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トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明(全文4)フルモデルチェンジに取り組んだ1年

5月8日(水)17時53分配信 THE PAGE

2019年3月期決算を「良くも悪くも、今のトヨタの実力を映し出した決算」と評する豊田社長
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2019年3月期決算を「良くも悪くも、今のトヨタの実力を映し出した決算」と評する豊田社長
 トヨタ自動車は8日午後、2019年3月期決算の説明会を開いた。決算概要の説明後、豊田章男社長が今後の事業方針を説明した。

※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「トヨタ、2019年3月期の決算発表 豊田社長が事業方針説明」に対応しております。

     ◇     ◇

未来はトヨタだけではつくれない

 私たちが求める未来はトヨタだけではつくることができません。だからこそ、志を同じくする仲間を広く求めていくのです。グループ会社はもちろん、ほかの自動車メーカーとの連携、コネクティッドシティを支える、あらゆるもの・サービスを提供する仲間との連携を強化していきたいと思っております。こうした取り組みを進める中で、私たちが目指すモビリティーカンパニーとしてのビジネスモデル、モビリティー・サービス・プラットフォーマーへの道が開けてくると考えております。

 これまでいろいろ申し上げてまいりましたが、大変革の時代は何が正解か分からない時代であります。とにかく、良いと思ったことはやってみる、間違っていると分かれば引き返し別の道を探す、やってみながら考える、ということが重要だと思っております。

 成功体験を持った大企業をフルモデルチェンジするということは本当に時間が掛かることだと思っておりますが、過去の成功モデルに頼っていては未来はありません。めまぐるしく変わる環境に対応しながらも、中長期的な視野に立ち、ぶれない軸を持ち、変革への取り組みを進めてまいります。

 私たちの未来にご期待いただくとともに、引き続き皆さま方のご支援、よろしくお願い申し上げます。長時間ご清聴ありがとうございました。

司会:それでは皆さまからご質問をちょうだいしたいと存じます。ご質問のある方にはマイクをお持ちいたしますので、お手を上げてお知らせください。なお、なるべく多くの方からご質問を頂戴したいと存じますので、恐れ入りますが、お1人さま2問までとさせていただきます。それではよろしくお願いいたします。では、前から2番目の方お願いいたします。

決算面で見た時の評価を教えてほしい

日本経済新聞:日本経済新聞の【オオモト 01:17:58】と申します。社長にぜひお伺いしたいことが2点ございます。まず、前期の決算も含めた決算の評価についてでございます。就任10年を迎えられて、過去、現在、未来と、先ほどプレゼンテーションでも、事業についての振り返りはございましたけれども、あらためて決算面から見たときの評価について教えていただけますでしょうか、これが1点目です。その関連なんですけども、その未来の部分で成長戦略について、例えばトップラインへの考え方ですとか、そういったところも合わせて教えていただけますでしょうか。これが1点です。

 2点目は、米中中心の通商問題に関連してお聞きしたいと思います。まず、マクロ経済の影響が相当大きいというふうに言われてますけれども、そもそもの捉え方、受け止め、分析、どのようにされているかについてお伺いしたいのと、あと、トヨタとしての米中、2大市場への投資の基本的なお考え方、これについてお伺いしたいと思います。以上です。

豊田:まず、先ほどの第1部の会見でも話題になっておりましたように、私ども、売り上げ規模で初めて30兆円を越えることができました。これも一重に私どもの売り上げに寄与いただきました、お客さま、そして販売店、仕入先、そして従業員、全ての人たちが、こつこつと積み上げてきた80年にわたる結果だと思います。あらためて、このメディアの方々を介しまして、この売り上げ高が達成できたトヨタをお支えいただいたこと、これに対しては感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 今まで、この決算発表の中で、私、毎回いろんなことを述べてまいりました。例えば2014年3月期は、意志ある踊り場。そして2015年は、意志ある踊り場から実行フェーズに。そして2016年は、自分たちの意志が本物かどうか確かめられる年。そして17年は、等身大の実力が素直に認められた決算。そして昨年は、たゆまぬ改善というトヨタらしさがあらわれ始めた決算。ということに対して、今年はどうかということだと思いますが、今年をあらためて一言で言うというのは難しいんですが、あらためて言えということであれば、未来に向けてトヨタのフルモデルチェンジに取り組んだ1年、というふうに言えるというふうに思います。

