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「ただのメンテナンス」と侮ってはいけない外壁塗装《楽待新聞》

4月20日(土)9時00分配信 不動産投資の楽待

(写真:不動産投資の楽待)
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(写真:不動産投資の楽待)
物件を持っているならいつかは行わなければならない外壁塗装。しかし、塗装業者に見積りをとっても金額はバラバラ。どのくらいかかるのか、どんなデザインにすればよいのか、完成図を描くのは難しい。

いざ工事を発注したら費用が膨れ上がり、見積り書の10倍になってしまった、せっかく塗装をしたのにたった一年で塗料が剥がれてきてしまった、などの失敗事例も楽待ユーザーから寄せられている。

実際に投資家たちはどのくらいの予算をかけ、どんなことに気をつけながら所有物件の塗装を行っているのだろうか。4つの事例から、塗装のコツをお伝えしよう。

■塗装について学びたくて、塗装業者でアルバイト!?

所在地:埼玉県さいたま市
構造:木造アパート
築年数:24年
戸数:4戸
塗料:アクリル系シリコン塗料
施工費用:120万円

アパート4棟24戸をはじめ、戸建、店舗、駐車場などに投資する中村貴弘さんは、さいたま市の木造一棟アパートの塗装を行った。外壁を触ってみるとチョーキング(手に白く粉が付く現象。塗料の劣化を示す)が起きていて、つなぎ目のコーキングもボロボロになっていた。

「購入から約5年が経ち、築年数は24年。売却も視野に入れ物件の価値を高めたいのと、不具合が表面化する前にと思って塗装をすることにしました」

そんな風に語ってくれた中村さんは、実は自分で塗装業者の求人に応募し、3カ月間アルバイトをした経験を持っている。

「塗装の勉強をしようと思い、週に3回ほど塗装業のアシスタントをしていました。そんなわけで、最初は保有物件の外壁を自分で塗ろうと思っていましたが、実際にやってみると塗料の蓋を開けたらその日のうちに使う必要があるし、塗料の保管や色の調合が難しい。時間がかかると入居者さんにも迷惑がかかるので、バイトでお世話になった業者さんにお願いしました」

塗装のアルバイトで得た知識や経験を活用し、自分の目で現場を確認して自ら塗装も鉄だった。

「自分でも、共有部分と階段鉄部、建物正面部分の塗装を行いました。ここは僕が塗ったんだよ! と見に来た人に伝えられるような場所で、手も届きやすい場所です。また、屋根の不具合のチェック、コーキングの仕上がり、ケレン作業のチェックなどをバイトを通じて行っていたので、どこまでやれば塗装を効果的にできるのかなどが分かったうえで工事をチェックできました」

塗装の過程では、「ケレン作業」と「目荒らし」がしっかり行われているかどうかということが重要になる。「ケレン作業」とは、塗装の前に壁から既存の塗膜を除去する作業のこと、「目荒らし」とは鉄部や破風板などの表面をヤスリなどで削る作業のことだ。

これらがきちんとされていないと、塗料がすぐに剥がれてしまい長持ちしない。中村さんは目視と手で触ってみて、落とせる塗膜や汚れはしっかり落としているか、落とせないところは目荒らしをして塗料を乗りやすく下地処理しているかを確認したという。

「スポーツブランドの黒ジャージに赤のラインが入ったものをイメージして、少し凝ったカッコいい感じにしました。塗装屋さんは一般的にはデザインよりも施工のしやすさを重視したり、凝ったデザインで失敗するとチグハグになるので奇抜な色を使うのを避ける傾向になります。今回は、自分の考えをしっかり聞いてくれる塗装屋さんにお願いできたので、オーダーどおりにやってもらえました」

こうして出来上がったときの感動はひとしおだったと言う。

「入居者さんや不動産会社さん、さらには大家仲間からもカッコいい、すごくイメージが変わったとお褒めの言葉を頂きました。自分がイメージしたものができあがって周りの方に褒めていただくと嬉しいですね。外壁塗装はある意味、贅沢な塗り絵遊びなんじゃないかと思います」

○Point!
1.チョーキングが起き始めたら、不具合が発生する前に塗装を!
2.下地処理の段階で、「ケレン作業」がきちんと行われているかどうかに注目!

