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株式週間展望=リスクオンと円高の綱引き―G20や中東情勢もにらむ、低金利歯止め掛からず動揺

6月22日(土)8時45分配信 モーニングスター

 低金利に伴うリスクオンと円高の間で、日本株相場が揺れている。今週は日米で中央銀行のイベントがあり、緩和姿勢が強調された。欧州でもドラギECB(欧州中央銀行)総裁が追加緩和に含みを持たせる中、世界的に金利が低下している。また、一触即発の中東情勢や、週末のG20大阪サミット(主要20カ国・地域首脳会議)での米中首脳会談の可能性など複数の要素が絡み合う来週(24-28日)は、日経平均株価の動きも読みづらい。

 19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、声明文の文言修正を通じて7月の利下げへ向けた地ならしが行われた。委員会メンバーの見通しは依然割れているものの、金融市場では債券を中心に年内2回以上の利下げが織り込まれつつある。米国の10年債利回りはフシ目の2%を割り込み、日本の長期金利も連動して21日はマイナス0.2%に肉薄した。

 こうした動きに、株式市場は少なからず動揺している。長期金利のマイナス0.2%は、日銀がイールドカーブコントロール(YCC)政策において許容する下限に当たる。このため、建前通りこれ以上のマイナス金利の深掘りを許容しないのであれば、利下げに傾く米国との金利差は今後縮小していく。

 金利差縮小は基本的に円高要因とされる。外国為替市場ではドル・円が1ドル=107円割れに迫った。ドル安・円高とほぼ連動して、日経平均も急落し、21日は前日比で一時241円値下がりした。

 黒田日銀総裁は20日の金融政策決定後の会見で、追加緩和を辞さない考えを表明している。しかし、日銀の打つ手はあまり残されていないという見方が主流だ。マイナス金利の許容幅拡大や制限撤廃というオプションは、銀行の収益悪化という副作用があるだけに慎重にならざるを得ないだろう。

 一方、足元の円高には、中東での地政学リスクの高まりも影響しているという指摘もある。米軍の無人偵察機がイランで撃墜されたことを受け、トランプ米大統領はいったん報復攻撃を承認して撤回したと伝わった。この日はこの報道と前後し、為替の円高が加速した。タンカー攻撃事件から間もない不穏な動きに、市場も警戒感を強めている。

 低金利を強気材料としつつ、それに付随する円高がマインドを曇らせる綱引きのような状況が来週も先行しそうだ。ただ、28、29日のG20ではトランプ大統領と中国の習主席の会談が行われる見通し。米中摩擦の緩和期待が高まることで、週後半は買い方が勢いづく可能性がある。

 テクニカルに目を向けると、日経平均は日足一目均衡表の「雲」下限に跳ね返される形で陰線を引いた。水準的にも大型連休前に買った向きによる戻り売りが強まり始めたと考えられる。「雲」の上限(現在は2万1557円)を突破できるかが、シコリ縮小の判断材料の一つだ。

 来週は26日が日本の通常国会の会期末に当たるほか、米国では民主党の大統領選挙候補者の最初のテレビ討論会が始まるなど政治色が強い。日銀は25日に4月24、25日開催の金融政策決定会合議事要旨を、28日に6月19、20日開催会合の「主な意見」を公表する。

 統計は28日の6月東京都区部CPI(消費者物価指数)で、携帯通信料引き下げの影響が反映されるかに注目。海外では24日に米5月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米5月新築住宅販売件数などが出る。日経平均の想定レンジは2万850-2万1650円とする。(市場動向取材班)

提供:モーニングスター社

最終更新:6月22日(土)8時45分

モーニングスター

 

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