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TKP Research Memo(1):2019年2月期業績も拡大。日本リージャス買収によりオフィス事業参入

5月24日(金)15時01分配信 フィスコ

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■要約

ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。また、ケータリングや宿泊などの周辺サービスによる差別化や高付加価値化にも取り組んでいる。

貸会議室は目的や予算に応じて5つのグレードに分かれるが、会議室数は合計2,137室(うち、海外33室)に上り、全国の主要都市に幅広く展開している(2019年2月期末時点)。また、年間利用企業数は約26,000社(うち、上場企業約2,000社)を誇り、85%の高いリピート率により安定収益基盤を形成するとともに、今後の事業展開の可能性を広げる重要な資産となっている。

2019年4月15日には、レンタルオフィス「Regus」を展開する日本リージャスホールディングス(株)(以下、日本リージャス)の子会社化(全株式の取得)により、短中期のオフィス事業への本格参入を公表した。これまでの会議室利用(時間貸し)だけでなく、オフィス利用(月貸し等)への展開により、ポテンシャルの大きな日本のフレキシブルオフィスマーケットをけん引していく方針である。

1. 2019年2月期決算の概要
2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比23.8%増の35,523百万円、営業利益が同24.3%増の4,289百万円と期初予想を上回る大幅な増収及び営業増益を実現し、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。高グレード会議室を軸とした積極出店が奏功するとともに、ホテル事業の伸長、周辺サービスの取り込みによる単価向上などが増収に寄与した。特に、営業人員の増強が稼働率の向上にも貢献しており、これまでの先行投資が実を結んできたと言える。利益面では、積極出店や大型ホテルの開業にかかる費用、事業拡大に向けた人員増強に伴う人件費等により先行費用が増加したものの、単価向上(高付加価値化)や高稼働により吸収し、営業増益を実現した。

2. 2020年2月期の連結業績予想
2020年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比18.8%増の42,209百万円、営業利益を同40.7%増の6,002百万円と発表した。ただし、この予想値は1年前に更新した中期経営計画を据え置いた水準であり、日本リージャス買収による影響を始め、足元業績の伸びも反映されていないことに注意が必要である。したがって、日本リージャス買収による影響を精査した上で、改めて業績予想が発表されるものと考えられる。弊社では、高グレード会議室を軸とした前期出店分が業績の底上げに寄与することに加え、2020年2月期も積極出店を継続する方針であること、また、ホテル事業についても前期出店分や2020年2月期出店予定分が増収要因となることから、日本リージャス買収による影響を除いても、年率20%を超える売上成長を持続することは可能であるとみている。また、利益面でも、上位グレードによる高付加価値化や営業力の増強に伴う稼働率の向上により収益性も高まる傾向にあることから、大幅な営業増益を実現する可能性は高いだろう。したがって、日本リージャス買収による財務面や期間損益への影響はもちろん、シナジー創出に向けた道筋が2020年2月期の業績予想にどのように織り込まれるのかに注目したい。

3. 成長戦略
同社は、2021年2月期を最終年度とする中期経営計画を推進してきた。ただ、今回の日本リージャス買収に伴って、改めて中期経営計画が公表される予定である。これまでは、「持たざる経営」、「積極的な出店の継続」、「宿泊を含めた周辺事業の取り込み・内製化」、「M&Aを含む新規事業分野の開発」、「既存スペースの更なる有効活用」、「高付加価値化と効率化」などに取り組み、とりわけ開発案件(パイプライン3拠点)が進行しているホテル事業が、宿泊研修市場の確立などによって成長を加速する戦略を描いてきた。今後もその方向性に大きな変化はないものと考えられるが、今回のM&Aによるサービス領域の拡充や既存事業とのシナジー創出が、どのようなペースで上乗せされてくるのかが新たな注目点となるだろう。

■Key Points
・2019年2月期の業績も順調に拡大し、売上高、営業利益ともに過去最高を更新
・高グレード会議室を軸とした積極出店が奏功するとともに、ホテル事業の伸長、周辺サービスの取り込みによる単価向上などが増収に寄与
・2019年4月15日には、レンタルオフィス「Regus」を展開する日本リージャスの子会社化により、短中期のオフィス事業への本格参入を公表
・これまでの会議室利用(時間貸し)だけでなく、オフィス利用(月貸し等)への展開により、ポテンシャルの大きな日本のフレキシブルオフィスマーケットをけん引していく方針である

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


《YM》
株式会社フィスコ

最終更新:5月24日(金)15時16分

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