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燃料規制強化で再脚光、「自動車軽量化関連株」が疾走へ <株探トップ特集>

7月24日(水)19時30分配信 株探ニュース

経産省と国交省が新たな燃費基準を打ち出した。これに伴い二酸化炭素の排出量削減やEVの航続距離延長のカギを握る自動車軽量化関連が改めて注目される可能性が高まっている。
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経産省と国交省が新たな燃費基準を打ち出した。これに伴い二酸化炭素の排出量削減やEVの航続距離延長のカギを握る自動車軽量化関連が改めて注目される可能性が高まっている。
現在値
帝人 2,078 +16
クラレ 1,360 +2
三井化 2,501 -24
三菱ケミH 811.2 +2.1
児玉化 531 -6
―新燃費基準に関連する法令改正近づく、素材関連企業に訪れる新たな商機―

 エネルギー政策や地球温暖化対策の観点から、経済産業省と国土交通省が新たな燃費基準を打ち出した。これは2030年度までに16年度と比較して約3割の燃費改善を求める内容で、19年度中をメドに必要な法令改正などを行う。新基準では従来のガソリン車に加え、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)が企業別平均燃費値の算定対象となっており、二酸化炭素の排出量削減やEVの航続距離延長のカギを握る要素のひとつである「自動車軽量化」関連株に注目したい。

●自動車燃費3割改善を義務化

 経産省と国交省は6月3日に行われた燃費規制に係る審議会での意見を踏まえ、同月25日に「乗用車の新たな燃費基準に関する報告書」を公表した。新基準は30年度を目標にガソリン1リットル当たりの走行距離を25.4キロメートルと16年度実績から32.4%改善することを義務付け、各自動車メーカーに全販売台数平均での達成を望んでいる。

 これをクリアするためにはEVやPHEVの販売台数を増やす必要があり、政府は新燃費基準を通じて国内新車販売に占める割合を30年に全体の20~30%に高めたい考えだ。新基準ではEVやPHEVも規制対象となり、電気を製造する際のエネルギー消費量を反映するかたちで燃費を算出。これにより、1回の充電で走行可能な距離を延ばすなどの性能向上が必要不可欠となる。

 ただ、これまで燃費改善に相当な資金と労力を費やしてきた自動車メーカーにとって更なる3割改善のハードルは高い。当面は従来のガソリン車が新車販売の主流になることからも新基準達成は非常に厳しいと言わざるを得ず、燃費消費量や排出ガスを削減するためには車体の軽量化が急務となる。また、車体の軽量化は航続距離に課題を抱えているEVの普及を加速させる可能性もあり、素材などを手掛ける関連銘柄の動向から目が離せない。

●帝人は豪企業とEV軽量化に向け合意

 直近では帝人 <3401> が豪スタートアップ企業のAEVロボティクスと、低速電気自動車(LS-EV)の軽量化に向けた共同開発を実施することで合意したと発表。AEVのEV技術と帝人の高機能素材や複合化などの軽量化技術を組み合わせる。また、チェコの自動車向け複合材料部品メーカーのベネット・オートモーティブを子会社化することも明らかにしている。

●三菱ケミHDはSMC製造設備を新設へ

 三菱ケミカルホールディングス <4188> 傘下の三菱ケミカルは、炭素繊維複合材料のシートモールディングコンパウンド(SMC)の生産拠点をイタリアに新設する計画を公表した。この材料は既に国内で自動車のドアインナー・ラゲッジインナーやバックドアの構造材などに採用されており、欧州車メーカーの需要を見込んで20年9月に稼働する予定だ。

●クラレはデトロイト事務所を開設

 クラレ <3405> は車体軽量化につながる高耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」などの拡販を目的に、米国ミシガン州ノバイにデトロイト事務所を開設。三井化学 <4183> は車体軽量化に貢献するポリプロピレン(PP)コンパウンドの生産設備をタイに増設し、20年6月から営業運転を開始する。

●ダイヘンは阪大と溶接技術研究所を設立

 また、丸紅 <8002> がオーストリアのアルミニウム圧延企業であるオーストリアメタルAGと自動車向けアルミ材の拡販で協業することで合意したほか、ダイヘン <6622> は大阪大学と車体軽量化の溶接技術を開発する研究所を設立。東芝機械 <6104> は先進自動車での軽量化ニーズを見据え、車体構造部材などの薄肉・大型製品の成形に適した大型ダイカストマシン用の新型射出システムを開発した。

●児玉化学、北川精機、三桜工などにも注目

 このほかにも、軽量でありながら金属並みの剛性を持つガラス繊維マットプレス工法が「LEXUS(レクサス) LS」に採用された実績のある児玉化学工業 <4222> [東証2]、多種多様な車両部品のプラスチック化を実現しているタカギセイコー <4242> [JQ]、車体部品の樹脂化が強みのダイキョーニシカワ <4246> 、アルミ材加工やハイテン材(高張力鋼板)などの加工技術を持つジーテクト <5970> 、ガス軟窒化処理という方法で部品の軽量化につながる処理方法を確立しているオーネックス <5987> [JQ]、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)積層成形用プレス装置などを手掛ける北川精機 <6327> [JQ]、冷却水用樹脂チューブが「LEXUS LS500」に採用された実績のある三櫻工業 <6584> などにも注目しておきたい。

●大王紙は車体向けにCNFを提供

 車体軽量化を実現する新素材として期待されるセルロースナノファイバー(CNF)関連株も要マークだ。この素材は植物繊維由来であることから生産・廃棄に関する環境負荷が小さいことに加え、鉄鋼の5分の1の軽さで、強度が同5倍以上あり、熱による変形が小さい(ガラスの50分の1)という優れた特性を持つ。

 関連銘柄としては、王子ホールディングス <3861> 、日本製紙 <3863> 、北越コーポレーション <3865> 、中越パルプ工業 <3877> 、第一工業製薬 <4461> 、星光PMC <4963> など。

 大王製紙 <3880> は6月に開催された米国のカーレース「パイクスピークインターナショナルヒルクライム」に出場した日本チーム「SAMURAI SPEED」(東京都港区)に、CNFを使用したシート成形体「ELLEX-M」を軽量化ボディパネル製作用に提供した。

株探ニュース(minkabu PRESS)

最終更新:7月25日(木)9時15分

株探ニュース

 

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