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牛丼「超特盛」効果! 吉野家HDの業績が急回復、株価も大幅上昇

7月19日(金)20時00分配信 LIMO

上昇の波に乗った吉野家HDの株価、連日で年初来高値を更新

写真:LIMO [リーモ]
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吉野家HDの過去1年間の株価推移
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吉野家HDの過去1年間の株価推移
大手牛丼チェーン店「吉野家」や讃岐うどんチェーン店「はなまるうどん」等を運営する外食チェーン店持株会社「吉野家ホールディングス」の株価が好調です。

年明け以降、同社の株価は概ね1,700~1,900円のレンジ内を推移していましたが、7月10日に昨年9月以来となる2,000円超えとなり年初来高値を更新。

その後も上昇が続き、7月17日にはザラバで2,198円まで上昇、連日の年初来高値更新となっています。18日は市場全体が大幅調整となったあおりを受け、終値は▲1%弱の下落となりましたが、他の外食株と比べても底堅さが目立ちました。

また、注目すべきは、7月10日以降の出来高の多さです。それまで日々の出来高は概ね20~30万株程度でしたが、10日は300万株超の大商いとなり、11日は約243万株、12日は約101万株、3連休明けの16日は約120万株の商いとなりました。

この出来高を伴った株価上昇は、新たな買い手(投資家)が増えており、吉野家HDに対する評価が従前より大きく高まったことを意味しています。

第1四半期決算でいきなり通期計画を達成する増収増益に

今回の株価上昇のきっかけは、間違いなく、7月9日に発表された2020年2月期の第1四半期(3-5月期)決算でしょう。売上高は528億円(対前年同期比+6%増)、営業利益は10億円(前年同期は▲2億円の赤字)、最終損益は11億円(同▲4億円の赤字)の増収増益となりました。

しかも、吉野家HDが公表している通期(1年間)の会社予想は営業利益10億円、最終利益3億円ですから、最初の3カ月間でいきなり会社予想を達成したことになります。

確かに、元々の会社予想が保守的(低過ぎた)だったことは考慮しなければいけませんが、当初の会社計画以上に好調に推移していることは間違いないと見ていいでしょう。

昨年度は多額の最終赤字に転落、わずか3カ月で何が起きたのか?

ところで、吉野家HDの昨年度(2019年2月期)の業績は大変厳しい結果となりました。主力の「吉野家」を始めとする各事業において、売上の伸び悩みに加え、人手不足等に伴う一連の人件費上昇の影響から収益は大幅悪化を強いられました。

営業利益は、その前年実績(2018年2月期)の約40億円から一気に約1億円(同▲97%減)へ激減し、減損損失を計上した最終損益は▲60億円の大赤字に陥りました。

言うまでもなく、これは深刻な業績悪化です。しかし、それからわずか3カ月、一体何が収益回復の牽引役になったのでしょうか。

もちろん、多額の最終赤字を計上したのですから、厳しいコスト削減を実施したのは容易に想像できます。ただ、注目すべきは、第1四半期の売上高が+6%増と、外食産業としては大幅増収になった点です。コスト削減だけでは売上高は伸びません。

大ヒットの「牛丼 超特盛」が大幅増収を牽引、牛丼では28年ぶりの新サイズ

やはり、何か大幅増収をもたらす要因がありそうです。結論から言うと、これは3月から吉野家で販売を開始した「牛丼 超特盛」と考えられます。

吉野家で牛丼の新サイズが発売されるのは、1991年に登場した「牛丼 特盛」以来28年ぶりとなりますが、予想以上の大ヒットになっている模様です。既に1カ月後には早くも100万食を突破し、その後も順調に伸長していると見られます。

この「超特盛」は、牛肉が大盛の2倍、ご飯は大盛・特盛と同様のボリュームで、まさしく“メガサイズ”のメニューです。価格は780円(税込)ですが、これは並盛(380円)の2倍超です。

単純には判断できませんが、一般的には、高価格商品ほど利幅(マージン)も大きいと考えられます。特に、吉野家のようなファストフードではこの試算は当てはまりますし、業態は違いますが、マクドナルドの業績回復時にも高価格帯商品のヒットが寄与したことはまだ記憶に新しいところです。

遅まきながら筆者も「超特盛」を食べてみることにした

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さて、そのようなヒット商品は実際に食するに限ります。発売されて既に4カ月以上が過ぎましたが、遅まきながら筆者もトライしてみました。ちなみに、筆者は牛丼ファンですが、最近は1週間に1回程度で、しかもテイクアウト(持ち帰り)がほとんどです。

また、食べる量に関しては、「並盛」だと少々物足りませんが、「大盛」だと少し多いかなという感じです。過去に「特盛」は何度か食べましたが、かなりきつかった記憶があります。

そんな筆者が「超特盛」など食べ切れるのか、大きな不安がありました。

見た目はもの凄いボリューム感だが、意外に難なく完食できた

善は急げということで、とある平日の午後、ランチ時の混雑が終わった店内に久しぶりに入って座りました。注文を取りに来たのはアジア系外国人のアルバイト。やはり、吉野家でも外国人アルバイトが大多数になったようです。

「チョウトクモリィ、イッチョー!」というアルバイト店員の掛け声の後、いつもより少し長い時間が経って、筆者の目の前に「超特盛」が現れました。

大きな丼ぶりを見た瞬間、“これは絶対に食べ切れない”と観念しました。筆者は、食べ物を残すことは愚行という信念を持っており、この日は朝からほとんど何も食べず、空腹感を高めて臨みました。それでも、この「超特盛」のボリュームには圧倒されたというのが実感です。

“できるところまで何とか食べよう”と思いスタートしたのですが、実は、意外に難なく完食できました。正直、筆者自身もビックリしました。

実際には“アタマ”だけが超特盛

しかし、冷静に振り返ると、「超特盛」のご飯は大盛・特盛と同様のボリュームであり、もの凄い量はアタマ(牛肉など丼の上に乗っている具材)だけです。お腹が膨れるのはご飯によるところが大きいと言われていますから、見た目ほどは苦にならなかったということでしょうか。

それと同時に、量産効果が出るアタマの量だけが多くて780円という価格ならば、マージンの大きさに疑いの余地はないと実感しました。この「超特盛」だけで吉野家HDの業績が決まるわけではありませんが、第2四半期以降の収益拡大にも十分期待が持てると考えられます。

なお、吉野家では「超特盛」と同時に「小盛」も発売され、こちらも好調な販売のようです。筆者の場合、さすがに「小盛」では不足感が強いと思われますが、次回はぜひともトライしてみたいと考えています。
葛西 裕一

最終更新:7月19日(金)22時20分

LIMO

 

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