 これは、良くも悪くも、今のトヨタの実力を映し出した決算だったんじゃないのかなとも思っております。未来へ向けた積極投資というものは、この期間においては、結構できたんじゃないのかなというふうに思っておりますが、例の原価をつくり込む活動だとか、トヨタらしさを取り戻す風土改革、これはまだまだ道半ばなんじゃないのかなというふうに思っております。

米中の通商問題をどう見ているのか

 あらためて、この過去の10年間を振り返りますと、特にこの平成30年まで入れるともっと分かりやすいんですが、この世界の自動車市場を牽引してきたのは、やはりアメリカと中国だったというふうに考えております。その中でトヨタはどうだったのか。やはり母国、日本に置き、やはり成長という意味では、この30年間、日本はほとんど成長しなかった。平成元年に国内では最高の市場を持ち、あとはずっと右肩下がりに下がってきて、その中には消費者税の2回の増税があったということだと思います。

 そしてアメリカにおいては、やはり2007年までは順調に伸ばしたんですが、その後のリコール問題、そして公聴会など、いろんなことがありまして、着実に年輪的に示す方向をやってきた。また中国においては、やはりトヨタという会社はいろんな意味で、ナショナルリスクを背負う会社だと思っております。そんな中、中国に対してもほかの他社に比べますとトヨタの伸びはちょっと、もう少し改善の余地があったんじゃないのかなというふうに思っております。

 ただ、私が社長就任したときに比べますと、いわば従来のビジネスモデルをベースに良くしていくことは、変化への追随スピードは多少速まったんじゃないのかなというふうに考えますが、例えば市場が大きく変わるだとか、セダンからSUVに車種構成が大きく変わるだとか、このようなどちらかというとパラダイム的な変化に対しては、この対応スピードという点においてはまだまだトヨタは大きく課題が見つかったんじゃないのかなというふうに思っております。

 こんなスタイルを私の在任期間中にできるとは思いませんが、トヨタらしさを取り戻すこと、そしてトヨタらしい企業風土、文化の再構築については私の代でできる限りやる覚悟でございます。

 それと、これいいですかね。米中とか。まとめて言ったつもりですが。足りない点なんかあります?

就任後、感情を揺さぶられたことは?

日本経済新聞:1点目についてのご質問のご回答だと思いますけれども、足りない点、強いて挙げるとすると、社長が10年振り返られて喜怒哀楽じゃないですけれども、感情を大きく揺さぶられたようなところがもしあれば、せっかくの機会なのでちょっとお伺いできればなと思っております。

豊田:毎日揺さぶられておりますが。よくいろんな方からも、もう10年になりますねって言われます。いつ辞めるんですか、みたいな雰囲気でやるんですが、私10年やることを目的にしてきたわけじゃなくて、いわばどちらかというと最初にすぐ米国公聴会に行きましたので、社長は1年持たなかったなと思ったスタートでした。

 そして最初は赤字でしたから、今すぐにでも責任取って辞めさせるような立場でスタートいたしましたので、そういう意味では長くやるなんていう気持ちはそうそうなく、どちらかというと毎日、毎日必死に生き抜いていった結果、今日があるというのが本当に正直な気持ちであります。

 ですから、そういう意味で毎日、今日も生きていた、今日もまた、あしたもトヨタの経営に携われるんだということを毎日必死に続けてきた結果、今になってきたので、今のご質問でいくと毎日はらはらどきどきしておりました。

司会:よろしいでしょうか。では、次のご質問いかがでしょうか。真ん中の列の一番前の女性の方、お願いします。

何を一番大切にして経営判断しているのか

中日新聞:中日新聞の長田といいます。豊田社長によろしくお願いします。先ほどもお話しされていましたが、昨年1月にモビリティーカンパニーにフルモデルチェンジさせることが私の使命とずっと社長言われてこられまして、仲間づくりがキーワードになっていくというお話ありましたけれど、その中で何が正解か分からない時代の中で、社長として仲間づくり、協業の輪を広げていくときに、何を一番大切にして経営判断されていっているのか。社長としてのぶれない軸というところについて、もう少し詳しく教えていただけたらと思います。

豊田:仲間づくりを進めていく上で、キーワードはやっぱりオープン・アンド・スピードだと思います。まずオープンっていう意味では、自分自身に競争力がないと、自分自身がある程度存在感がないと、オープンだといったところで誰からも相手にされないと思います。

