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夫婦とも40代半ば、5000万円の住宅ローンは過大?

6月26日(水)20時05分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆節約と贅沢、上手にメリハリがつけられません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、5000万円借り入れて家を建てる予定の40代の主婦の方。3人の子どもの教育費もかかるため、心配はさらに大きいとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
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皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、5000万円借り入れて家を建てる予定の40代の主婦の方。3人の子どもの教育費もかかるため、心配はさらに大きいとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、5000万円借り入れて家を建てる予定ですが、年齢的に借入を不安に感じる40代の主婦の方。3人の子どもはこれから教育費もかかるため、心配はさらに大きいとのこと。

▼相談者

みっちーさん(仮名)
女性/専業主婦/40代
神奈川/社宅

▼家族構成

夫(会社員/44歳)、子ども3人(上の子は8歳)

▼相談内容

実家の土地に家を建てる予定です。着工は来年4月、契約金280万円は現金で払い済みで、借入金は5000万円を考えています。しかし、改めて考えてみると、この歳でこの金額のローンを組むには高価過ぎたのでは?と毎日胃が痛いです。今後10年は住宅ローン減税が使えるので、フルでローンを借りて10年後から繰り上げ返済をしていこうと思いますが、一番上の子どもの進学と重なり不安です。

夫が社内預金を活用して貯蓄をしてくれていますが、生活費はギリギリなので、車検など臨時の出費は預金を崩しており、年間どのくらい貯蓄できているか、よくわかりません。不動産収入のあるビルも3000万円のローンが残っており、災害のリスクもあるので、そちらも心配のタネです。

▼家計収支データ

相談者「みっちー」さんの家計収支データ
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相談者「みっちー」さんの家計収支データ


▼家計収支データ補足

(1)ボーナスの使い途(昨年例)
貯蓄126万円、クルマの維持費10万円、旅行・帰省費用18万円、家電等の購入6万円、ふるさと納税21万円、雑費12万円、残りは生活費補てん、投資など

(2)加入保険について
夫/共済(死亡保障1000万円)=保険料1120円
夫/傷害共済(入院2000円、家族特約)=保険料1630円
夫/医療共済(入院8000円、家族特約)=保険料1500円
末っ子/学資保険(18歳から4年間、毎年75万円受取)=一括払済

(3)自宅の住宅ローンについて
見積もりをしたローンの内容
・借入額:5000万円
・借入年数:20年
・金利:変動0.8%
・返済額:22万6000円

(4)家賃収入の物件について
親名義の土地に夫名義でビルを建て、現在店舗が入っている。賃料は計、月額73万円。うち地代として親に40万円、残りからローンの支払いと税金を差し引いた18万円が実質の収入。人気の地域なので空室リスクは少ないと考えるが、あるとすれば2階部分の店舗とのこと。いずれ土地も相続することになるが、その際、相続調整で兄弟に2000万円を渡す予定。

(5)ご主人の勤務について
定年60歳で。再雇用で65歳まで勤務可能。退職金は2000万~3000万円とのこと。

(6)金融資産について
相談者コメント「貯蓄と投資(含み益1700万円ほど)で作ったものです。夫婦とも性格が貧乏性のため、節約と贅沢のメリハリが上手くつけられません。マイルも貯まっているので、20万円くらいかけて旅行に行きたいとも思うものの、やはり贅沢かなと主人と話したりしています」

▼FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:老後まで資金的な心配はほぼ不要
アドバイス2:住宅ローンの借入額を減らし不安を抑えてもいい
アドバイス3:投資は早めの利益確定も選択肢のひとつ

◆アドバイス1:老後まで資金的な心配はほぼ不要

結論から先に申し上げますと、住宅ローンも教育費も、そして老後資金も現状、問題なしと言えます。いろいろ心配されていますが、安心されていいと考えます。ともあれ、試算してみましょう。

毎月の貯蓄(と投資)は財形貯蓄と積立年金、持株会で毎月16万円。これに家賃収入の18万円を加えて、計34万円。さらにボーナスから126万円貯蓄しているので、貯蓄ペースは年間534万円ということになります。

みっちーさんが言われる「生活費はギリギリなので」は、毎月の貯蓄がすべて天引きですから、手元に残る給与は27万円ほど。毎月の生活費がほぼ同額なので、そう感じてしまうということです。家賃収入も、おそらく別口座で管理され、生活費には反映されていないのでしょう。

さて、住宅の着工が来年4月。建築期間を半年とすると、住宅ローンの支払いは来年10月から。その時点で、貯蓄も含めた金融資産は約7500万円。

これ以降は、住宅ローンが発生します。想定されている金利、借入期間ですと、毎月の返済額は22万6000円。年間で271万円の支出増となりますので、貯蓄は年間263万円に減ります。それでも、定年までの60歳までに3800万円、貯蓄を上乗せできますから、金融資産の総額は1億1300万円となります。

