。もしかしたら4000万円以上の年金差になる可能性もあるわけです。

実は冒頭に記載している「老後に3000万円の差」というのは少なく見積もってもこれくらい違いが出るという数字なのです。

もちろん子育ては大変だから、絶対に家族を巻き込むこと!

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といっても、このテーマは「夫婦、ふたりでしっかり考えていく問題」です。

女性が働き続けるようになり、夫婦の合計年収の3分の1以上を占めるようになった(4割くらいが多いと言われます)ということは、男性の稼いでいる割合は6割くらいまで下がっているとも言えます。

ところが家事や育児の分担については見直されず、大半を女性が担当する、ということも。ある調査ではほぼ半数の男性が家事担当は2割以下だったそうです。平均でも3割で、これでは女性が働き続けるのは難しいです。

夫婦が共働きをがんばり続けるカギは、子育てや家事を夫婦で協力して行なう環境を作ることかもしれません。

幸いにして働き方改革の一環で残業を減らそうという動きや、有休取得を促す流れもあります。時には地域の子育て支援サービスやベビーシッターを利用するのも良いかもしれません。

また収入が増えた分、洗濯乾燥機や食洗機、ロボット掃除機などの時短家電を導入して家事の負担軽減をしてみるのもいいアイデアだと思います。

老後を迎えたとき、片働き世帯の場合「そんなに贅沢をしてきたわけじゃないのに、老後も余裕はないんだね……」となる方が多いように思います。

共働き世帯の場合、もしかすると「老後にはちょっとお財布にも余裕があるし、旅行も趣味も楽しみたいね」となるかもしれません。

その差がもし生じるとしたら、それは「共働きで正社員として働いてきたか」ということも大きな要因だと思います。「ゆとりある老後」を考えるなら、それも意識していただければと思います。

<専門家プロフィール>

●文/山崎俊輔(やまさきしゅんすけ)

フィナンシャル・ウィズダム代表。連載12本を抱え月100万PV以上を稼ぐ人気ファイナンシャルプランナー。一歩先んじた着眼点でお金のテーマを語る切り口が好評。近刊に『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』(日経BP社)など。5月29日に最新刊『スマホ1台で1000万円得する! マネーアプリ超活用術』発売。

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・投資判断の参考となる情報提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではありません。
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商号等:大和証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第108号

最終更新:8月19日(月)11時30分

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