 ですから、そういう意味で自動車業界1社だけで何もできないんだということを認識するとともに、やはり自分たちの強み、そして自分たちの弱みを理解した上で、いろんな業種、いろんなほかの会社と共にさらに笑顔となる未来をつくるために自分たちも参画したいという意思は全社員、私ども役員全員持っております。ですから、そういう中においてその意思が本当に相手からもパートナーからも認めていただくような競争力と信頼度を付けることが、まず一番大切なことなんじゃないのかなというふうに思います。

 それともう1つは、やはりそれと非常に似てくるんですが、やっぱりトヨタが選ぶわけじゃなくて、トヨタが選ばれる立場なんだよということがもっと大事だと思います。ですから、企業の規模でいきますと、すぐトヨタが選んでいるというふうに取られがちなんですが、私たちはわれわれ自体が選ばれているんだと。

 だから、われわれと一緒に仕事をする意義とか、われわれと一緒に未来をつくりたいとか、そういうはっきり言っちゃえば好き嫌いも含めて、トヨタが好きですと言っていただく方を増やしていくことが僕は必要なんじゃないのかなというふうに思っております。

司会:よろしいでしょうか。では次の方、いかがでしょうか。ではこちらの前から4番目の今、手をあげていらっしゃる眼鏡の男性の方。

コネクティッドシティ実現に必要な支援は?

GT Capital:アジア地域のビジネスパートナー、GT CapitalのAlfred Tyと申します。ぜひ質問をさせていただきたいと思います。ただ今、将来のご計画、特に新たなモビリティー社会やコネクティッドシティに関するご説明をいただきまして、非常に興奮を感じております。私どももアジアのパートナーとして、アジア地域で一緒に計画を実現したいと、そういう気持ちを持っております。

 しかしながら現実はといいますと、アジア諸国は新たなモビリティーやコネクティッド技術の面でまだまだ非常に遅れており、あるいはそういった道の緒に就いたばかりで、計画実現には政府から、特にインフラ面での強力なサポートが必要だと考えます。そこで質問をさせていただきたいと思いますのは、実現する上で必要な政府のサポート、特にインフラ面でどういった支援が必要かについてお考えをお聞かせいただければと存じます。

豊田:私が答えまして、ちょっと技術的に寺師副社長のほうから補足をお願いしたいんですが、今、Tyさんのほうからフィリピン市場およびアジアの市場はまだまだ遅れているというふうに、そちらからは言われるかもしれませんが、われわれからは急激に伸びている市場だという認識を持っております。

 日本とか、中国は別にしまして、ほかの地区は市場自体がそう伸びない中で、アジア地区、中国も含めまして、非常にまだまだ伸びていく市場だというふうに考えております。そういう中において、私どもが80年掛けてつくり上げてきた自動車のビジネスモデルというのが、このCASEの登場とともに一足飛びに、今まで何十年掛けてやってきた自動車会社に一足飛びに追い付く可能性があるというふうにわれわれはアジア諸国を見ております。

 そういう中で使い方とか、いわば、先ほど言いました電動化の中でも特にFCVとEVに限っては、政府のインフラが必要になってまいります。そして、どうしてもいろんな意味での補助金というものも必要になってまいります。ですからそういう意味でトヨタの意見を聞いてみたい、新しい自動車政策を考えるんであればトヨタの意見を参画にしたい、トヨタもメンバーに入ってほしい、そういうふうに、逆に選ばれるトヨタになっていきたいというふうに思っております。

 トヨタは以前よりどこの進出国に限っても、この町一番と言われることを目指しております。この町一番という意味は、先日もカナダで新しいNXの発表がございました。そのときに政府関係の方からは、投資を決めてくれてありがとう、そして私どものカナダの工場からは、この何十年という間われわれを支えてくれてありがとうと、双方がありがとうと言い合える関係、これこそが必要とされる会社になるキーワードなんじゃないのかなというふうに思っておりますので、フィリピン政府におかれましても、トヨタが進出してくれてありがとう、私どもとしてもフィリピン国民はじめ、全てのサポートをいただいてありがとうというふうな、お互いがありがとうと言える関係を目指し、この町一番の会社ですねと言われるよう努力してまいりますので、そのためにも日々の笑顔が必要だと思います。ですから、そういう意味で日頃のご尽力に、この場でございますが、あらためて感謝申し上げたいと思います。

【書き起こし】トヨタ決算発表 豊田社長が事業方針説明 全文5に続く

最終更新:5月8日(水)18時10分

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