ここから教育費を差し引きます。ただし、進路によってかかる金額は大きく異なります。仮に1人1000万円とすると、3人で3000万円。結果、手元に8300万円残ることになりますが、その間、クルマや家電の買い替え、引っ越し費用、毎年の固定資産税などの支出も考慮して、7600万円とします。

また、実家の土地を相続する際に、兄弟に2000万円を譲渡されるとのことですから、退職金をそのまま充てるとすると、この7600万円が老後資金ということになります。ただし、お子さんが遠方の大学に進学して仕送りが発生する場合、最大で6500万円程度に減る可能性はあります。それでも、老後資金としては、想定される大きな支出(住宅リフォーム、医療・介護費用、長生きリスクなど)を考慮しても十分対応できる金額だと言えます。

◆アドバイス2:住宅ローンの借入額を減らし不安を抑えてもいい

アドバイスとしては、住宅ローンを5000万円借り入れるとのことですが、もっと自己資金を入れて、借入額を下げてもいいのではないでしょうか。例えば、2000万円を入れて、借入を3000万円にすると、金利0.8%、返済期間20年で毎月の返済額は13万5000円。住宅ローンの支払いという固定支出が大きく減ることで、毎月の家計負担は小さくなります。借入額が小さくなり、精神的な不安も緩和されるのではないでしょうか。

当然、当初の手持ち資金は大きく減りますが、それでもこの貯蓄ペースならローン開始から6年間で貯蓄は元に戻ります。

また、住宅ローン控除という点では借入額は大きいと、その分、還付される金額も大きくなります。ただし、その分、支払利息も大きくなります。5000万円の借入に対して先の条件で返済すると、支払利息の総額は540万円ほど。一方、3000万円の借入なら325万円。住宅ローン控除の控除率は、毎年、年末のローン残高の1%で、かつ控除額の上限は40万円(一般住宅の場合。認定長期優良住宅等は50万円)となりますが、それを無駄なく活用しても、計算するとトータルでは3000万円の借入の方が支払う金額は抑えられます。

しかし、2000万円の自己資金を用意するとなると、その原資として積立年金を充てるか、それができない(定年までおろせない)なら、手持ちの株式を売却することになります。あるいは、自己資金は500万円程度に抑えて、繰上返済を積極的に行うのも同様の効果を得られます。

その繰上返済については「住宅ローン控除の期間が終了する10年以降に行う予定」とのことですが、必ずしもそれが得策とは限りません。金額や返済時期によっては、10年を待たずに繰上返済を行う方が効果的というケースもあります。実際に行う際は、金融機関に試算してもらうといいでしょう。

◆アドバイス3:投資は早めの利益確定も選択肢のひとつ

先の試算はあくまで現状の収支を目安にしたものです。ご実家の土地を相続された場合、単純に親御さんに地代として渡していた40万円が世帯収入になりますから、さらに資金的な余裕が生まれるでしょう。もちろん、家賃収入が減る可能性もゼロではありません。それでも、不動産そのものを売却するという選択肢もあるわけですから、減収について大きく不安になる必要はありません。

したがって、「20万円くらいかけて旅行に行きたいとも思うものの、やはり贅沢かなと主人と話したりしています」とのことですが、毎年その予算で旅行をしても、家計的には何ら問題はありません。過度に心配することなく、毎年予算を組み、その枠内で楽しんでください。必要な資金、そのために必要な貯蓄ペースをしっかり把握すれば、自然と節約と贅沢のメリハリもつけられるようになるはずです。

最後に投資について。持株会は継続しても構いませんが、それ以外の投資の増額は控えた方がいいでしょう。資金的には余裕があるとは言え、現状、住宅ローンを抱え、教育資金を準備している時期ですから、これ以上のリスクは取るべきではありません。大きく含み益があるとのことですから、早めに利益確定しておくのもいいと思います。

◆相談者「みっちー」さんより寄せられた感想

子どもを遅くに授かり、教育費、老後費が重なって必要になる上、住宅ローンの支払いも始まったら大丈夫なのかな、と漠然とした不安でいっぱいでしたが、大丈夫そうだとの回答をいただき安心しました。投資に関しては素人ですので、利益のある今のうちに売却しようかなと思います。いままでコツコツと貯蓄をしてくれていた主人に感謝したいと思います。深野先生、ありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:清水京武
あるじゃん 編集部

最終更新:6月26日(水)20時05分

あるじゃん(All About マネー)

 

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