ここから本文です

自動運転時代に有人オペレーションの必要性が高まるという不思議

5月20日(月)6時01分配信 ダイヤモンド・オンライン

Photo:iStock/gettyimages
拡大写真
Photo:iStock/gettyimages
● 安全に自動運転を導入するためには どのようなステップを踏めばいいのか

 クルマの自動運転時代はすぐそこまで来ている、といわれる。だが、「自動運転実験車が事故を起こした」というニュースが流れるたびに、“まだ完全自動運転化は時期尚早”という雰囲気になる。TUオートモーティブという自動車関連のリサーチ会社によると、米国でも国民の70%がまだ自動運転に懐疑的だという。

 安全に自動運転を導入するためには、どのようなステップを踏めばいいのか。自動運転に移行するプロセスをサポートする企業がオレゴン州に登場した。社名はデザイネーテッド・ドライバーといい、人間が自動運転車両をモニターし、何か問題が起きたときにリモートで車両をコントロールして対応する、というサービスを提供する。

 サービスの具体的な手順は――まず、自動運転車両に同社が開発したハードウエアとソフトウエアのキットを設置する。これが緊急時にオペレーターとコンタクトをとるシステムであり、通報を受けたオペレーターが車両をモニターし、コントロールするためのユニットになる。

 モニター側は操作用ステーションを設置する。このステーションは6面のスクリーンから成り、自動運転車両に搭載されたカメラの映像をモニターする。このシステムには遠隔操作用ステアリングが含まれており、緊急時にオペレーターが車両を操作できる。
● 最も大切なのがシステムをモニターし 操作するオペレーターの存在

 そして最も大切なのが、このシステムをモニターし操作するオペレーターの存在だ。同社はこのオペレーターを独自に訓練し、「認定を得たスペシャリストがサービスを提供する」と説明している。

 こうしたテレオペレーションは、自動運転の安全を確保する装置としてグーグルのウェイモやウーバーでも採用している。デザイネーテッド社は「今後数年で、こうした自動運転に特化したテレオペレーションのシェア20%を確保したい」として、現在サービスの売り込みを行っている。今後、完全な自動運転システムが完成した場合でも、“テレオペレーションの存在は必要”という認識が高まっており、成長が見込まれているビジネス分野だ。

 というのも、現在カリフォルニア州などで完全自動運転の走行実験が始まっているが、同州は「ドライバー不在のクルマを動かす場合、テレオペレーションシステムを義務づける」と法律で定めている。つまり、完全に無人の自動運転は認められていない。同じような法律はフロリダ、アリゾナ、オレゴン各州にもあり、他州にも広がりを見せる勢いだ。

 デザイネーテッド社のシステムは、オペレーターが遠隔で全操作ができる。クルマを止めたり動かしたりするだけでなく、ウインカー操作、クラクションを鳴らす、ギアチェンジを行う、などだ。
● 自動運転時代も有人の テレオペレーションの必要性が高まる不思議

 もっとも、テレオペレーションが一般に普及するには多くの問題がある。まず1台につき1名のオペレーターが必要になる。それならば実際にドライバーが運転する場合と、コストは変わらない。また、もしオペレーターに判断ミスがあれば、事故につながる恐れがある。

 遠隔操作システムは今後、キットとオペレーションの訓練をセットにして、たとえば工事用車両、農業用車両などを自動化する法人に販売される可能性がある。自動運転車両で効率化を図り、リモート管理で安全性を高める、という使い方だ。企業が大がかりに自動運転システムを導入する場合、安全対策としてのテレオペレーションは必須になる。

 自動運転技術が成熟し、モニターシステムが必要なくなるまでの一時的な仕事になるかもしれないが、企業にとって安全対策(モニタリング)は不可欠といえる。自動運転時代だからこそ、有人のテレオペレーションの必要性が高まってくる……ちょっと不思議!?

 (報告/土方細秩子、まとめ/CAR and DRIVER編集部)
CAR and DRIVER

最終更新:5月20日(月)12時35分

ダイヤモンド・オンライン

 

情報提供元(外部サイト)

週刊ダイヤモンド

週刊ダイヤモンド

ダイヤモンド社

2019年6月22日号
発売日6月17日

定価710円(税込み)

特集 最新版 倒産危険度ランキング
忍び寄る大倒産時代の足音
特集2 WSJで読み解く
テスラ危機の真相

【あわせて読みたい】

【PR】Yahoo!ファイナンスからのお知らせ

Yahoo!ファイナンスの特集

平均年収ランキング

ヘッドライン