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家賃2.7万が6万にUPした「平屋投資」の旨味《楽待新聞》

3月24日(日)20時30分配信 不動産投資の楽待

(写真:不動産投資の楽待)
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(写真:不動産投資の楽待)
昔ながらの平屋戸建てが、ここ数年、マンションと一軒家のメリットを併せ持つとして幅広い世代から注目を集めている。「ワンフロアで生活できるのに庭がある」など入居者に好評の平屋だが、実はオーナー側にもさまざまなメリットがある。

平屋に投資するオーナーの中には10棟以上の築古平屋を所有し、平均20%の高利回りを実現しているオーナーもいる。また、家賃3万円以下でも入居者が集まらなかった築古平屋をリノベーションすることで、1カ月以内に入居が決まった上に、家賃が2倍以上になったケースもある。

戸建て投資の人気が高まる中、平屋投資は狙い目なのか。そのメリットやデメリットについて、平屋投資で収益を上げるオーナー2人と、平屋のリノベーションを手掛ける不動産会社に話を聞いた。

■「ワンフロアで生活できる」から「入居付けしやすい」

住環境研究所が2016年、全国の30代以上の男女1050人に行った調査によると、「老後の理想の住まい」について、「平屋」を選択したのは全体では247人(23.5%)。世代別では60代が27.2%と最多だが、30代でも16.7%の人が平屋を希望している。

選択した理由としては「階段の上下移動がない」が一番多く、次いで「同一階で生活できる」「コンパクトだが効率の良い間取りが楽しめる」「庭が楽しめる」などが挙げられた。また、こうしたワンフロアでの生活が可能になっているのに加えて、同様のメリットを享受できるマンションやアパートとは異なり、上下や隣に対する音を気にしなくて済むため、気楽さがあるという。

このような理由から、昔から平屋に親しみがあり、かつ階段を好まない高齢者はもちろん、子育て世代を含む若い世代からも根強い人気を誇っている。こうしたニーズを踏まえ、不動産投資家の中にもすでに平屋への投資に注目し、実践している人がいる。

■築古平屋に、2倍の家賃で入居がついたワケとは

静岡県浜松市で不動産仲介や施工などを行うプラ株式会社は、昭和40~50年代に建てられた築古の平屋借家のリノベーションを手掛け、オーナーの収益向上につなげる「借家プロジェクト」に取り組んでいる。

代表取締役の谷野祐司氏は、「築40年以上の平屋借家は、以前は『古い』とか『汚い』と言われ、周辺に住んでいる人も近寄りたくないと感じていました。借り手はつかないけれど、空き家として放置もできず、物件のオーナーは本当に悩んでいたんです」と語る。

そうした状況を受け、同社は平屋に特化しようと2014年ごろからリノベーション方法などの調査を開始。この2年間で築40年前後の平屋借家14棟をリノベーションした。驚くのは、そうした築古物件の収益だ。

「リノベーション前は、家賃2万7000円で募集しても入居が決まらない物件がありました。しかし、リノベーションをした現在は家賃6万円で貸し出すことができています。周辺で新築の2階建て物件が7万円程度ですから、ほとんど変わりません」

残りの物件でも、家賃が倍になった物件が大多数となっていると語る。その上、14棟の物件すべてがリノベーションしてから1カ月以内に入居が決定しているという。

■ターゲットは「若者」

なぜそうしたことが可能になったのだろうか。その秘訣は、ターゲットの設定にある。同プロジェクトでは、若い世代をターゲットにした。現在、14棟中13棟に若い入居者が入っている。物件の情報もSNSを駆使してアピール。オーナーにもSNSを使うように伝えている。

「今の20~30代の若い世代はリノベーションに対する理解度が高いんです」という谷野氏。特に、住まいにデザイン性の高さや個性を求める人たちから人気が高いと話す。加えて、平屋の希少価値の高さが「個性的」ととらえられ、さらに注目を集めるという。

リノベーションした物件は「パリ風」をイメージ。室内ではデザイン性の高い建具にもこだわり、またクロスを使わずペンキ塗装にすれば、おしゃれに見える上に費用も安く抑えられる。
「オーナー自身でアイアンのフックや棚を取り付けるなど、簡単にできることもあります。ペンキだって、オーナー自身がDIY感覚でできます」

谷野氏によれば、14棟のうち4棟は店として使用されているが、ネイルサロンなどのオシャレさを重視した店舗に使用されている。リノベーションした平屋物件のデザイン性の高さが認められている証だ。平屋の賃貸物件にはこうした店舗としての需要もある。谷野氏は「我々のところにも、『店舗として平屋を借りたい』という希望者が、現在18組いるんです」と述べる。

■2階建てよりどれだけ安くリノベできるのか

谷野氏は、同社が手掛けたリノベーションの経験から平屋のメリットをこう語る。

「平屋のリノベーションでは、LDKを広げるなどの間取りの変更や、勾配天井を利用した吹き抜けを設けるといったことをしていますが、それで約300~400万円くらいです。2階建てで同様にリノベーションしようと思ったら、700~800万円ほどかかりますし、凝ったものはできません。築古で賃貸物件として貸し出すとしたら、オーナーさんにとって割に合わないと思います」

さらに、大掛かりなリノベーションではなく、原状回復工事などでも平屋は安いという。

「アパートのリフォームを行ったこともありますが、外壁、屋根、板金、外階段……とさまざまリフォームをすれば500万円くらいにはなってしまいます。その点、平屋は耐久性にも優れていることもあり、塗装や屋根の高圧洗浄を含めても40万円程度で済みました」

