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トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明(全文5完)「トヨタは大丈夫」が一番危険

5月8日(水)18時09分配信 THE PAGE

左から、白柳執行役員、小林副社長、豊田社長、寺師副社長
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左から、白柳執行役員、小林副社長、豊田社長、寺師副社長
 トヨタ自動車は8日午後、2019年3月期決算の説明会を開いた。決算概要の説明後、豊田章男社長が今後の事業方針を説明した。

※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「トヨタ、2019年3月期の決算発表 豊田社長が事業方針説明」に対応しております。

     ◇     ◇

寺師副社長「戦略を一緒に立てることがとても大事」

寺師:寺師でございます。少し私のほうからもご説明をさせていただきたいと思います。社長の豊田のほうから、先ほどのプレゼンテーションの中にもありましたけれども、コネクティッドシティっていう、いわゆる町づくり、国づくりを考えたときに、われわれはこれまでこういう車を出して買っていただくっていう、そういうようなビジネスのスタイルだったんですけれども、例えばある国の問題を解決するにはモビリティーとしてどういうお役に立てるかっていう、そういう戦略を一緒に立てるっていうのがとても大事だというふうに思います。

 例えば空気、大気汚染の問題。ですからEVを入れたいっていうふうにやりましても、すぐにはインフラの問題でやっぱり入らないということであれば、例えば最初のうちの何年かはハイブリッドを入れましょう。これは例えば30%ぐらいCO2とかいろんなものがきれいになるとすると、電気自動車を10%入れた分と同じぐらいですよね。ですからハイブリッドを当然入れてインフラの準備をしましょうと。

 で、インフラの準備が整い始めたら、まだ少ない間は例えば公営のバスですとかタクシーですとか、そういう公共交通機関からそういう電動車をどんどん入れていって、その分需要をどんどん増やしていって、次の準備をしましょう。

 その次ぐらいから皆さんが買えるようなEVだったりFCVだったりっていう、短期的な戦略ではなく中長期にわたって、どうやってその国を良くしていくのか、地域を良くしていくのかっていう考え方を一緒に相談しましょうよっていうふうに声を掛けていただけるような会社になれば、ますますわれわれは貢献できると。

 全方位の電動車をやるっていうふうに言っておりますので、それぞれの国ですとかそれぞれの地域に合ったいろんな選択肢がわれわれありますので、それを一緒に協力させていただければいいかなというふうに思います。

司会:よろしいでしょうか。それでは次のご質問いかがでしょうか。では前から5番目の今手をあげていただいている方、お願いいたします。

株主還元の基本的な考え方を教えてほしい

三井住友銀行:三井住友銀行の【ミヤタ 01:36:38】と申します。よろしくお願いします。今まで出てない切り口の質問なんですが、株主還元っていう点についてお伺いしたいと思います。今、私ども金融業、日本でどんな流れに取り組んでいるかっていうことから、質問のバックグラウンドからお話ししたいと思うんですけれども、貯蓄を投資に回して、その投資資金が企業、あるいは企業活動、経済活動を活性化する、こういった大きな流れの中にいると思います。

 そういう中で中長期的な投資、特に個人の投資っていうことを考えるわけでございますけれども、そういうときに個人投資家がどういう目線で投資する株を選ぶんだろうとよく考えるんですね。

 これは日本を代表する株式であるトヨタ自動車の株式に当てはめて考えると、3つぐらい要素があると思うんです。1つ目は、どの会社が好きっていうふうに個人の方が思えるかどうか。2つ目は、その会社がどういうふうに成長していくかっていうことでわくわくできるか。3つ目はもっと即物的なんですが、配当といった実際のメリット。こういうことだと思います。

 そういう中で言いますと、今日の質疑応答の中で豊田社長からはトヨタファン、いい製品、1番目のテーマですね、どの会社が好きになるかっていうテーマについてはお話しいただいたと思います。それから会場の入り口の赤いスープラもとてもいい出来栄えだと思います。

 それから2つ目ですね。成長期待についても、このセッションでずいぶんお話しいただいた。世の中が大変な変化、リスク、チャレンジある中で、どういうふうにトヨタ自動車さんが変わっていくか、やっていくかってお話しいただいた。

 あと残っているのは、私なりに考えると株主還元ということではないかと思っています。近年、実際に配当を増やしてこられています。これは承知の上で、中長期的な目線でトヨタ自動車株に投資していく投資家に対して、何か基本的なお考えをぜひ豊田社長から伺えれば、こういうふうに思うわけです。以上でございます。

豊田:トヨタ株というのは投資家の方々にとってどんな魅力があるんだろうかということで考えますと、たぶんポートフォリオの中でトヨタ株は、いわば安定が求められる1つの銘柄として、ファンドのメニューの中に組み込まれている方が多いんじゃないのかなというふうに思っております。そういう意味では私どもは、今後の成長戦略を考える上で、非常に重要な2つのキーワードはやはり持続的成長と競争力強化に尽きるんじゃないのかなというふうに思います。

