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相次ぐ「終身雇用見直し」発言、一方政府は定年延長の方針 私たちの雇用はどうなる?

5月23日(木)11時40分配信 THE PAGE

経済界「終身雇用は限界」 企業が現実を認識

経団連の中西宏明会長(写真:Natsuki Sakai/アフロ)
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経団連の中西宏明会長(写真:Natsuki Sakai/アフロ)
 経済界のリーダーが相次いで終身雇用の見直しを示唆する発言を行っています。これまで正社員の雇用は聖域とされていたことを考えると極めて大きな変化といってよいでしょう。令和時代とともに、戦後日本の象徴だった終身雇用制度は名実ともに終了する可能性が高まっています。

 経団連会長の中西宏明氏は4月、「経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っている」と発言し、雇用のあり方について見直す可能性を示唆しました。続いて、トヨタ自動車の豊田章男社長も「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきたのではないか」と述べ、終身雇用の見直しについて言及しました。経済団体のトップと、日本を代表する企業のトップが揃って終身雇用の見直しに言及したことから、経済界には衝撃が走っています。

 これまでの日本社会では、正社員の終身雇用は「聖域」とされており、見直しについての議論は一種のタブーとされてきました。しかしながら、企業にとって半永久的に社員を雇用することは過大な負担となっており、多くの企業がそれに耐える力がなくなっています。若い世代の人にとっては、もはや終身雇用というのは幻想となっていますが、いよいよ企業の側もその現実を認識し始めたということでしょう。

政府は事実上の生涯雇用を企業に義務付け

 しかしながら日本は未曾有の高齢化社会に突入しており、年金財政も悪化していることから、年金だけで老後の生活を維持することは困難です。政府はこうした事態を受け、5月15日に開催された未来投資会議において、希望すれば70歳まで働き続けられるよう企業に努力義務を課す方針を固めました。企業側は終身雇用の見直しに言及する一方で、政府は事実上の生涯雇用を義務付けるという動きを見せているわけです。

 一部からは、企業側は解雇規制の撤廃を視野に入れているとの指摘も出ていますが、最終的に雇用制度がどうなるのかは現時点では分かりません。一方で、多くの人が一生涯労働を続けないと生活が維持できないのも事実であり、しかも深刻な人手不足は当分の間、継続する見通しです。

 今後は、同じ会社に継続して勤めることができたとしても、待遇は大幅に引き下げられ、職種も選択できなくなる可能性が高いでしょう。形式的には終身雇用が続くものの、実質的には終身雇用が崩壊するという形で、日本型雇用制度は終わりを迎えるのかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5月23日(木)11時40分

THE PAGE

 

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