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米国の為替介入に不安高まる…。ドル/円は110円が遠くなり、100円へ向けて下値拡大中

7月18日(木)18時21分配信 ザイFX!

■米為替介入は現実的ではないが…

 みなさん、こんにちは。

 前回のコラムでも、米為替介入に関する記事を掲載させていただきました。

 個人的には、米ドルに対しては基本、弱気なスタンスを変えていませんが、為替介入に関しては現実的ではないというスタンス。

 為替介入に関しては、諸外国とのコンセンサスの統一が必要であり、現在、大幅な米ドル安を誘引する介入に関してコンセンサスが取れるとは思わないからです。

 しかし、先週(7月8日~)、そして今週(7月15日~)も、米国から為替介入の記事が立て続けに出ています。

■「なんでもあり」の米為替介入に不安高まる

米ドル/円 日足 (出所:ザイFX!)
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米ドル/円 日足 (出所:ザイFX!)
 先週(7月8日~)は、まず、「トランプ大統領が、米ドル押し下げの方策検討を指示」という内容の記事がマーケットの注目を集めました。

 加えて、大手米銀のモルガン・スタンレーが、米国による為替介入の可能性についてのレポートを顧客向けに出したことが話題に。

 さらには、先週(7月8日~)末、ゴールドマン・サックスがこの論議に加わったことで、いよいよ騒がしくなってきました。

「何でもあり」不安高まる米為替介入-ワイルドカードとゴールドマン

トランプ米大統領が他国の為替慣行について繰り返し不満を表明する中で、「米国の為替政策が再び投資家の重要な関心事になった」とゴールドマン・サックス・インターナショナルのストラテジスト、マイケル・カーヒル氏は11日のリポートで指摘。貿易摩擦を背景に「何でもあり」という感覚が生まれており、米国がドル安誘導に動くリスクが高まりつつあると分析した。

出所:Bloomberg

 この記事では、同盟国の協力が得られるとは考えにくいとも指摘されているのですが、トランプ大統領が、中国人民元とユーロに対する米ドルのレベルに関しては、何度も不満を表明していることも確か。

 ゴールドマン・サックスが米為替介入の論議に加わったことで、米ドル/円の上値がじわりと重くなってきました。

 加えて、今週(7月15日~)は、この論議に世界的な債券運用会社のPIMCOも参戦。

■本格的な通貨戦争の可能性は排除できず…

米ドル/円 日足 (出所:ザイFX!)
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米ドル/円 日足 (出所:ザイFX!)
 今週(7月15日~)に入って通貨戦争に関する論争は、さらに活発化。

 PIMCOのエコノミック・アドバイザーのフェルズ氏は、本格的な通貨戦争は、もはや可能性を排除できずと主張しています。

同氏はリポートで、現在の状況を「通貨冷戦の第3ラウンド」と表現、エスカレートするリスクがあると記述した。

出所:Bloomberg

 フェルズ氏は、短期的には本格的な通貨戦争にエスカレートする可能性はないとも指摘していますが、その可能性を排除しきれないというレポートが続出。

 特筆すべきは、こうしたレポートは、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、PIMCOと、すべて米国側からの意見であるということ。

 邦銀や欧州系の銀行からは、こうした意見は聞かれないため、米当局の思惑が入っているのかもしれませんが、こうした論議が活発化することで、米ドル/円の110円台がじわじわ遠くなりつつあります。

■7月FOMCでの0.50%利下げ織り込み度が再び上昇

米ドル/円 4時間足 (出所:ザイFX!)
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米ドル/円 4時間足 (出所:ザイFX!)
日経平均 日足 (出所:Bloomberg)
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日経平均 日足 (出所:Bloomberg)
 前述の通貨戦争の論議の活発化に加え、米ドル/円の上値を抑えているのが、今月(7月)31日(水)に発表される、FOMC(米連邦公開市場委員会)の利下げに関する予測。

 繰り返しになりますが、0.25%の利下げは100%織り込み済み。

 注目は、0.50%利下げの織り込み度です。

 本稿執筆時点では、再び34.5%まで上昇しています。

 米10年債利回りも、再び2.04%まで反落。

 こうした米金利の低下が米ドル/円の上値を抑えており、本稿執筆時点での米ドル/円は107.65円まで下落。

 この米ドル/円の下落が日経平均の下落を誘引し、日経平均は、一時2万1126円と、極めて軟調に推移しています。

■米為替介入の論議活発化で、ドル/円は100円へ下値拡大中

NYダウ 日足 (出所:Bloomberg)
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NYダウ 日足 (出所:Bloomberg)
NYダウ&日経平均 日足チャート
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NYダウ&日経平均 日足チャート
 この日経平均の下落は、NYダウにも影響を与えています。

 NYダウはFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ予測を材料に、節目の2万7000ドルを上抜いてきましたが、続伸できず、7月17日(水)のNY市場では115ドル安と反落。

 仮にNYダウが再び2万7000ドルを割り込み、続落すると、NYダウはブルトラップとなり、急反落するリスクを抱えることになります。

 この場合、日経平均が弱気ダイバージェンスを示唆していたことになります。

 米国株も含めてグローバルに株が調整するとなれば、リスクオフ相場となり、米ドル/円の下値余地が拡大することになります。

 米国で為替介入に関する論議が活発化しており、米ドル/円の下値余地は100円へ拡大中。

 日経平均も軟調に推移するなか、110円が徐々に遠くなり、ダウンサイドリスクが高まっている米ドル/円の行方に注目です。
西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

最終更新:7月18日(木)18時36分

ザイFX!

 

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ザイFX!

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