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知ると楽しい!英語で話してみる「アリの世界」

6月26日(水)11時00分配信 東洋経済オンライン

「アリ」にまつわる英語表現を紹介します(写真:Yana Tatevosian/iStock)
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「アリ」にまつわる英語表現を紹介します(写真:Yana Tatevosian/iStock)
 最近、だいぶ暑くなってきたので、庭作業をしているとたくさんのアリに遭遇するようになりました。気づくと筆者の腕を這っているヤツが数匹! なんてこともよくあります。

 殺してしまうのは忍びないので、つぶさないように振り落とそうとしても、これがなかなか離れないんですよね。そんなふうにアリに好かれてもねぇ……。Am I that sweet? (オレはそんなにスイートかい? )

 今回は、季節柄よく見かけるアリにまつわる英語表現を紹介します。アリを見かけたら思い出してみてください。そうすれば、夏の終わりまでには、しっかりと暗記できそうですね! 
■ ズボンの中のアリって・・・? 

 「アリ」を英語にするとantですが、アリはアリでも「シロアリ」はtermiteと言います。アリは生物学上「昆虫綱ハチ目」に属していますが、なんとシロアリは「昆虫網ゴキブリ目」だと知っていましたか?  シロアリはそもそもアリではないのです。たしかに寸胴でゴキブリみたいかも!  どうして「アリ」という名前がついてしまったのでしょうね。

 それから、日本に上陸して話題になっている「ヒアリ」。こちらはれっきとした「アリ」の仲間で、英語ではfire antと呼ばれています。英語で聞くと納得なのですが、「ヒアリ」というのは「火のアリ」という意味だったんですね!  かまれると大変みたいですから、Don’t get bitten by fire ants! (ヒアリにかまれないように! )
 antの話のついでに、この単語の発音も意識してみてはどうでしょうか。一般的にアメリカではant(アリ)という単語はaunt(叔母)と同音異義語で、どちらも「エァントゥ(/ænt/)」と発音します。ところが、イギリスでantは「エァントゥ(/ænt/)」、auntは「アーントゥ(/ɑnt/)」と発音するんです。アメリカ式の発音をまねしたいという方は、どちらの単語も「エァントゥ(/ænt/)」に統一してみてください。
 さて、今回紹介したいのはこのantを使ったイディオム。

ants in one’s pants(〔直訳〕自分のズボンの中のアリ)
 という表現です。

 直訳すると「自分のズボンの中のアリ」という意味ですが、イディオムとしてはどんな意味だと思いますか?  ズボンの中にアリがいる状態を想像してみてください。どうですか?  気持ち悪くてモジモジしてしまいそうですよね。

 まさにそんな感じから、このイディオムは「落ち着かない」という意味で使用されるんです。これは、身体的に「じっとしていられない」状態を表すこともあれば、精神的に「(不安や緊張、興奮などで)落ち着かない」という状態を表すこともあります。
 このイディオムはhaveと一緒に使われることが多いので、まずはセットで覚えておくと使いやすいでしょう。

have ants in one’s pants(落ち着きのない)
 ちなみに、pantsはアメリカでは「ズボン」のことですが、イギリスでは「下着のパンツ」のこと。もともとはアメリカで生まれたイディオムですから、「ズボンの中のアリ」で解釈は正しいのですが、イギリス式に考えるとぞっとします!  「パンツの中のアリ」は絶対に嫌です! 
 haveの代わりにgetを使うと、「その状態になる」という動作を表すことができます。それぞれ例文を見てみましょう。

Ted has ants in his pants and can’t sit still for a minute. (テッドは落ち着きがなく、1分と座っていられない)

I got ants in my pants before the presentation. (プレゼンテーションの前に、緊張でそわそわしたよ)
 antsとpantsで韻を踏んでいるので、語呂もいいですね。

■アリが形容詞になるとどんな意味? 

 ants in one’s pantsと一緒に、antsyという単語も覚えてみるのはどうですか。これは、have ants in one’s pantsと同じ意味を表す形容詞です。

 英語では名詞にyをつけると形容詞になるものがたくさんあります。salty (しょっぱい。salt + y)、healthy (健康的な。health + y)などがその例です。ただこの単語は複数形のantsにyがついているのがポイントかもしれませんね。きっとants in one’s pantsの意味にするには、「たくさんのアリ」が必要なのでしょう。個人的には1匹でもモゾモゾしちゃいますけど……(笑)。
antsy (落ち着きのない。have ants in one’s pantsと同義)
 antsyも、ants in one’s pantsと同様、身体的な意味と精神的な意味の両方に使用することができます。

While I was waiting for my husband, I started to feel antsy.(夫を待っている間に、私は不安でそわそわし始めました)

The kids were all antsy and wanted to play outside.(子どもたちはみんなモゾモゾしていて、外で遊びたがっていました)
 また、「何かをものすごくしたい(したくて待ちきれない)」という意味でも使うことができます。

When Erica started her speech, I felt antsy to leave.(エリカがスピーチを始めると、私はその場を離れたくてしかたがなくなった)
 「それをしたくてしたくてムズムズする」という感じのニュアンスです。

■アリとキリギリスの結末は? 