メンテナンス費用が安い平屋物件で費用をかけすぎないリノベーションを行い、かつそれを受け入れる若者にターゲットを絞ることで、入居付けも容易になる上、家賃収入を上げることもできる。平屋にはそんなメリットがあるという実例が、この「借家プロジェクト」だ。

■格安のメンテナンス費用

長野県に11棟もの平屋を所有するサイエンス大家さんは、築古平屋への投資で平均利回り20%超を実現している。

「1棟だいたい300~500万円くらいで購入しています。家賃は平均約5万円で、周辺相場を見ると新築では安いかもしれませんが、築古物件では少し高いくらいですね」と語る。入居者は高齢者やシングルマザーの家庭、若い世帯もいるという。特に高齢者を中心として長期間住んでくれることが多いことがメリットの一つだと話す。しかし、最大の魅力はメンテナンス費用の安さだという。

「私も2階建ての物件を別に持っていますが、その2階を支える重さのせいでしょうか、30年、40年経った時の2階建ての物件は歪みがあるんです。頻繁な上り下りのためか、階段周辺の床もフワフワしていました。しかし、平屋ではそんなこともありません。だから、リフォーム費用も全く違うんです」

サイエンス大家さんはある時、購入した平屋をフルリフォーム。和室を洋室に変更したり、クロスを張り替えたり、洗面台を交換したりして、総額約100万円程度だったという。

一方で、同時期に検討していた2階建て物件のリフォームには平屋よりも傷みやゆがみが多く、200万円以上の見積りを提示された。これだけ金額に差のあるリフォームをしても、回収できる家賃は2階建てと平屋で約5000円しか変わらない。「この金額を回収するには長期間かかると思い、やめました。結局階段下の床の修繕など、本当に簡単なリフォームだけで終わらせましたが、それだけで約30万円かかりました」

外壁塗装を行う際にも「高い場所に上る必要がなく、脚立があれば自分でも簡単にできます」とメリットを話す。さらに、平屋にはほかにもいい点があるという。

「購入物件の1つが傾いていたことがありました。いくらかかるんだろうと思って地元の工務店に相談すると、『平屋だから簡単に直せるよ』と言われました。実際、基礎との間にゴムのようなものを詰める工事で水平になったんです。しかし、2階建ての建物では重さがあるから、簡単に傾きを直すことは無理だということでした」

このように魅力の多い平屋投資。サイエンス大家さんは、今後も平屋を買い進めたいと考えているという。

■利回り16%なのに「もう買わない」理由は?

首都圏を中心に複数の物件に投資を行うAさんも、1棟の平屋を所有している。これまでアパート経営だけを行ってきたため、「戸建て賃貸経営とはどんなものか」との思いから平屋への投資にチャレンジしてみたAさん。築40年ほどの3DKの平屋をオーナーチェンジで285万円で購入した。

現在は20代のカップルに、周辺相場と同じくらいの約4万円で貸し出している。表面利回りは約16%で「決して悪くはない」と話す。

平屋のメリットについてAさんは「普通のアパートでは競合が多いですが、平屋は数が少ないので、その希少価値の高さから入居付けが楽だと思います」と語る。実際、この物件でも前の入居者が退去し、その原状回復中に入居が決まったという。また、出口戦略の多様さも魅力の一つだと話す。

「今の入居者がいるうちにオーナーチェンジで売却でもいいですが、実需として販売することも考えています。また、近所の方からの需要もあるので、物件の解体費込みで土地として売ることもできます。285万円で買っていますがリフォームで綺麗にしていますので、購入時より高く売れる見込みです。高いキャピタルゲインを得ることは十分可能です」

■自分の目標と合致するか

しかし、Aさんはこれ以上平屋投資を行う考えはないという。その理由とはなんなのか。

「まず、通常の戸建てや区分マンションと一緒ですが収入として0か100かどちらかしかないことですね。リスクヘッジがとれません」

また、Aさんはこの平屋物件について現金で購入している。そのため「返済がないという気楽さ」がいい点の一つだと語る一方で、「スピード感がないことはデメリットです」という。

「家賃は4万円ですから、1年で48万円の家賃収入にしかなりません。返済はありませんが、その分現金も入ってきません。どのような賃貸経営を行うのかという目標次第だと思いますが、私自身の目標としては合いませんでした」

■築古に投資するオーナーには、特に狙い目

不動産投資家としてどのような目標を立てるのか、どのような賃貸経営を行うのかというスタンスによっては、平屋投資はデメリットにもなりうる。しかし、リノベーションの自由度も高く、それでいてリノベーション費用、メンテナンス費用などのコストの安さが魅力的な平屋。個性的で希少価値も高く、それだけで他の物件との差別化もできる。

特に、銀行からの融資を引かないと決めているオーナーや、築古物件をリノベーションし、再生して賃貸経営を行いたいと考えているオーナーには狙い目だ。

スピード感を重視するのか、あるいは返済なしに安定感を求めるかといった自分の投資スタイルをきちんと見極めることが、平屋投資の魅力を最大限引き出すためには必要となる。その上で、自分が手をかけた物件が若者に受けるのか、それとも高齢者向けなのか、入居のターゲットもしっかり設定することで、高収益物件を作り出すことも可能だ。
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:3月24日(日)20時30分

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不動産投資の楽待

株式会社ファーストロジック

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