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日本初! まったく新しい仕事、「ボードゲームソムリエ」という生き方

7月22日(月)6時01分配信 ダイヤモンド・オンライン

写真:ダイヤモンド・オンライン
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 仕事がないなら、つくればいい!
働き方改革、副業解禁。好きなことを仕事にするとは聞くけれど、自分には無理と決めつけていませんか? 著者もかつては「好きなことを仕事に」とは思えなかった、ふつうの人でした。経歴なし、留学なし、壮絶経験なし。流されて就職するもたった2ヵ月でギブアップ。そんなふつうの人が、どのように好きなボードゲームを突き詰め、強みを仕事に変え、好きなことで「食える」ようになったのか……。
この連載では、『戦略と情熱で仕事をつくるーー自分の強みを見つけて自由に生きる技術』から一部を編集してご紹介します。

● 小さいころ好きだった 「ボードゲーム」を仕事に!

 「好きなことで生きていく」
 そんな風に言えるのは、たった一握りの「何者か」である特別な人だけ。
 だから、どうにかして何者かになりたいと、僕はずっとそう思っていました。

 今、僕は29歳です。平均的な、いわゆる普通の人生を送ってきました。
 高校まで公立で、まあまあの私立大学に進学。海外留学に行ったこともなければ、何かのチャンピオンになったことがあるわけでもありません。

 ただ、好きなことはありました。それは、アナログな「ボードゲーム」です。
 ボードゲームとは、日本人であれば『人生ゲーム®』を思い浮かべてもらえれば、わかりやすいと思いますが、ネットやテレビなどを電気を使わずに行うゲームのことです。
 僕は6歳でその『人生ゲーム®』にハマり、以来、ずっとボードゲームに夢中でした。

 日本だけでなく海外のゲームにも興味が湧き、おこづかいやお年玉などは、すべてボードゲーム購入に使い、さらに学校で良いことをして表彰されたり、テストで良い点を取ったときに親からもらった臨時収入も、すべてボードゲームにつぎ込みました。

 それでも足らずに「この間もらったお年玉で、あのゲームを買おうよ」と、弟や妹をそそのかして、自分の欲しいボードゲームを買ってしまうということも…。そして、このようにハマりにハマった結果、僕は中高生の頃から何百個ものボードゲームを持つような子どもでした。

 そして、年齢が上がるにつれて、できればボードゲームにかかわる仕事がしたいなあと漠然と思っていましたが、そもそもニッチな世界だったため、仕事のイメージもわきませんでした。

 でも、僕は今「ボードゲームソムリエ」という肩書きで、さまざまな企業からボードゲーム開発のオファーやボードゲームを紹介する仕事をいただいています。大学を卒業してIT企業に就職したころには考えもつきませんでしたが、大好きなボードゲームに関する仕事だけで人生を楽しみ、充実した日々を過ごすことができているのです。
 日本でこのボードゲームを作ったり、関連した仕事だけで「食えている」人は、ほとんどいないでしょう。こんな普通の僕が、気づいたら新しい仕事をつくっていたのです。

● 世界的に有名な著書を ボードゲーム化する!

 僕が「ボードゲーム」に関する仕事だけで食えて行けるようになった、そのきっかけは、世界で3000万部、日本でも220万部以上売れている、成功者の習慣を記した『7つの習慣』という本。その本の世界を体験するボードゲームを制作したことです。

 このゲーム作成のために、僕は、今から4年も前の2015年当時、あまり知られていなかったクラウドファンディングで1200万円以上を集め、制作、そして販売までこぎつけました。

 さらにその結果があって、原泰久先生の漫画『キングダム』のボードゲーム制作をしたり、『マツコの知らない世界』に人生ゲームに詳しい人として、出演もできました。今では、ボードゲームに詳しい人ということでテレビや雑誌、ネットなどに登場したり、最近では、中学生に仕事や将来について話すという機会をいただいたり……と活動が広がり始めたのです。
● 流されて就職しても、 結局は続かなかった

 前ページで記載した通り、僕は今では好きなことを仕事にできていますが、この新しい仕事をつくり出すまでに、いろいろと紆余曲折を経験しています。

 僕は大学時代から、数多く存在するボードゲームをセレクトし、紹介する「ボードゲームソムリエ」を名乗っていました。
 ボードゲーム会などのイベントや、経営者の方たちに呼ばれて、その会の趣旨に合ったゲームを紹介していたのですが、学生の頃にはそれで収入を得られたことはなかったので、肩書きはつけていても、それで「食えて」いけるとはまったく思っていませんでした。

