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最新版!CSR企業ランキング

6月17日(月)6時20分配信 東洋経済オンライン

最新版!CSR企業ランキング
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最新版!CSR企業ランキング
 CSR(企業の社会的責任)と財務の両面から幅広いステークホルダーから「信頼される会社」を見つける「東洋経済CSR企業ランキング」。

13回目となる今回は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)(ESG編)』に掲載する1501社を対象にCSR141項目、財務15項目で総合評価を行った(ポイント算出方法など、ランキングについての解説はこちら)。

 このうち上位500社をご紹介する。なお、上位800社やさらに詳しい内訳得点などランキングの詳細は『CSR企業白書』2019年版に掲載しているのでそちらをご覧いただきたい。
■1位は2年連続でNTTドコモ

 ランキング1位は2年連続でNTTドコモ(総合得点574.1点、以下同)となった。

 部門別では企業統治+社会性100.0点(1位)、財務282.0点(4位)が5位以内。人材活用94.8点(21位)、環境97.3点(15位)も高得点でバランスよく得点した。

 活動のマテリアリティ(重要性)は「ICTによる社会・環境への貢献」「コーポレートガバナンスの強化」「人権と多様性の尊重」など8つの重点課題を設定し取り組みを進めている。
 社会のインフラを担う企業として災害時などの危機管理体制はとくに強化している。社内外に設置されたコンプライアンス相談窓口は通報者が不利益にならないよう徹底。相談(通報)件数は2014年度94件、2015年度83件、2016年度111件、2017年度111件と増加傾向で、通報しやすい環境が整っていることがうかがえる。

 モバイルICTやIOTを活用した取り組みも行っている。分娩時に親牛の体温を感知し、メール通知するシステム「モバイル牛温恵」で畜産農家の負担を軽減し、第1次産業の生産性向上を図るといった本業の通信事業を活用した課題解決ビジネスも積極的に進めている。
ソーラーパネルや大容量蓄電池を導入して「グリーン基地局」を整備し、133局で運用するなどCO2
排出の削減にも取り組む。1999年から「ドコモの森」づくりを推進し、2018年3月時点で全国47都道府県49カ所(総面積190ha)に設置。定期的な森林整備活動を実施し、地球環境保護、温暖化防止、生物多様性の保全に貢献している。

 人材活用面も先進的だ。有給休暇取得率は2017年度で91.3%と高い水準。子育て面でも多くの制度が整う。育児休業は生後満3年まで取得可能。短時間勤務は小学3年生の年度末まで取得できるなど家庭と仕事の両立支援に力を入れる。
 ほかにもフレックスタイム制度、半日・時間単位の有給休暇制度、在宅勤務制度といったワーク・ライフ・バランスを進めるための制度が数多く整備されている。

 2位も昨年と同じ通信大手のKDDI(570.0点)となった。人材活用14位(95.9点)、環境37位(95.9点)、企業統治+社会性6位(98.3点)、財務9位(279.9点)とバランスよく得点したが、ドコモにわずかに及ばず2年連続で2位となった。

 CSR活動のマテリアリティに「多様な人材の育成と働きがいのある労働環境の実現」を掲げ、事業活動の基本に「人」を置く。育児のための短時間勤務、始業時間の繰り上げ・繰り下げ、時間外労働の免除・制限などを子が9歳に達する日を含む年度の3月31日まで取得可能。介護休職が対象家族1人につき365日まで取得可能といった各種ワーク・ライフ・バランス制度の充実はトップクラスだ。
 「KDDIサプライチェーンCSR推進ガイドライン」を日本語・英語で策定し取引先へ周知。調達先監査・評価も行い、サプライチェーン全体でCSR調達に取り組んでいる。開発途上国への技術移転の一環として通信技術専門家を派遣し、各国の通信事情の改善に寄与するなど「社会課題解決」にも積極的。専任のサステナビリティ担当役員が会社の課題を幅広く見渡せる体制を築くなど「企業統治+社会性」の高得点につながった。

環境分野の取り組みも多い。携帯電話基地局では太陽光発電と蓄電池・深夜電力を組み合わせ、CO2
排出量を30%低減。遊休地を利用した太陽光発電事業も開始している。

■3位にランクインした花王、4位にブリヂストン

 3位は昨年5位から上昇した花王(569.7点)。人材活用1位(100.0点)、環境66位(94.6点)、企業統治+社会性53位(94.9点)、財務8位(280.2点)と特に人材活用に強みがある。

