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ニーズ次第で独り勝ちの「家具・家電付き物件」《楽待新聞》

3月23日(土)9時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© tatsushi-Fotolia)
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(写真© tatsushi-Fotolia)
ワンルームをはじめ単身者向けの物件は供給過多で競争が激しい。成約に至るには、いかに他の物件と差別化を図るかがカギとなる。その方法の一つが、入居直後から生活ができるよう最低限の家電などを揃えた「家具・家電付き物件」だ。

転勤などによる短期間の入居や、セカンドハウスとしての利用を希望する人にとっては、自分で用意する手間を省くことができ、金銭的・時間的な負担が軽くなるというメリットがある。

こうした物件はどれほど需要があるのか。準備にかかった費用や入居率の変化などについて、首都圏で家具・家電付きのアパートを所有する小林尚美さんに話を聞いた。

■テレビはリサイクルショップで1台2万円ほどの安さで手に入る

小林さんの所有物件は、周りに複数の大学や大手企業の工場があり、部屋数は10、間取りはいずれも1K。賃料は周辺の1K物件に比べて1~2万円ほど高く設定されている。

小林さんは他物件との差別化の方法として「家電設備を充実させる」ことに目をつけ、家電付きの中古アパートを2016年に購入した。指値交渉が通り、相場より安く購入できたそうだ。

ただし、備え付けられていた家電は部屋によって異なり、全室に共通していたのは、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの3つのみだった。テレビは1台も置かれていなかったため、小林さんは募集中の部屋すべてに設置することを決めた。

「新品だと高いですが、リサイクルショップでは1台2万円程度で案外安く手に入ります。また夫の協力を得て、運搬から設置までを自分たちで行い、コストを抑えました」(小林さん)

その後、格安のテレビを見つけたら購入しておき、残りの部屋も空室になるたびに設置していった。

元々家電付きの物件を購入したことで、追加で揃える家電が限られていたこともあり、低コストで準備ができた。家電はすべてリサイクルショップで揃えたわけではなく、新品を購入したものもあった。家具類の購入はしなかったが、その後空室が生じた際に、カーテンなどの取り付けも行ったという。

■空室待ちも出る人気物件になった背景

ただ、近年は若者のテレビ離れが取り沙汰されている。テレビの設置は本当に入居率アップにつながるのだろうか。

「閑散期には2~3カ月空室だった部屋が、テレビを置いたことで、短期入居を希望する方で埋まるようになりました」(小林さん)。現在では長期入居の希望者と短期入居の希望者をバランスよく獲得でき、満室。空室待ちもいる人気物件だという。

背景には、物件が短期入居の需要が多いエリアにあることが挙げられる。前出の通り、小林さんが所有する物件の周辺には大学があり、進学を機に上京する学生のニーズがあった。その大学では学年によって通うキャンパスが変わる学部があり、そこに所属する学生からの1年未満の入居希望も多い。

「家電付きで短期入居ができるだけで、通常の物件との差別化ができている」と小林さんは自信をにじませる。内見をせずに室内の写真だけを見て成約を決める人もいるという。

「家電を揃える手間が省けたほか、持ち物は寝具や身の回りの物だけですむため、引っ越し時のコストを最小限に抑えられました」と、入居者からも好評だ。

短期の入居が多く、家賃も高めに設定しているため、新たに設置した家電類の金額も即時回収できている。

備え付けの家電は、使用していると徐々に劣化していく。故障した場合は修理費の出費などもありそうだが、小林さんはどのように対策をしているのだろうか?

「比較的短期間で回転する物件ですので、空室時にチェックして古いものは交換しています。エアコンなど費用負担の大きい物はまとめて購入設置することで値引き交渉できますので、今後のために業者さんに相談中です」(小林さん)

短期入居可の物件を家具家電付きにし、こまめにチェックできるようにしておけば、故障のリスクも下げることができそうだ。

数カ月前、新築の家具・家電付き物件を所有し始めた「サーファー母さん」さんも、「家電を安く揃えられたら、家賃を少しアップして入居者募集しやすいですし、周囲の物件との差別化には効果的だと思います」と話す。サーファー母さんさんも小林さんと同様、家電付きのアパートを購入した。

家電の費用はプロパンガス会社が負担してくれたため、通常の物件と変わらない価格で購入できた上に、新たに家電を買うコストはほとんどかかっていないそうだ。

■借り手の声は…?

家具・家電付き物件について借り手側はどう思っているのか。筆者が周辺に聞き取りをすると、転居の目的や契約期間などによって意見が分かれた。

「初期費用も安く済みいいと思う」(30代女性)という前向きな感想がある一方で、家族がいたり長期利用を意図したりする人にとっては、既に自分たちの家具や家電を持っているため、魅力を感じないとする意見があった。

「すでに家具や家電を持っているので、あまりありがたいと思わない」(40代女性)

「一通りの家電があるので特に魅力は感じない。割高になることや、破損のリスクのほうが気になる」(30代男性)

また、「特にベッドや洗濯機など、前に使った人と同じものを使用することに抵抗があります」(20代女性)など、使い回しを嫌がる人もいた。

だが、出張など短期利用であれば入居したい、と利便性を評価する声もある。

「単身赴任など短期の滞在予定ならいいと思う」(30代男性)

「3カ月~半年ほどの期間限定であれば魅力的だと思います」(20代女性)

室内に備えられていたら入居を考えたくなる家電については、

「洗濯機、冷蔵庫など、引越しの際に設置や取り付けに手間がかかるものは、備え付けられていると助かります」(30代男性)

「ビルトインの食洗機が付いていたら嬉しい」(40代女性)

「大型のテレビがあったら考える」(20代女性)

などの要望があった。

都内の不動産業者も「学生や社会人になりたての方、独身の転勤族には好まれる傾向があります。初期費用を抑えられることや、転勤のたびに家電や家具を運ぶ手間が省けるためです。逆にファミリー層の需要は弱いと思います」と話す。物件の立地やターゲットに短期入居・転勤族のニーズがあるのであれば、家具・家電を備え付けにしてみるのもひとつの戦略になるだろう。
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:3月23日(土)9時00分

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