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「母のイライラ」は問題解決の手法で軽減できる

6月20日(木)9時00分配信 東洋経済オンライン

中学受験は、子ども以上に母親のストレスがたまりがちです。そんな状況を打破する方法を解説します(写真:プラナ/PIXTA)
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中学受験は、子ども以上に母親のストレスがたまりがちです。そんな状況を打破する方法を解説します(写真:プラナ/PIXTA)
※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

中学受験を迎える小6の子がいます。

初めのてことばかりで不安とイライラの毎日です。この1年間で子どもとの関係が悪くなるのではないか、とても心配です。

このような気持ちのまま、中学受験を迎えることはできるのでしょうか。何かよい方法がありましたら教えてください。
(仮名:小松さん)

■母親アンケート、イライラ1位は「子育て」

 中学受験は「親の受験」と言われるぐらい大変なことです。ましてや、初めての子であればなおさらです。世の中には中学受験の情報がたくさん流布しており、それを読めば読むほど悩み、心配になるということも少なくないでしょう。
筆者が今年2月、母親436人に対して「普段何にイライラするのか」という調査をしたところ、1番は「子育て」に関してでした。

 子育てと一口に言っても、内容はさまざまでしたが、中学受験だけに限定すると、「子どもが思うように勉強しない」「テストがあるのにのんびりしている」「向上心がない」「集中力がない」「親に言われて勉強やる状態」といった回答が目立ちました。これらはどんな家庭にも当てはまりうる内容ですが、中学受験となると、なおさら気になることなのでしょう。
 もしかしたら、小松さんもこのようなことで今後イライラが増える可能性もあります。人間ですから、イライラしないで毎日を過ごすということは至難の業ですが、軽減させることはできます。

 筆者は現在、毎年1500人以上の親御さんから直接子育て、教育相談を受けているのですが、そのときによくお話しするのが、「イライラが減少する3つのステップ」です。

 必要なものは、紙とペン、それに自分だけの時間を1時間ほど用意できればいいでしょう。用意できたら、次の3つのステップで、今のイライラについて「見える化」していきます。
■イライラを消し去る3つのステップ

ステップ1: 要するに「何」が問題? 【WHAT】
 何にイライラしているでしょうか。それを明らかにしていきます。明らかにするには「頭の中」でやらないことです。頭の中でやると、まとまりがなく、悩みを増長させるだけになります。ですから、紙に書き出しましょう。

 例えば次のような感じで書いていきます。イライラは通常、現状におけるイライラと、未来に対するイライラ(不安)にあるため、その2つの視点で書き出すといいでしょう。
(例)
親である自分が、子どもに対し正しいアプローチができていない(現状)
子どもが思ったほど勉強しない(現状)
点数が伸びていない(現状)
このまま成績は上がらないのではないか(未来)
失敗したら世間からどう思われるだろうか(未来)
志望校に合格できないと子どもがかわいそう(未来)
ステップ2: なぜこうなっているんだろう? 【WHY】
 次に、ステップ1で書き出した中で、いちばん大きな問題と思うことを「現状」から1つ、「未来」から1つ選びます。そして、「なぜそういう状況になっているのか?」について上記のそれぞれについて書き出していきます。
 ここで1点だけ注意が必要です。それは、「なぜだろう?」を1回で終わりにしないということです。1回で終わりにすると、原因が表面的すぎて、解決できなくなるのです。

 例えば、イライラが「子どもの点数が伸びない」、理由は「勉強しないからだ」とします。すると、対策は、「勉強させればいい」となってしまって、強制勉強が始まり、何も解決しなくなります。解決しないどころか悪化することすらあります。これは原因が根本的ではないからなのです。
 「勉強しないからだ」となったら、「ではなぜ、勉強しないのだろうか?」ともう1段階下げていきます。すると、「勉強が嫌いだから」となるとします。

 しかし、これもまだ本質的理由ではありません。そこで、もう1段階下げます。「なぜ勉強が嫌いなのだろうか?」と。そうすると、「勉強を楽しめるきっかけがつかめていないから」ということだったりします。仮にこれが、本質的原因であれば、これに対しては対策を打てばいいわけです。
 このように、ステップ2の「なぜ?」は単純に理由を考えるだけではなく、最低3回は掘り下げてみてください。そうすると本質的理由が見えてきます。

(例1)
親である自分が正しいアプローチができてないとなぜ思うのだろうか? (現状)
 →「子どもに対する具体的なアプローチ方法がわからないから」
なぜ、わからないのだろうか? 
 →「アプローチ方法について学んでいないから」
なぜ、学んでいないのだろうか? 
 →「時間がないから」「そもそも学ぶという発想がなかったから」
(例2)
このまま成績が上がらないのではないかとなぜ思うのだろうか? (未来)
 → 「自分が心配することで子どもの成績が上がらないときのショックを事前に和らげようとしているから」
なぜ、そのようなショックを受けることが怖いのだろうか? 
 → 「親としての失敗のレッテルを貼られることを恐れているから」
なぜ、親の失敗とレッテルを貼られると思ってしまうのだろうか? 
 → 「自分が子どもの頃、親から失敗に対してきつく言われて育ったから」
■最後のステップ「対策」

ステップ3: では、どうすればいいかな? 【HOW】
 最後のステップは、対策です。ステップ2で書き出した「現状」「未来」の2つのイライラや不安の原因が特定できたら、どうすればいいのかという点について書き出します。

→ 現状について
自分は先生ではなく親であるため、親としてできることを行う。受験勉強に関しては先生を信頼してお願いすることでお任せする。そのために先生と密に情報交換して、親としてできる子どもへのアプローチをしていく。
→ 未来について
未来の予想とは、過去の経験などから思い込んだだけのことが多い。子どもの日々の勉強の積み重ねによって未来が作られるのだから、未来に対する過度な心配はいらないと決める。
 上記の例は、実際の小松さんの状況とは異なる面もあるかもしれませんが、参考までに例を挙げてみましたので、参考にしてください。

 ちなみにこの3つのステップは、企業でいう「問題解決技法のプロセス」と同じステップなのです。イライラにはある種の問題要因があり、それを上記のように明らかにしていくことで、解決方法が見出せることがあります。ぜひ、使ってみてください。
石田 勝紀 :一般社団法人教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授

最終更新:6月20日(木)9時00分

東洋経済オンライン

 

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