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Kudan Research Memo(1):中長期成長が楽しみな「深層技術」開発企業

6月17日(月)7時41分配信 フィスコ

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■要約

Kudan<4425>は、AP(Artificial Perception:人工知覚)技術の研究開発とIPライセンスの提供などを事業としている。機械の「眼」にあたるAP技術は、あらゆる産業の基盤をなすDeepTech(深層技術)技術として、カメラや三次元センサなどが付く全ての機器にとって必須となる。同社は、AP技術領域で唯一の商用レベルのアルゴリズムを提供する企業として世界の先端技術企業から注目を集めており、半導体IPの世界大手であるSynopsysや、航空宇宙・軍需・防衛の世界大手であるThalesをはじめとする企業が同社の技術を採用するなど、同社の中長期的な成長への期待は非常に大きい。また、同社は組織面でも特徴的組織面でも特徴的な会社である。であり、英国で研究開発、日本で管理、事業開発は日英に加えて中国と米国に対して行うなど、グローバル体制を構築している。さらに、同社の事業はアルゴリズムのみに注力しているため少数精鋭な組織体制を可能としており、今後の事業成長にともなう組織や投資の拡大の必要性は限定的である。

同社はAPの基幹技術の一つであるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を独自に実用に耐えうる商用レベルまでに高めた「KudanSLAM」をIPライセンス化し、顧客に提供している。カメラやLiDARなどのデータから高度な空間認識・位置認識を可能にする「KudanSLAM」は、次世代以降の製品やソリューションを中心に幅広く採用される可能性が高い。現在、グローバル体制を生かして世界の有力企業と連携しながら市場開拓を進めており、なかでも自動運転やデジタル地図、ロボティクス、IoT、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの様々な応用領域の市場が急拡大するにともない、急速に業績が立ち上がり成長を続けている。ちなみに、商用レベルのAP技術を提供する企業は同社以外なく、現状は独占に近い状況と言える。

2019年3月期の業績は、売上高376百万円(前期比83.8%増)、営業利益123百万円(前期は3百万円の損失)と大幅な増収増益となった。「KudanSLAM」のライセンス提供社数が増加するとともに、技術開発の進捗を計るマイルストーンを順調に達成することで、ライセンス単価の上昇と大口の契約締結も寄与したと思われる。同社は2020年3月期の業績見通しについて、売上高650百万円(前期比72.8%増)、営業利益213百万円(同73.8%増)と引き続き大幅な増収増益を見込んでいる。自動運転やロボティクスなど良好な市場環境もあり、「KudanSLAM」のIPライセンス販売とマイルストーン達成による収益の増加を見込んでいる。なお、事業開発の強化やM&Aを検討しているが、収益は見込まず、費用のみ見込んでいるため、同社による業績予想はかなり保守的な印象である。

同社のAP事業は今後継続して、自動運転やデジタル地図、ロボティクス、IoT、AR/VR市場の継続した拡大による需要拡大や、マイルストーン進捗に伴うライセンス収入の増加、ユーザー企業で製品応用が進むことによるロイヤリティ収入の増大が期待されている。加えて、AIやIoTと同社のAP技術の統合、深層技術領域における同社のハブ化など可能性が広範にわたり、非常に明るくスケールの大きいシナリオを描くことができる。そのためにも、現在の少数精鋭な組織体制に見合った効率的な技術開発や事業開発の強化や上場企業としての内部管理体制の充実などは重要な課題と言える。したがって一時的なコスト増加はありうるものの、組織のミニマル化を実現している同社であるため、今後中長期的に、ライセンス売上に対するコスト増加は限定的になると考えられる。当然、初期成長企業にありがちな技術的優位性の喪失や技術的代替性の出現といったリスクも考える必要はあるだろう。しかしそれ以上に、深層技術としてのAP技術の展開で見込まれる中長期成長が魅力の企業と言うことができる

■Key Points
・あらゆる産業を下支えする深層技術であるAP技術の研究開発企業
・唯一の商用レベルのAP技術は市場で独占的なポジションを形成
・自動運転やIoTなど、広範な応用領域で需要が急拡大しており中長期成長が期待される

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SF》
株式会社フィスコ

最終更新:6月17日(月)10時51分

フィスコ

 

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