■築古の地味物件も塗装でオシャレに

所在地:神奈川県小田原市
構造:RCマンション
築年数:23年
戸数:4戸
塗料:水性形二液低汚染・遮熱シリコン系上塗材
施工費用:570万(+デザイン費約50万)
※屋上防水も同時実施

所在地:東京都杉並区
構造:木造アパート
築年数:29年
戸数:6戸
塗料:水性形二液低汚染・遮熱シリコン系上塗材
施工費用:340万円
※屋根換え工事も同時実施

競売物件を中心に戸建、一棟、区分等幅広く投資する実践大家コラムニストの競売大家さん。最近、2棟の物件で外壁塗装を行った。

「築23年のRC物件は、購入後すぐ雨漏りがあったので屋上防水と共に外壁塗装を実施しました。財務省の公売で購入した物件だったので、白い壁のありきたりな雰囲気を無くしたいと考えました」

そこで、塗装を専門とするデザイン会社にも相談。デザイナーの力も借りながら、マンション名を壁面に大胆にデザインした。

塗装後は、印象が一新された効果もあったのか「内見からの成約率」が高くなったという。ネット上の広告ではあまり閲覧がない物件だったが、客付け会社が案内すると3件に1件は成約に。外壁だけが要因だったわけではないが、印象アップには大いにつながったのだろう。その後、物件はすぐに満室になった。

木造アパートの方も、アパートや戸建てが立ち並ぶ住宅街の中で、少しでも明るく目立つ色を選ぼうと意識したそうだ。

そして、競売大家さんが今回特にこだわったのは、塗装の「品質」だ。塗装業者も、品質を担保してもらえる会社かどうかを見極めて選んだ。

「この先、すぐに物件を売却することを考えているのであれば、品質を下げ価格を抑えた塗装をすることもできます。ですが、今回はどのくらい所有するかわからなかったため、品質が確かなことを第三者に示せる業者と塗料を選びました」

修繕にかけた費用や品質を証明できると、金融機関によっては融資の際の評価額が高くなることもあるという。

「金融機関に高く評価してもらえる物件であればその分売りやすくなり、高く売却できる可能性があります。せっかく塗装するのであれば、防水効果だけでなく売却時のことまで考えて、トータルで費用対効果の高いものを選ぶのが良いのではないでしょうか」

元々安く入手した物件のため、現在は物件価格に改装費用込みでRCは利回り9%、木造アパートの方は8%ほどで回っているという。

また、手抜き工事による失敗を避けるため、10年の保証制度もつけた。

「塗装工事は、手抜きしようと思えば幾らでも手抜きされてしまうんです。業者さんが『3度塗りしました』と言っても、本当に3度塗りしているのかはわかりません。しかも、手抜きされたことが判明するのは、1、2年後。そのリスクを回避するために、10年保証をつけてもらえる業者さんにしました。保証期間中に倒産してしまう可能性の低い業者さんを選びたかったので、まずは担当者が信頼できそうな人柄かどうかを見極めて、できるだけ会社の体制や受注状況をヒアリングしました」

今後塗装をする人におススメするなら、「提携リフォームローンを持つ業者」を選ぶことだと競売大家さんは言う。

「業者さんがリフォームローン提携をしているところだと、ほとんど審査もなくスムーズに借りることができます。今回は、金利2.6%ほどで借りられました。ローン会社と提携しているということは、ローン提携のための審査に通っているということにもなりますから、ある程度安定した会社という指標でもあります」

○Point!
1.高額な修繕だからこそ保証付きを
2.リフォームローンを使うなら、提携している業者を選ぶ

■塗装をきっかけに、管理会社との関係性構築

所在地:宮城県大崎市
構造:木造アパート
築年数:37年
戸数:3戸
塗料:不明
施工費用:170万円

「もともと1300万円だった築37年の木造アパートに指値を入れて、1100万円で購入した物件です。ところどころにひび割れが目立ってきていたので、購入したときからこれは塗装が必要だなと思っていました」