 女性管理職比率15.5%と高い女性比率や65歳までの完全雇用制度整備などは特筆もの。パートナーとともに参加できる育児休職復職前セミナー、育児中の男女社員による情報交換のためのランチミーティングなど子育て社員の支援を行っている。
 4位は昨年3位から1つランクダウンしたブリヂストン(566.8点)。人材活用64位(90.7点)、環境15位(97.3点)、企業統治+社会性3位(98.9点)、財務9位(279.9点)といずれも高得点だった。

 事業活動をベースにした社会課題解決にも積極的。インドネシアの自社グループ農園周辺で火災等により消失した国有林に、環境的・経済的に持続可能な混交林(パラゴムノキを含む)を造成し、2016年までで累計57haの森林回復と地域住民の自立に貢献。ほかにも現地の高校卒業生を受け入れる職業訓練学校をインドネシアで運営。自社人材の育成だけでなく地元の技術向上にも貢献している。
 以下5位富士フイルムホールディングス(565.2点)、6位コマツ(563.5点)、7位富士ゼロックス(561.5点)、8位ダイキン工業(559.1点)と続く。

 大きく順位を上げたのは56位→17位のJT(552.5点)、99位→28位のヤフー(547.7点)、76位→35位のNTTデータ(546.3点)などだった。

 101~200位では、東芝(510.7点)が330位から137位に急上昇。2015年度の不正会計問題の再発防止策のひとつとしてガバナンス強化に注力。以前は少なかった内部通報も社外取締役で構成される監査委員会に直接通報できるよう変更し2016年度には399件に増加。2017年度も280件と高水準が続いている。
 ほかに159位長谷工コーポレーション(503.6点)も昨年259位から上昇した。

 200位台では、367位から201位に上がった大正製薬ホールディングス(490.9点)、431位から258位に上がったナブテスコ(477.9点)の2社が目立った。

 301位以下は総合ポイントのみを紹介する。321位イトーキ(461.2点)が昨年498位から大きく上昇。344位はアース製薬(454.8点)が454位から上昇。いずれも300位以内が見えてきた。
■評価項目での各部門トップについても紹介

 評価項目の各部門トップは、人材活用が花王(総合3位)、ANAホールディングス(同43位)、SOMPOホールディングスの3社。

 ANA HDは2020年までに海外事業所における現地雇用社員の管理職比率を部課長クラス20%、マネジャークラス60%を目指すなどダイバーシティの取り組みが進んでいる。SOMPOは女性管理職比率16.9%と高い女性比率。子育て支援も幅広い制度を整える。さらに男性の育児休業取得100%を目標に取り組んでいる。
環境はイオン(総合52位)とSOMPOホールディングス。イオンは2050年までにグループ全体でCO2
排出量ゼロを目指す「イオン脱炭素ビジョン2050」を2018年3月に発表。中間目標として2030年までに2010年度比CO2
排出量35%削減を実施中。食品廃棄物の半減も目指して取り組みを進めている。

 SOMPOは気候変動による自然災害の増加は、保険金支払いの増加につながるといった危機意識を持つ。自社の環境負荷削減だけでなく、干ばつ被害に伴う収入減少を補償する「天候インデックス保険」を提供するなど、社会での課題解決の意識も高い。
■企業統治と社会性の部門については? 

 企業統治+社会性はNTTドコモとオムロン(同25位)。オムロンはグループ全体に適用される「統合リスクマネジメントルール」を制定。国内外のグループ会社で、リスクマネジメントを推進する「リスクマネージャ」を選任するなどガバナンス面の取り組みが進んでいる。

 CSR3部門の合計はSOMPO(298.3点)が昨年に続き1位。財務部門ではキーエンスが昨年と同じく首位(285.7点)となった。時価総額は全上場企業でもトップクラス。ただ、CSR得点は40点で合計ポイントは325.7点、総合順位は781位となった。
 ESG(環境・社会・ガバナンス)投資に注目が集まり、CSRなどの多くの非財務情報で企業を評価するようになってきた。このCSR企業ランキングもその一つとして幅広く利用されるよう評価のレベルを今後も上げていきたい。
岸本 吉浩 :東洋経済『CSR企業総覧』編集長

最終更新:6月17日(月)6時20分

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