 そして結局、流されて他の同級生と同じように、大手の一部上場企業へ就職します。けれど、「これは自分のやりたい仕事ではない」「この会社にいたら、息が詰まってしまう」と、たった2ヵ月で辞めてしまったのです。新卒入社では、ありがちなことかもしれませんが、僕は、後先考えずに飛び出してしまいました。

 その後、まったく収入がなかったりして、辞めなきゃよかった……と後悔もしました。そして、自分はボードゲーム以外のことは、社会人としてまったく適合できないと悟ったのもそのころです。仕事を転々として、いつもお金がありませんでした。

 電車代を浮かせるために徒歩や自転車で移動、賞味期限切れ寸前の一斤50円の食パンを買って冷凍し、それで何日も食いつないでいたこともあります。それでもボードゲームで何者かになりたい、好きなことを仕事にしたい、そう思っていたのです。

● 「なぜ、世界一を目指さないの?」 そんな言葉で覚悟が決まった

 そんな迷走をしていたときに、大学時代にお世話になった、尊敬している経営者である前田一成さんという方と会う機会がありました。そして、僕の置かれている状況を知ってか知らずか、前田さんはこう言いました。
「ボードゲームは松永くんの強みだよね。私は、君がそのボードゲームで世界で一番 になれる可能性のあるポジションにいると思う。なのに、なぜそれを目指さないんだい?」

 僕はそれを言われたとたん、え? と、思いました。
 もしかして、僕は世界一になれる?
 自分の好きなことで、世界のトップになれる?
 その可能性がある?

 「世界一」という強烈な言葉は、それだけで輝いて見えました。単純かもしれませんが、悩んで行き先を迷っていた僕には、お告げのような気さえしたのです。

 そして、彼は世界一というゴールを見せてくれたのと同時に、「中途半端な気持ちでやるんだったら、やめておけ。本気の覚悟がないならボードゲームを続ける意味はない」と、そんなことも言ってくれました。
 そのとき、僕は、「ここまで言ってくれる人がいる。確かにこのままの中途半端な覚悟なら、これ以上やっても大したモノにはならないだろう。でも……僕はボードゲームを辞めたくない。世界一を目指したい」。
 そう思いました。

 だったら、覚悟を決めてやろう。今日から。今、この瞬間から。
 僕は、その場で「ボードゲームで世界一になります」と宣言をしました。そして、そこから僕の言動が大きく変わっていったのです。

● 本気の覚悟と、  それを伝え切る情熱があればいい

   その日から、僕は、「世界一になる」ためにはどうしたらいいのかと戦略を練りました。お金もなく、実績もない。あるのは情熱だけ。

 僕は、行動し続けました。ボードゲームを武器に戦略を立てて、5000人以上の人と出会い、アドバイスを受け、自分自身も変わっていきました。そしてついに世界で有名な『7つの習慣®』をゲームにするというチャンスをモノにしたのです。まさに情熱だけで。それは25歳のときでした。

 いろいろと回り道をしましたが、結局、自分の強みを自覚して「覚悟」さえ決めれば良かったのです。ただしその覚悟は「本気の覚悟」でないと、自分でも、自分を信用できないし、誰も協力はしてくれません。そして、その覚悟を周りに伝え切る「情熱」。さらに世界一になるための「戦略」。

 だから「何者かになる」というのは、そんなに重要ではありませんでした。
 卵が先かニワトリが先か、と同じで、目標を決め、情熱を持って行動することで、その行動が加速し、気づいたら僕は「あの人は、ボードゲームの人だ」とブランディングされるようになっていたからです。
 僕の場合の「覚悟」、それは、世界一になるという覚悟です。そしてボードゲームで世界を変えるという本気の覚悟でした。
 だから、僕はこの本で、それを伝えたいと思っています。

 まったく普通の、お金持ちでもなく、華麗な経歴も人脈もなかった僕が、どうやって好きなことを仕事にできたのか。これは、やり方さえ合っていれば、いろいろとアレンジできると思っています。
 今、この本を読んでいるあなたにもできると信じています。なぜなら、好きなことがないという人はこの世にいない。突き詰めれば必ず誰もが好きなことを持っているからです。そして、この本を読んだことで、僕のように紆余曲折しないで、最短で「好きなことを仕事にする」ということを成し遂げられるかもしれません。

 人生は一度きり。今、世の中にない仕事でも、その需要があれば、自分の好きなことで食べていけるようになります。
 この本が、みんなの一歩を踏み出すきっかけになったらいいなという思いをこめて。
松永直樹

最終更新:7月22日(月)11時30分

ダイヤモンド・オンライン

 

情報提供元(外部サイト)

週刊ダイヤモンド

週刊ダイヤモンド

ダイヤモンド社

19年8月24日号
発売日8月19日

定価710円(税込み)

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