 持続的成長というのは、先ほど話の中でも申しましたけれども、どんなに経営環境が悪化したとしても着実にこつこつと、地味でしょうが成長し続ける会社にしたいと。それを長期にわたってトヨタの銘柄として信頼を得るということがまず1つ。

豊田社長「未来への投資、企業自体のモデルチェンジに取り組んでいる」

 競争力のほうは、やはりいろいろCASEをはじめ、いろんなテクノロジーカンパニーとかいろんな他業種と組む必要性がございますが、やはりトヨタが何十年も培ってきましたリアルの世界で選ばれる存在になる。そしてトヨタが成長するということは世の中にとっていいことであるというふうに思われることが必要なんじゃないのかなと思っております。

 やはり私どもとしては、トヨタの株を中長期にわたって持って良かったなと思っていただく方が徐々に増えていただくことが大変ありがたいというふうに思っておりますけれども、それは日々の努力によるものだというふうに思いますし、あとは私もこの数年間、設備投資1兆円、研究開発費1兆円、そして株主還元1兆円というレベルを続けていきながら、未来への投資、企業自体のモデルチェンジをやっております。

 この還元を続ける実力を維持しながら、未来への投資を遅れないようにしていくことが大変大きな課題になるかなというふうにも思っておりますので、いずれにしても中長期的な視点でトヨタ株を保有していただける株主の方々に、トヨタの株を持っていて良かったと言っていただくよう、今後も努力してまいりますので、ご支援よろしくお願いをしたいというふうに思います。

司会:よろしいでしょうか。では予定の時間も近づいてまいりましたので、ここから先は恐れ入りますがお1人さま1問ずつでお願いできればと存じます。いかがでしょうか。では真ん中の列の前から2番目の真ん中の方、お願いいたします。

豊田社長が考える世界の移動の幸せとは?

記者1:お世話になります、【シンリョウ 01:42:18】です。幾つかもう出ているので、一部重複があったらごめんなさい。次の10年なんですけど、トヨタの周りにはいろんな問題が山積しています。その中で日本と世界にとってトヨタが移動の幸せ、愛も大事だし、ありがとうも、笑顔も全部大事で、それは幸せだと思うんですね。その幸せをトヨタはどのように世界の人たちに分けてくれるのか、あるいは増やしてくれるのか。その1点だけ確認させていただきます。社長の考える世界の移動の幸せとはいったいなんなんでしょうか。

豊田:移動の幸せの陰に移動の不幸せもあるんですね。例えば交通事故とか、いわば大気汚染だとか、こういう問題はやっぱりモビリティー社会、モビリティー会社に関わる上で、非常に解決すべきネガティブな話だと思います。ですからこういう話をできる限りミニマイズしていきたい。それによって、相対的に今シンリョウさんが言われたような、車に愛をだとか、ああいうようなことが結果的にマキシマイズしていくところを、毎日、これもまた地道にやっていくしかないんだろうなというふうに思います。

 残念ながら、交通事故が昨今大きくニュースで取り上げられてまいります。いつも犠牲になられる方というのが、本当に幸せな日々を送っておられた方ばかりなんですね。ですからこういう社会が、自動車会社に関わっている者としては大変心が痛く、悲しい思いをしております。ただそれをどう、最後、交通事故死、重大事故というものをゼロに持っていけるようにするかというのは、まだまだ長い道のりかもしれませんが、これだけは絶対に変わらぬ軸として今後も進めていきたいというふうに思っております。

司会:よろしいでしょうか。それでは予定の時間を過ぎておりますので、あとおひと方とさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。それではもうあと2、3名ということでお時間を延長させていただきますが、先ほども申し上げましたが、ホンダさんの決算もございますので、どうぞご遠慮なくご退出ください。

豊田:どうぞ、本当ご遠慮なく。ホンダさんからとやかく言われても困りますから。

司会:では真ん中の前から4列目ですかね、今、眼鏡を掛けていらっしゃる。

従来のビジネスモデルをどう変えるのか

東洋経済新報社:東洋経済、【ヤマダ 01:45:25】と申します。じゃあ1点だけお願いいたします。先ほど、成功体験のある会社を変えていく難しさですとか、ビジネスモデルを変えていく必要性というのをおっしゃっていて、自動車のビジネスモデルというのも、たぶん大成功したモデルだと思うんですが、いずれにしろ成功体験のあるものを変えていくというのは、非常に摩擦があると思うんですね。これに対して、摩擦だったり反発だったりをどういうふうに対応していくのか。強行突破のような形で変えていくのか、ある程度待つのか、そうは言っても待っていられない部分というのもありますし、その辺りの考えを伺わせてください。よろしくお願いいたします。

