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【日経新聞1面】国保の公費依存脱却進まず抜本改革が必要【本日の材料と銘柄】

5月21日(火)12時06分配信 フィスコ

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国保の公費依存脱却進まず抜本改革が必要
国保、保険料上げ進まず、主要市区過半が下げ・据え置き、税で補填、緩む規律

国民健康保険が公費依存の体質を抜け出せない。財政健全化のため2018年度に運営を都道府県に移したが、主要市区の過半が税金で赤字を穴埋めし、保険料を下げたり、据え置いたり、一部は前年度より穴埋めを増やしている。加入者の反発を避けるためだが、国保の財政規律が緩んだままでは、医療費増加に拍車をかける懸念がある。

国保は自営業者や退職者、パート労働者が加入、保険料は市区町村が決める。多くで赤字が常態化、保険料を上げず市町村の一般会計からの繰り入れで穴埋めしてきた。赤字体質を脱するため都道府県単位の運営とする制度改革が18年度に始まり、国保に自治体からの税補填に頼らない自立運営を求めた。新制度は本来の保険料水準を都道府県が示し、それを参考に市町村が決める。主要市区のほとんどの国保は保険料を引き上げる必要がある。

日本経済新聞は、東京23区、政令指定都市、中核市の計101市区の18年度の予算と保険料を17年度実績と比べた。18年度の補正後の一般会計からの赤字穴埋め額がゼロだったのは8市だけで、93市区は一般会計からの繰り入れを続けている。うち29市区が17年度より保険料を引き下げ、25市が据え置いた。本来は保険料の引き上げで赤字を埋める必要がある54市区のうち12市は税投入を増やしていることも明らかになった。保険料を上げても、その幅を縮めるために一般会計を使う自治体も多い。この結果、繰入額を増やしたところは全体の3割に達し、101市区の繰入総額は1138億円と、減少幅は16%にとどまった。

公費依存を強めた背景は、加入者減の変化を織り込めていないことと、「首都圏では近隣より保険料が低いとアピールするため公費を投じる」など自治体の住民獲得競争。市区町村が国保の赤字穴埋めに税金を使うのは加入者全員へのバラマキに近く、保険料徴収など国保運営の手綱が緩みやすくなる。「赤字穴埋めの一般会計からの公費繰り入れは給付と負担の関係が曖昧になる。原則禁止とすべきだ」との指摘もある。

国民健康保険の赤字体質は一向に改善されず、多額の公費依存が続いており、地方財政を圧迫する大きな要因になっている。意識改革を含め抜本的な解決策を講じる必要があると同時に、一層の医療の効率化を進めることで、全国的な医療費の増大傾向を抑制することも重要であり、医療経営に関わる企業に注目する。



<3902>MDV {病院経営を支援、医療機関や健康保険組合に経営支援システムを提供}
<9792>ニチイ学館   {介護事業大手、医療事務受託最大手}
<9783>ベネッセHD  {通信教育最大手、介護事業・保育関連も手掛ける}
※この記事は、無料のスマートフォンアプリ「FISCO」に先行配信された記事を転載したものです。
《FA》
株式会社フィスコ

最終更新:5月21日(火)15時36分

フィスコ

 

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