 モゾモゾの原因としてイディオムに使われているアリですが、皆さんは「アリ」に対してはどんなイメージを持っていますか?  英語ではpissantなんていう単語もあります。pissは「小便」という意味ですが、pissantで「取るに足らないヤツ」だとか、「細かいことにこだわるしょうもないヤツ」なんて意味で使われます。アリのサイズ感から来ているのでしょうか。
 そうかと思えば、皆さんよくご存じのイソップ物語『アリとキリギリス』では、働き者の象徴として使用されています。英語では“The Ant and the Grasshopper”と訳されることが多いですが、なんと、もともとの話は「アリとセミ」だったそうですね。いったいどこでセミからキリギリスに変わってしまったのかは謎です。

 言われてみると、「夏の間ずっと歌っている」のは「セミ」のほうがピッタリですね。物語でキリギリスが「歌う」という動作にはchirp(鳴く)という単語がよく使われます。一方のアリはtoil(せっせと働く)という単語で描写されています。
 この物語の教えは、

It is best to prepare for the days of necessity.(備えあれば憂いなし〔万が一のときに備えるのがよい〕)
 というものですが、近ごろのエンディングは、筆者が子どものときに読んだのとは違うようです……。

 筆者が知っている『アリとキリギリス』では、冬になって食べ物のないキリギリスが、アリのところを訪ねます。すると、食べ物を分けてくれるように頼むキリギリスに対して「いったい夏の間に何をしていたんだ!」とアリが詰問。キリギリスは「ずっと歌っていたから食べ物を用意する時間がなかった」と答えます。
 アリは「夏に歌っていたのなら、今度は踊っていなさい」と冷たく言って、ドアを閉めてしまいます。そして、キリギリスは凍死する、という感じだったはず(困窮したキリギリスがアリに助けてと言えず、吹雪の中どこかに寂しく去っていくという結末の話もあるようです)。

 でも、最近の絵本などでは、アリがキリギリスに食べ物を分け与えて、その代償にキリギリスが歌を歌うのだとか……。これは、ある意味ハッピーエンドなのでしょうか?  でも、もはや異なる教訓を伝える話になっている? というか、教訓はあるのか疑問です。働かずに好きなことをしていて、困ったときにも助けてもらえるって、個人的にはかなり微妙な気がするのですが、皆さんはどう思いますか? 
 自由奔放に生きて、最後は救ってもらえるのだったら、みんな「キリギリス」になりたいですよねぇ。まあ、こういう改編は世相を反映しているのかもしれませんし、その意図は理解できるのですけれど、なんだかねぇ……。Anyway, are you an ant or a grasshopper? (ともあれ、あなたは「アリ」ですか、「キリギリス」ですか? )。

■働かない働きアリ

 アリたちは1つのコロニー(集団)の中に、大きく分けて5種類のアリが存在するようです。英語と日本語で見てみましょう。
workers(働きアリ)
soldiers(兵隊アリ)
queen(s)(女王アリ)
virgin queens(処女女王アリ)
males(雄アリ)
 先ほどの『アリとキリギリス』のアリは、このworkerにあたるアリですよね。そして、workersには大きく4つの役割があるらしいのです。それが、

foragers(調達アリ)
nurses(保育アリ)
walkers(散歩アリ)
lazy ants (怠けアリ)
 の4種類。foragersはえさや巣作りの物資などを探して、巣に運んでくるアリ。まさに、『アリとキリギリス』のアリです。

 nursesは子どもの面倒をみる係、walkersは巣の中をウロウロと徘徊しているアリのようです。これはサボり組? と思ったら、lazy antsと呼ばれる何もしないアリがいるとのこと。しかも、workersの25%くらいいるらしいのです。4匹に1匹はlazy antと思うと「アリは働き者」なんて一概には言えませんね。
 “The Worker ant and the Lazy Ant” (働きアリと怠けアリ)という新しいお話が作れそうです。Or how about “The Lazy Ant and the Grasshopper”?  (それか「怠けアリとキリギリス」というのはどうですか? ) いったいどんな話になるやら……。

Do you want to be a lazy ant or a grasshopper? (「怠けアリ」と「キリギリス」だったら、どちらになりたいですか? )
箱田 勝良 :英会話イーオン TOEIC満点教師

最終更新:6月26日(水)11時00分

東洋経済オンライン

 

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