豊田:それが分かっていたら苦労しないんですよね。答えがないんですよね。それでそのいずれのやり方も、何が正解だかよく分かりません。ですけど、やらなければ、何か実行してみなければ反応も分かりません。

 ですから、意思を持って、右向け右と行くんだったら右に行きながら、誰も向いてないなとなれば、ちょっと戻ってみるとか。行ったらやっぱり間違いだったなと思ったらやめてみるとか。ということをやっぱり諦めずにこつこつと続けること以外はないと思います。

 それを日々やっているだけでありますので、ぜひとも叱咤もいいんですが、たまに激励もしていただきながら、ぜひとも変化に対して追い風をいただけるようお願いをしたいなというふうに思います。

司会:ありがとうございます。それでは次、ご質問いかがでしょうか。では、真ん中の列、一番後ろの方、お願いいたします。

愛の付く工業製品は維持できるのか

ニッポン放送:ニッポン放送、畑中と申しますが、豊田社長に伺います。豊田社長はかねてから、さっきちょっとありましたけど、車は愛の付く工業製品だと、愛車というような表現をされていました。これからCASEの時代に向かいます。CASE、とりわけシェアリングの時代ですと、所有から共有の時代ともいわれておりますけれども。とは言いましても、ユーザーから見ますと、やっぱり所有することで愛着が持てるという側面もあるんだと思います。

 こういう時代になって、社長の言われるその愛の付く工業製品は維持できるものなのか、そこら辺のバランスをどう取っていかれるのか、難しいのかなというふうに私は思うんですが、豊田社長のお考えをお聞かせください。

豊田:所有と共有は両方ともわれわれ自動車メーカーにとっては必要だというふうに思います。私がよく言う例は、歯ブラシとタオルということはよく言います。ホテルに泊まられたときに、歯ブラシは共有されないんですね。ところがタオルは皆さん共有されています。この違いはいったいなんなんだろうかということに尽きると思います。ですから、タオルの場合は共有するにせよ、清潔である、安心・安全であるということが分からないと共有はしないと思います。

 それでじゃあなんで歯ブラシは、清潔である、安心・安全であるとなってもやっぱり自分の所有でいくと思うんですよね。この辺に、愛の付く工業製品である自動車が所有と共有でいったとしても、その辺に答えが隠されているんじゃなのかなというふうに思います。そういうことを社内でも語りながら、多くのエンジニア、多くの営業マン、多くの管理職の皆さんとこういうことを議論し始めておりますが、まだこれといった答えは出ておりませんので、トヨタは両方に乗っていくといういき方を今は選んでおります。

司会:それでは予定の時間も過ぎておりますので、最後のおひと方、いかがでしょうか。真ん中の、一番前の方。お願いいたします。

トヨタが抱える課題で一番怖いものは何か

読売新聞:読売新聞社、【イソズミ 01:49:50】といいます、豊田社長にお願いしたいと思います。社長は常々、生きるか死ぬかの戦い、自動車業界大変革の時代に突入しているとおっしゃっておりますが、決算を見ますと売上高30兆円、利益もここ何年か2兆円レベルが続いているというふうに思います。そんな中で豊田社長が最も恐れているもの、トヨタの抱えている課題で一番怖いものは何か。言い換えますと、どういう状況になったときにトヨタが死んでしまうのかとお考えなのか、その辺りについて率直なご意見、お考えを伺えればと思います。

豊田:トヨタは大丈夫だと思うっていうことですね。よく社内で話をしていても、私はなんでこんなに危機感をあおるんですかっていうことをよく言われます。私は別に危機感をあおっているわけじゃなくて、価値観を向上したいというふうに思っている発言がこれに結び付いていると思うんですね。

 そういう中において、トヨタは大丈夫でしょうと。社長は何を心配しているんですかっていうのが一番、私にとっては危険な言動なんじゃないのかなと思います。これだけ世の中が変わっている中、そして日々いろんな事件が起こっている中、日々いろんな変化が起こっている中、やはり全ての変化に神経を研ぎ澄まさせて、それに追随していく企業体質というのをこれだけ大きな会社でやっていく中で、トヨタは大丈夫でしょうという気持ちが、私は一番危機に陥るんじゃないのかなというふうに思っておりますので、ここは今後も変わらず、価値観向上をベースに、たとえ周りからは危機感をあおり過ぎと言われようが何しようが、これは価値を上げることは、お客さまにとっても私どものパートナーにとっても、どなたにとってもいいことだというふうに思っておりますので、これは続けていきたいなと思っております。

司会:ありがとうございました。それでは予定の時間も過ぎておりますので、決算説明会を終了させていただきます。本日はお忙しい中お越しいただきまして、また長時間お付き合いいただき誠にありがとうございました。

(完)【書き起こし】トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明

最終更新:5月8日(水)18時09分

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