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資産を着実に増やせる投資信託「3つの基準」

5月23日(木)5時40分配信 東洋経済オンライン

初心者が陥りがちな元本の目減りをいかに避け、資産を着実に積み上げられるかが大切(写真: HM/PIXTA)
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初心者が陥りがちな元本の目減りをいかに避け、資産を着実に積み上げられるかが大切(写真: HM/PIXTA)
前回記事「初心者が買ってはいけない『5つの投資信託』」で、「ターゲットイヤー型」「ファンドラップ」「テーマ型」「ロボアド」「高金利通貨選択型」といった、元本の「目減りリスク」の高い投資信託についてご紹介しました。

 それぞれのリスクについては記事を参照していただくとして、初心者が投信を購入する際、これら5つのものを外せば、自分に適した、かつ着実に資産を増やせる投信は自ずと絞られるというお話をしました。しかし、この5つを外した先に最適なものが見つけられるかというと、そう簡単ではありません。
 そこで今回は、サラリーマンの資産形成に適した投信を選ぶ際の「3つの基準」を紹介していきます。

■30年平均リターンからわかる「投資すべき市場」

 【基準1】世界の市場に幅広く投資しているか

 本業があるサラリーマンが資産運用をするには、相場の波に一喜一憂せずにすむもの。そして、長期間保有で着実に元本が増えていくものが好ましいといえます。

 そのポイントは、投信が世界の市場に幅広く投資を行っているかどうかです。ある1国の市場に投資先を限定するのではなく、世界全体に広く投資先を分散させることで途中相場の波乱が起こっても、長期で見ると安定的に価格が上昇していくといわれています。
 例えば、日経平均株価のここ30年の年率平均リターンは-1.3%程度と、0を下回ります。一方、世界の先進国や新興国の株式で構成されるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスという指数は、ここ30年の年率平均リターンは+7.2%程度。つまり、日本という個別の地域に投資するよりも、全世界の株式に幅広く投資していたほうが長期的には運用結果はプラスになったといえます。

 世界の市場に投資するためには、全世界株式型の商品を1つ選ぶ。もしくは、日本株式、先進国株式、新興国株式といった主要な指数に連動する商品を、それぞれ3つ選ぶといった方法があります。
 前者であれば、「eMAXIS Slim 全世界株式」インデックスや「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」などが該当します。前述したMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動した成果を目指す商品であれば、1本で世界の市場に投資できるのです。

 後者であれば、購入する商品数は増えることになりますが、その分、自分のリスク許容度に応じて配分比率を調整しやすくなります。 

 商品の組み合わせを決めたら、同じ指数に連動するもの同士、トラッキングエラーの値を基に優劣も確認しておきましょう。
 トラッキングエラーとは、連動を目指している指数と実際の運用成績との差を数値で表現したものです。この値が小さいほど、指数の動きにより則した運用を行っています。インデックス型のように指数に連動した成果を目指す投信の場合、トラッキングエラーの値が小さいほど優秀といえます。一方、アクティブ型のように指数を上回る成果を目指す投信は、トラッキングエラーの値によって優劣は判断できません。

 トラッキングエラーの値については、口座を開設していなくとも楽天証券などの個別商品ページから確認できます。
■資産規模の拡大で信託報酬は下がりやすい

 【基準2】純資産総額は一定規模あるか

 純資産総額とは投信規模の大きさを示したもので、基準価額に投資家の全保有口数をかけて算出することができます。前述した指数への連動を目指す投信、つまりインデックス型は、基本的に純資産総額は大きいほうがいいといわれています。資金が豊富なため、より安定した運用を行えるのはもちろん、商品によっては純資産総額の規模に応じて、信託報酬(投資信託を保有中にずっとかかるコスト)を下げるものも存在するためです。
 先ほど紹介した「eMAXIS Slim 全世界株式」インデックスの目論見書を見ると、純資産総額が500億円を超えれば、信託報酬を0.142%(税抜)から0.137%(税抜)へと引き下げる旨が記載されています。

 一方、アクティブ型の場合、単純に純資産総額が大きければ大きいほどいいというわけではありません。純資産総額が大きいアクティブ型は、自分たちの売買が株価に影響を与えてしまうため、基本的に投資先は規模の大きい会社に限られてしまいます。それに対して、純資産総額が中規模程度であれば、成長期待の高い小型株を含め、機動的な投資を行いやすくなります。つまり、高リターンも狙いやすいわけです。
 実際、過去5年間のリターンランキングを見ると、純資産総額が50億~300億円程度の投信に集中していることがわかります。ただ、あまりにも小さすぎると、繰上償還といって途中で運用が止まる可能性があるのも考慮しておきましょう。

■信託報酬0.7%の差が結果に大きく影響する

 【基準3】低コストであるか

 投信は個別株投資と比べて、基本的には長期投資が前提となります。長期投資においては、リターン以上に保有期間中にかかるコスト、つまり信託報酬がより低いかどうかに目を向けましょう。
 例えば、期待利回り3%の投信に毎月3万円投資する場合、信託報酬が0.7%異なるだけで、30年間で166万円以上も運用結果に差がつくことがわかります。とくに、インデックス型と呼ばれる投信は、年率0.1%~0.5%程度の信託報酬なので、年率1.0%~2.0%程度のアクティブ型と比べると、よりコストを抑えることができます。今後の運用結果を予測するのは難しいですが、このように、手数料の違いであれば購入の時点で比較検討しやすいはずです。
 ここまでご紹介したように、サラリーマンが投信を購入する際は、「世界の市場に幅広く投資できるか」「純資産総額は一定の規模か」「低コストか」といった観点で商品を検討してみることをお勧めします。
吉田 祐基 :ライター兼編集者

最終更新:5月23日(木)5時40分

東洋経済オンライン

 

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