そう語るのは、実践大家コラムニストで、宮城県を中心に投資するひかり不動産さん。この物件では指値で浮いた200万円分が、ちょうど塗装費用になった。

購入したばかりの物件で、管理会社との関係も始まったばかり。そんなひかり不動産さんにとって、外壁塗装が管理会社との距離を縮める一つのきっかけになったそうだ。

「工事自体は元々付き合いのあった工務店に発注しましたが、塗装のデザインなどはかなり管理会社さんに相談しました。他の物件の事例を教えてもらい、今後の入居付けにあたって印象が良い色を選ぶように心がけました。例えば、四つ角を異なる色に塗装するのは、管理会社さんのアイディアでした。これは完成を見た人にも好評でしたね。担当さんには、そのお礼をしっかり伝えて、一緒に喜んでもらえました。管理をお任せしたばかりの時期だったので、『管理会社さんは大事なパートナーです』という気持ちを伝えられたと思います」

●管理会社H社 H部長のコメント

初めて物件を拝見させていただいた際、正直言って古いなぁ~って感じました。ただ、家賃設定やリフォームを整えれば勝機はあると感じましたのでオーナー様にいくつかのリフォームを提案させていただきました。外壁塗装も行って頂き、見違えるように明るい物件へと変身いたしました。

前出の競売大家さん同様、塗料は保証付きのものを選んだ。5年間の保証がついていることが、塗料選びの決め手になった。

「1回がかなり高額の修繕になるので、多少割高でも保証がきくグレードが高めの塗料にしておいた方が良いと思います」

物件購入とほぼ同時に塗装を検討していたということだが、物件の購入費と塗装費は分けて融資を組んだ。

「物件自体は公庫で融資を受けたのですが、オーバーローンで審査が通らないリスクを考えて、塗装費用は工務店提携のリフォームローンを組みました」

○Point!
1.購入時点で必要な修繕を想定して、指値で購入
2.過去の塗装事例を見せてもらう、意見を取り入れるなど管理会社とチームになって関係性構築を

■20年で初めての大規模改修、空室も埋まった!

所在地:東京都小平市
構造:RCマンション
築年数:34年
戸数:18戸
塗料:タイル部→タイル撥水コート 壁面→ウレタン塗料
施工費用:800万円
※鉄部、共用廊下、居室扉の塗装、ポスト交換等も一緒に実施

実践大家コラムニストの俳優大家さんが塗装したのは、築34年のRC物件だ。「20年前に購入して不具合があるたびに処置してきましたが、入居率がよかったので大規模修繕を後回しにしてきました。今回、屋上の排水溝の詰まりから雨漏りが発生したことをきっかけに、屋上防水と外壁塗装を行うことにしました」

任意売却で購入したマンションは管理状況が良いとは言えず、さらに、購入してからも20年間大規模修繕を行っていなかったそうだ。

「タイル張りの場合、材質はモルタルより強いですが、だからといって長持ちするということはないようです。継ぎ目から水が入り、かなりの枚数張替えが必要でした」

タイル部分は、洗浄→浮いた部分の交換→撥水のコート塗装を行った。塗料はクリア塗装と呼ばれる、タイルの元の光沢が出せるものを用いた。

片山さんは、業者選びをしている際にこんな経験をしたという。

「ある会社に見積りを依頼したときのことです。ホームページでは、安価で雰囲気良くできると書いてありましたが、実際に見積りを取ると高額で雑な見積りが上がってきました」

実際の見積り書には、ざっくりした金額と「見積りにない項目は別途見積りが必要です」という一文が。どこにいくらかかるのか、最終的にいくらになるのかわからない見積りは参考にならない。

最終的に塗装を依頼したのは、元々施工をお願いしている工務店だった。防水・塗装の職人を自社で雇用しているため安く、施工後も不具合があるとすぐに対応してくれているという。 外壁塗装以外にも、鉄部、共用廊下、居室扉の塗装や集合ポストの交換、駐車場タイルの補修などを行った。

購入してから初めての大規模修繕を終えて、何か効果はあったのだろうか。

「足場をかけたついでに、1階の店舗所有の屋上看板も塗装し直しました。足場代が浮いたことでテナントには非常に喜ばれました。1室だけあった空室にも申込みが入り、管理会社、入居者、近隣の方からも『よくなったね』と言ってもらっています」

○Point!
1.見積り書が大雑把な業者には注意
2.タイル壁はモルタル壁より頑丈だが、継ぎ目のひび割れから水が入り込む

物件によって、投資家によって塗装の方法も費用も様々。大規模で高額な修繕になるため、自分の物件で行うなら、過去の事例も参考にしながら自分の物件に最適な方法、業者、価格の基準を作り、それに沿った施工をしていきたい。
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:4月20日(土)9時00分

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