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人気のテーマ型投資信託に投資するべきか~売れ筋トップ5の変遷を見る

4月23日(火)22時00分配信 LIMO

写真:LIMO [リーモ]
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写真:LIMO [リーモ]
人はどういうわけか、人気商品が気になります。たとえば、人気ラーメン店に1時間も並んだり、新しいiPhoneが出れば徹夜組が列をなしたりします。おそらく人間の脳の中には、「人気商品=良い商品」というシナプスができあがっているのでしょうね。

しかし、人気商品には流行り廃りがあるのも事実(iPhoneは根強い人気がありますが)。実は金融商品である投資信託でもこの傾向があり、売れ筋の投資信託は入れ替わり立ち替わりしているのをご存じでしょうか。

人気の投資信託は3か月ごとに変わる

図表1:資金流入額上位5本の投資信託の推移(過去1年間)(出所:各種データベースにより筆者作成。注:各月末基準で、過去1か月間の資金純流入額上位5本の投資信託のランキング。)
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図表1:資金流入額上位5本の投資信託の推移(過去1年間)(出所:各種データベースにより筆者作成。注:各月末基準で、過去1か月間の資金純流入額上位5本の投資信託のランキング。)
さて、本来、投資信託は長期運用でコツコツ積み上げ、リターンを獲得していくのが王道です。

しかしながら、なぜか日本では「人気の投資信託」が頻繁に変わります。投資信託は株式や債券が投資対象ですから、投資環境や相場状況の変化によって多少売れ筋の投資信託が変わってもおかしくありません。

でも、冷静に考えると株式は昔から株式だし、債券は昔から債券で、それぞれの投資対象の期待リターンやリスク値はそうそう大きく変わるものではありません。もっとも、債券に関しては世界中で金利が下がって、儲からない投資対象の代表格になってしまいましたが。

さて、図表1は、過去1年間(2018年3月末~2019年3月末)で、3か月ごとに売れ筋トップ5の投資信託がどのように変遷していったかを示しています。

これを見ると明白ですが、1年前の売れ筋は“ロボット”や“技術革新”を追求したテーマ型のファンドが中心でした。同時期の第2位以下の4本のファンドの純資産総額(当時)は合計1兆1813億円にもなり、一大テーマになっていたのがお分かりになるでしょう。

第1位の投資信託は、証券会社のファンドラップ一任取引の投資対象となる特殊なファンドになりますので、一般に購入することはできません。おそらく、そのファンドラップの運用方針の変更で、日本債券に運用する割合が大きくなったと推察します。

それから3か月後の2018年6月末には、“ロボット”はどこかに消え、“バイオテクノロジー”や“フィンテック”が顔を出してきました。同年9月末では、設定から20年近く運用されている“netWIN”も再登場し、バイテク・ハイテク絡みのテーマが再注目されていました。

昨年の年末時点では、年末にかけて世界的に株価が軟調になったこともあり、日本株インデックスファンドの押し目買い(=株価が下がったところで買いを入れること)と見られるトレンドが一瞬発生しました。みなさん、その後うまく売り抜けていればいいのですが(笑)。

毎月分配型ファンドが復活!?

そして今年の3月末では、“ゲノム”が新しいテーマとして出てきた感じです。ただ、上位5本の投資対象テーマはばらばらで、全体的なテーマとして何か大きなものが来ている感じではありません。ただし、1位には老舗の毎月分配型ファンドがランクインしています。

この投資信託のピーク時(2007年5月)の純資産総額は2.8兆円ほどにもなり、あの「グロソブ」に次ぐ巨大ファンドであったのです。最近パフォーマンスが回復し、分配金利回りも年15%程度にもなってますから、再度投資家の注目を集めているところだと思います。

この3月末では、上位5本中2本が毎月分配型の投資信託ですので、ひょっとして再び「毎月分配型ファンド」がブームになるのかもしれません。もっとも、これらの高分配毎月分配型ファンドの分配金には、元本払戻金が含まれていますので、純粋な運用収益のみを分配しているわけではありません。

年間の分配金利回りが10%を超えるような投資信託に投資する際は、元本払戻金を含まない真水の分配金の利回りがどのくらいなのか、必ずチェックしましょう。

このように人気のファンドはコロコロ変わるもの。賢明なる投資家は、“大衆の後追いをしない”でおくことにしましょう。繰り返しになりますが、「本来、投資信託は長期運用でコツコツ積み上げ、リターンを獲得していくのが王道」なのですから。
太田 創

最終更新:4月23日(火)22時00分

LIMO

 

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