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「正社員だから幸せ」という考えは改めるべきだ

6月26日(水)6時30分配信 東洋経済オンライン

派遣社員よりも正社員として働くほうが幸せなのでしょうか?(写真:saki/PIXTA)
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派遣社員よりも正社員として働くほうが幸せなのでしょうか?(写真:saki/PIXTA)
→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

派遣社員のシステムエンジニアとして10社ほどを転々としています。
過去記事のこちら(『職場経験30社! 「能力高すぎ」で困っています』)
に近いのですが、自分の場合は周りに疎まれて、というよりは、少し異なっています。

複数の業種にまたがるスキルを持つためか、ほとんどのパターンで、特定の業務のニッチに一致し、重用はされるけれども残業時間が長引いたり、ほかの社員が気楽に休んだ分を押し付けられたりして、激務の末に身体を壊して、どこも1~2年しかもちません。
なぜか入社時に残業について念押ししても、周りが突然入院する、有給休暇の消化を始めたりする、などの事情に巻き込まれ「仕方ないからあなたがやってください」と押し切られてしまいます。個人的には定時で上がれて穏やかに、細く長く働けたらと願うのですが、なかなかうまくいきません。
また、派遣会社も慰留する企業側の肩を持つところばかりで、数回おきに派遣会社ごと変える働き方に自分でも何かを間違えているのではと思うのですが、そのようなものなのでしょうか。
過去に一度正社員として働いていた際、パワハラ相談部門の相談役にパワハラ(自分が残業してるのに、なぜ部下であるあなたは残業しないのかと迫られた)をされて以降、どうしても正社員として働くことに恐怖感がありますが、派遣社員もこのような働き方で仕方ないものなのでしょうか。40代が近づいてきたのですが、また正社員に戻ることも視野に入れるべきなのか、迷っています。
システムエンジニア なな

■社員だから、派遣だからというのは関係ありません
 まず正社員だから、派遣社員だから、という考え方を改めましょう。正社員であればすべてがバラ色になるのかというとそんなことはありませんし、派遣社員だからすべてが劣るのかというと、そんなこともありません。

 もっと言うと正社員は全員幸せで派遣社員はそうでないのかというと、そんなことも決してないでしょう。

 仕事ができる人、人生を幸せに生きている人に共通するのは、正社員か派遣社員か、はたまたアルバイトやパートそのほかの雇用形態や勤務形態にかかわらず、自分の人生における考え方の軸がはっきりとしているという点です。
 自分はどんな生き方をしたいのか、その中で仕事の位置づけは何か、仕事をするうえでの優先順位は何か。そういったことに対して、自分自身で深く考え、信念を持っていることが重要なのです。

 そう考えますと、ななさんが現在お持ちの不安や問題については、単に職場を変えればいいとか、正社員になればいいとか、そういった表面的なことで解決できるものではありません。

 職場を変える、勤務形態を変えるなどはあくまでも、「何かを実現するための手段」でしかありません。
 すべての問題を払拭できうる解決策ではないのです。

 また、どんなに探してもすべての人にとって理想となるような職場や雇用の形態や職場環境、人間環境というものは存在しません。

 例えば、ある人にとっては最高の職場環境でも、別の人から見れば最悪な環境であったりするわけですし、最高の上司も傍から見たら最悪な上司だったりもするわけです。

 その違いは、仕事というものに対する考え方や優先順位の問題であったりするわけですが、要は「理想の形」が個々人によって異なるからです。
 その中で個々人としてできることは、まずは自分にとっての理想の人生像を考え、そしてその中で仕事をどう位置づけるかを考え、仕事に対する自分なりの優先順位を考える、ということです。

■職場や勤務環境で求める優先順位を自分で決める

 楽して稼げる仕事なんて存在しませんし、すべての上司や同僚と仲良くできるような環境も存在しませんし、自分の意見がすべて通るなんてことも絶対にありません。

 何かしらの制約条件が存在するものです。
 そういった、制約条件や「完璧でないこと」を前提として考えざるをえないがゆえに、自分の中での軸や信念が大切になってくるのです。

 これは何も仕事だけに言えることではなく、人生においても同様です。

 制約条件のない人生なんて存在しません。

 周りに存在する制約条件や逆境、そういったことを所与の事実として受け入れつつも、自分なりの幸せを探求し、自分自身で幸せの形を創っていくのが人生なのだと言えます。

 そして、そのような行為を通じて人は経験をし、知識や知見を蓄え、自分なりの意見や信念を形成し、成長をしていくものなのです。
 仕事は生活費を稼ぐための手段だ。そう割り切ってしまえば報酬が1番の優先順位になるでしょうし、ストレスのなるべくない生活を営む一環であると考えると、人間関係や勤務時間などが優先順位的には高くなるのでしょう。

 そのほかもいろいろな基準があるかとは思いますが、どれを正解とするかは自分自身によります。

■自身の経験から自分なりの軸を整理するべき

 正解は自分自身で設定しないと、誰も設定してくれないのです。ましてや正社員になったから、職場を変えたからといってすべてがうまくいくことなんてありえません。
 すでにななさんは10社ほどの職場を経験されてきているとのことですから、その経験を通じてご自身の中で仕事をどう位置づけ、仕事に対して何を求めるか、そして職場や勤務環境に求める優先順位は何か、それをまずは考えましょう。

 その軸がしっかりとしていないと、職場を変えてもまた同じことの繰り返しになってしまいます。軸とはすなわちご自身にとっての行動の原理原則です。その原理原則をまずは自分で定め、理解しないと解決のための行動は起こせないはずです。
 ななさんがご自身の経験からご自身なりの軸を整理され、もっと明るい未来に向かって歩き出すための行動を起こされることを応援しております。
安井 元康 :『非学歴エリート』著者

最終更新:6月26日(水)6時30分

東洋経済オンライン

 

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